そこは獣人たちの世界

レクセル

文字の大きさ
67 / 303
第一章

包み込まれた朝

しおりを挟む
暖かな毛の長く柔らかい毛布に包まれるような感覚を背中に感じて、意識が少しずつはっきりとしてくる。あぁ、そういえばお風呂場で寝ちゃったんだっけ。
毛布は僕の全身にかかってるわけじゃなくって、背中とお腹のあたりに少しかかってるだけのようだ。僕がずらしちゃったのかなと、お腹の毛布と思ってるものに手を這わせた。
触れた瞬間、玉に触れるガロの毛並みだと気づく。お腹にかかってたのがガロの腕だと気づくのには総時間もかからなかったし、背中に感じる暖かなのがガロの胸元で、僕の頭の上にガロの顎があることにも気づいてしまった。
抱きつかれてる、ほのかにだけど寝息まで聞こえてくる。ドキリとして思わジ足を少し動かしたら、すごくやわらかなところにチョンとあたって、さらに前進の毛が逆立つ。
すぐに足を元の位置に戻したけど、今足で触れたのって、多分ガロのあれだ。ってことは全裸?あ、僕もこれ全裸だ、意識したら毛並み越しにでもちょっとスースーとするのがわかる。
ていうか起こしちゃってはいないかな?部屋の窓からうっすらとだけど明かりが差し込んでるから夜ってわけじゃなさそうだけど。だってお互い全裸で抱き着かれてたってだけで、僕のが収納されたところから顔をのぞかせちゃってるみたいなんだもん。そんなの気づかれてたら、余計に恥ずかしい。
あぁ、でも完全に目が覚めちゃったしどうしよう。このまま動かないで抱き枕のようにされ続けるのも悪くはないんだけどと思ってたら、ガロがもぞもぞと動き出して、ちょっとどうすればいいのかわからなくなる。起きそう、なのかな?

「んん、ん?キオ?起きてたのか?」

「あ、ガロ、起こしちゃった?」

「いや、今目が覚めたところだ。こっちこそ起こしちまったか?」

「ううん、僕もついさっき起きたとこ。」

どうやら僕が起こしちゃったってわけじゃなく、丁度起きるところではあったようだ。でも起きて早々に僕の方に顎乗せてるんだよね。

「そうか、なんか抱き着きっぱなしで悪かったな。ちょっとお前のも元気になっちまったみたいだし。こっちも起こしちまったってか?」

「うっ、み、みないでよ。」

本気で悪いって思ってるような口ぶりじゃないし、むしろ変化して毛におおわれた玉の部分をそっと撫でてくる始末。朝っぱらからまさかとちょっと期待したけど、すぐに体ごと離れてしまった。

「おっと、今日はギルドに行くんだったな。昨日俺のをたっぷり腹が膨れるほど注いだとはいえ、どれだけの時間狼種の姿で居られるかわからないんだ。飯食ってさっさと向かわないとな?」

「うっ、そ、それもそうだよね。」

「お楽しみは夜にだな。」

「・・・うん。」

あぁ、夜のお楽しみと言われただけでこんなにドキドキとしちゃうなんて、僕はこんなに行為に貪欲だったのか。それともガロとだからなんだろうか。気持ちが高揚しちゃうけど、今はご飯作りに降りないとだ。しっかり服も着ようとしたけど、着てる最中じっとガロに見られてた気がする。
ちょっとそっちのことに意識が行っちゃってたけど、ギルドに行けば魔法を教わるんだと思いだして、そっちに今度は気持ちを高ぶらせる。早く使ってみたいよね!
そんなんだから朝はちょっとシンプルに肉の薄切りを乗せたパンで行こうと思う。先にお肉にはすこし火を通しておくけど、パンに乗せて一緒に焼くから焼きすぎないように。

「お、シンプルな感じだけど、これもうめぇな。というかこのパンがうめぇんだよな。そうだ、少し持って行ってもいいか?」

「え?ギルドに持ってくってこと?うん、別にいよ。」

「あぁ、悪いな。」

でもそうは言うけどどうやって持ってくんだろう?まさかそのままかな?と思ったらマジックポーチからガラス製の容器を出してそこに切っただけのパンを入れてまたしまい込んだ。
そういえばこの世界、硝子はかなり普及してるみたいなんだよね。紙も見た感じ植物紙だし、さすがにプラスチックやビニールみたいなのは見てないけど、それ以上に保存に便利そうな魔道具がありそうだもんね。

「よし、いくぞ?」

「あ、うん。」

そういえば昨日は初めての外出で考えてなかったけど、家の鍵って絞めてないんだよね。僕もなんか普通に家に入っちゃったし。

「ねぇガロ、家の鍵って閉めなくていいの?」

「鍵?あぁ俺の家は必要ないな。魔道具のおかげで俺が出ると鍵が締まるようになってる。今入れるのは俺とキオだけだ。」

「そ、それってどうやってそうなってるの?」

「ん?別に魔道具に登録しただけだぞ。登録の仕方なら抜け毛を入れただけだ。キオのはニンゲンの時の髪の毛だが、家に初めに入る時にさっと通したからな。家の前のところの魔道具の感知範囲に俺かキオが通れば鍵が開くぞ。」

いつの間にって思ったけどそっか、もう初めのあのローブにくるまれてるときに済ませちゃってたのか。ほとんど外の景色見えてなかったから気づかなかった。

「それじゃあ他の人が入ろうとするとどうなるの?」

「玄関の前ですさまじい音が鳴るようになってるな。まぁ俺が入ってからすぐに他の奴が入った場合はならないが。だからキオも初めに入った時はならなかった。んで登録も済ませたから30日はお前だけでもならないぞ。ただ他の奴は入れられないから必要があるなら俺に言えよ?」

「そういうことにはならないと思うけど、覚えとくよ。」

さすがにお世話になってる家にさらにほかの人を呼ぶようなことはしないと思う。まぁ今後さらに時間がたてばそういうこともあるのかもだけど、今のところはないと言える。

「というか、昨日その話するべきだったな。一人で帰らせて入れるか不安じゃなかったか?」

「いや、僕もなんか昨日は普通に帰ってきたけど、今更になってちょっと考えちゃってね。」

「そうか、不安じゃなかったならいい。それじゃあギルドに行くぞ?ギルドは教会とは逆方向だ。」

「了解!」

これでまた一人で帰ってきてもとりあえず大丈夫ってのはわかったし安心した。それとよくわからない人に追われてても逃げ込めば警報音?みたいのがなるんだってこともわかったし、安心できる。まぁ狼種の姿の間なら追われるようなことはないとは思うけど。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...