そこは獣人たちの世界

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第一章

ギルドに到着

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何人も一気に入れるようにか横に大きい門が付いてる、この町の雰囲気に合わないような大きな建物、それがギルドだった。

「なんか、仰々しいね。」

「仰々しい?まぁこの町の建物で一番でかいからな。だがこれでもギルドの中では小さいほうだぞ?」

「え、そうなの?」

「あぁ、王都のギルドはこの倍はでかい。」

この倍ってどんだけでかいんだと思うけど、それだけ入る人も多いんだろう。ただこの町のギルドは、大きさの割に人の出入りは多くないようだけど。

「外で見ててもしょうがないだろ?入るぞ?」

「あ、ごめん。こういうギルドって感じの建物生で見るのは初めてで、ちょっと興奮しちゃってね。」

多分ガロも僕が興奮してることに書きづいてるだろう。僕の尻尾はゆらゆらと大きく揺れていたから。ちょっと嬉しかったり楽しみだったりすると、意識してても勝手に揺れちゃうからどうにもならないけど。
だから中に入って僕の尻尾は余計に揺れてしまった。だってちゃんとギルドの受付があって、半分は机が並ぶ酒場のようになってるんだもん。さすがに朝だからか酒場のほうも人は少なかったけど。

「興奮してるのはわかったが、あんまきょろきょろするなよ?今は受付には用はない。上に行くぞ。」

「あ、うん。」

ふと気が付くと、ほんとに数人だけど酒場の机に座る人がこっちを見つめてるし、誰も対応してない受付の人もこっちを見ていた。ちょっと恥ずかしい。
それだけじゃなく、上下に続く階段の下から上がってきた人もこっちを見てくる。いやそれだけじゃなく通り過ぎるときに結構大きな声でつぶやいた。

単語らいけん雷剣が人づれ?珍しい。」

「らいけん?」

「気にするな、行くぞ。」

はぐらかされた感じはするけど、追及しすぎてもしょうがないからおとなしくついていく。二階三階を通り過ぎて四階に上がると、すぐに扉が一つあって、ガロはノックはしたけど開けてそのまま入っていってしまった。

「じじい、邪魔するぞ。」

「なんじゃ急に?あぁガロか。発情期終わりの復帰か?それならわざわざ儂に顔を見せる必要はないと思うが。」

白く長い毛におおわれた多分猫種の人なんだと思う人が、長机向うで困ったように対応してくれた。この人がさっき言ってたギルマス。つまりこの町のギルドマスターってことなんだろう。

「あぁ、復帰もするんだが話があってな。」

「話というのは、後ろの子か。お前さんが人連れなのは珍しいんじゃがな。」

あ、また人連れが珍しいって言われてる。結構僕にやさしくしてくれたけど、もしかして他の人との付き合いはよくなかったりするのかな?

「ちょっとわけがあってな。じじいに頼みたいのはキオは昨日に加護を受けたんだ。属性と魔素の保有量、それから初期の手ほどきをしてやってほしい。」

「おいおい、新人研修を儂にやらせるのか?儂はギルドマスターなんじゃがな。」

「ガ、ガロ?別に僕は誰でもいいんだけど。というかガロが教えてくれると思ってたんだけど、難しいの?」

「あぁ、俺は教えるのには向かないからな。じじいはその点魔法を教えるのはすごくうまい。」

その言葉にちょっと面食らったかのような感じで毛の隙間から少し見える目でガロを見つめ、そして僕のほうを見つめなおした。

「まぁ、いいじゃろう。それにしても珍しい時期に加護を受けたということは、多少訳ありじゃな?それも含めて儂が見たほうがいいというなら、まぁ見ようではないか。えっとキオ君だったかの?こっちに来なさい。」

「あ、はい。」

誘われるままに長机の前まで来ると、座った椅子をクルリとまわして後ろを向いたと思ったら、大きな丸い水晶を取り出して机の上にとおく。

「それじゃあ始める前にお互いしっかりと自己紹介するかの。儂はここセリーヌの町のギルドマスターをしているビャクラクじゃ。」

「あ、えっと、キオです。よろしくお願いします。」

一瞬苗字とかもいいそうになったけど、ビャクラクさんも名前だけしか言わなかったことでガロが言わないほうがいいと言ってたのをうっすらと思い出す。あとこの町の名前を今初めて知りました。セリーヌっていうんだね。

「うむ。君は昨日加護を受けたそうじゃが、加護を得たときに感じた力はどんなモノじゃったかの?」

「感じた力、ですか?」

加護を受けた時を思い出してみても何か特別なものを感じた記憶がない。ただ目をつぶって座ってたら終わってたって感じだ。

「ふむ、その様子じゃと属性の力を感じなかったのか。ガロ、この子は素質が薄いかもしれぬぞ?いいのか?」

「つらい結果になるかもってことか。どうするキオ?もしかしたら魔法をうまく使えないという結果が出るかもしれない。」

「え!?そうなの!?」

ちょっとそれは予想外だった。普通に今から持ってる属性を調べると思ってたのに、その前からそんなことを言われるとは思わなかった。

「そうじゃの、全く使えないということはないじゃろうが、加護により属性を濃く受ければ、火ならば体が燃え上がるような、水ならば水の中に入り込むような感覚を得るものじゃ。そういう物が一切ないとなると、君の加護は特に戦闘面においては魔法を使えるレベルでない可能性がある。それでも調べるかの?」

「う、どっちにしろ調べてほしいです。どんな属性を得たのかもわからないので。」

「なるほどの、では水晶に手を当てなさい。」

いきなり僕の魔法を使うという楽しみに暗雲が立ち込めてきてるけど、全く使えないわけじゃないっていってたし、まずは僕の属性を知りたい。多分それが知れないと使うとか使えないの話じゃないだろうし。
ちょっと緊張気味に水晶に手を当てると、水晶の色がゆっくりと変わっていく。元の色は白っぽい色だったのに、明るい赤や深い赤、薄い青に濃い青、緑や黄色とすごくいろんな色が出始めた。

「な、なんじゃこれは?」

「どう、なってるんだ?」

「え、なに?なにがおこったの?」

こんな変化は見るのが初めてという雰囲気は手に取るように分かったけど、何がどう変なのかは全くわからない。でもすぐにビャクラクさんは納得の表情を浮かべた。

「なるほどの、これなら属性を感じなかった理由もわかる。君の属性は少なくとも8種ある。この世界の基本8種は確実に君の中にあるぞ。」

「おぉ!全属性!?」

まさかのまったく才能無しかもからの大逆転!全属性ってことはまさしくチート?火も水も、電気も氷も打ち放題?

「ただのぅ、すべてにおいて色が少なすぎる。属性がばらけすぎて儂でもその8種があるということ以外はわからん。君の中に基本属性でない他の属性の加護もあるかもしれん。とにかくいえるのは、色が少ないから加護は全てにおいて小さいものになっておるということじゃ。」

「え、それって魔法が使えないレベル、ですか?」

「いや、混ざりすぎてて分かりづれぇが色はしっかり濃く出てる。魔素保有量は多いだろ?」

「そうじゃの。魔素量は多いみたいじゃから訓練次第というとこかの?」

「訓練次第かぁ。」

それでも全く使えないわけじゃないなら全然いい!練習あるのみというなら練習バンバンすればいいしね。体を動かすのは前は苦手だったけど、この狼種の体ならどれだけでも動けそうだし。
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