上 下
48 / 130

処罰。

しおりを挟む
「さて。貴女と貴女のお母上の処罰に関しては、このメルキオール帝国が決めることになります。お父上と残りの構成員に関しては、マキシミリオン王国で処罰することになりました」

 そう。
キティさんと、レグディア男爵夫人に関しては、メルキオール帝国に籍があるので我が国で。

 残りの闇組織の人間に関しては、今回捕縛に多大に協力してくれたということで、マキシミリオン王国に処罰を任せることになったの。

 もちろん、采配するのは皇帝陛下であるお父様だ。

「二人の罰だが、まずは元レグディア男爵夫人をここへ!」

 お父様の言葉に、すぐに騎士たちが部屋の外へと出て行く。

 少しすると、喚き散らす声と共に縄で縛られた夫人が部屋に連れて来られた。

「・・・っ!ママっ!」

「キティ!アンタのせいでっ!私はね、アンタの父親のことが大嫌いだったのよ!人を無理矢理抱いておきながら、子供が出来たとわかった途端に姿をくらませて!私はね、あんな逃げ回るような生活はうんざりだったの!平民の私がやっと嫁げたのは男爵家。しかもアンタを産んだせいで、子を授かれなくなってた!だからアンタを引き取ったのよ!見た目は私に似てるから、高位貴族に嫁がせれると思って!なのに!なのに、あの男の後を継いで闇組織の人間になってるなんて!馬鹿じゃないの!アンタのせいで、私の人生は滅茶苦茶よ!」

「ママっ!ママ、嘘よね?パパとママは愛し合ってるって言ってたじゃない!無理矢理男爵家に嫁がされたって言ってたじゃない!それに、ママが言ったんじゃない!高位貴族に気に入られなさいって。だから、あの薬を作ったのに!」

「見た目だけは上等に産んでやったのに、怪しい薬を使わなきゃ男ひとり惚れさせることができないの?ああ!ヤダヤダ。こんな子を産んだせいで、全部台無しよ!」

 私はキティさんのことは人伝に聞いただけだけど、実際にルノール公爵令息様の侍従が亡くなっていることもある。

 だから、決してキティさんを擁護するつもりはないけど・・・

 レグディア男爵夫人のあまりにも醜い言いように、嫌悪してしまう。

 自分がお腹を痛めて産んだ子供を、何だと思っているのかしら。

 そりゃ、夫人だって色々あったのかもしれないけど、色々あったからって何もかもを人のせいにしても良いわけじゃないわ。

、キャンディ!同じく、キティ!お前たちに、判決を言い渡す!二人とも、北の国境にある魔物の森へ追放!再生の魔道具を付けて、魔物討伐の餌とせよ!」

 再生の魔道具?
魔物討伐の餌?

しおりを挟む
感想 369

あなたにおすすめの小説

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

[完結]婚約破棄してください。そして私にもう関わらないで

みちこ
恋愛
妹ばかり溺愛する両親、妹は思い通りにならないと泣いて私の事を責める 婚約者も妹の味方、そんな私の味方になってくれる人はお兄様と伯父さんと伯母さんとお祖父様とお祖母様 私を愛してくれる人の為にももう自由になります

どうぞ、(誰にも真似できない)その愛を貫いてくださいませ(笑)

mios
恋愛
公爵令嬢の婚約者を捨て、男爵令嬢と大恋愛の末に結婚した第一王子。公爵家の後ろ盾がなくなって、王太子の地位を降ろされた第一王子。 念願の子に恵まれて、産まれた直後に齎された幼い王子様の訃報。 国中が悲しみに包まれた時、侯爵家に一報が。

初恋の兄嫁を優先する私の旦那様へ。惨めな思いをあとどのくらい我慢したらいいですか。

梅雨の人
恋愛
ハーゲンシュタイン公爵の娘ローズは王命で第二王子サミュエルの婚約者となった。 王命でなければ誰もサミュエルの婚約者になろうとする高位貴族の令嬢が現れなかったからだ。 第一王子ウィリアムの婚約者となったブリアナに一目ぼれしてしまったサミュエルは、駄目だと分かっていても次第に互いの距離を近くしていったためだった。 常識のある周囲の冷ややかな視線にも気が付かない愚鈍なサミュエルと義姉ブリアナ。 ローズへの必要最低限の役目はかろうじて行っていたサミュエルだったが、常にその視線の先にはブリアナがいた。 みじめな婚約者時代を経てサミュエルと結婚し、さらに思いがけず王妃になってしまったローズはただひたすらその不遇の境遇を耐えた。 そんな中でもサミュエルが時折見せる優しさに、ローズは胸を高鳴らせてしまうのだった。 しかし、サミュエルとブリアナの愚かな言動がローズを深く傷つけ続け、遂にサミュエルは己の行動を深く後悔することになる―――。

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。

梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。 ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。 え?イザックの婚約者って私でした。よね…? 二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。 ええ、バッキバキに。 もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

あなたの妻にはなりません

風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。 彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。 幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。 彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。 悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。 彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。 あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。 悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。 「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない

曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが── 「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」 戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。 そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……? ──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。 ★小説家になろうさまでも公開中

記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話

甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。 王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。 その時、王子の元に一通の手紙が届いた。 そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。 王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

処理中です...