そこは獣人たちの世界

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第一章

朝食はバケット

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目を覚ますと背中にはちょっと慣れないソファーの感触に天井は高くて茶色い木製の作りをしている。あぁ、寝て起きてもガロの家のままだったか。
ガロはまだ起きてきてないのかな。それとも起きてるけど発情期が始まったから篭ってる可能性もあるか。なんにせよ寝ぼける体を起き上がらせてご飯の準備しちゃおう。
まずは昨日使い切っちゃったパンからだな。リンゴと牛乳は冷蔵庫の魔道具に入れてもらってるし、小麦粉と塩だけじゃなく砂糖も出しておいてくれてある。
さっそくすぐに酵母つくりから。手順は昨日通りで、あっという間に膨らんでいく。確実に省いてる手順があるけど、昨日もおいしかったし大丈夫なはず。
出来上がった酵母でパン生地を作って昨日とはちょっと思考を変えてまん丸な形じゃなくフランスパンのような長い形にしていく。焼きあがりやすいように斜めに切れ目を入れて焼き上げていく。

「思ってるよりちゃんとバケットの形しててよかったー。」

出来上がったバケットは僕の手首から肘くらいの大きさで、これを切り分けて食べるつもりだ。ガロだったらそのままかじりついても様になりそうだけどね。
バケットがあるならブルスケッタを作りたくなるところだけど、あれにはチーズとオイルが必須。オイルは知らないけどチーズなら牛乳でできるはず。なら作るっきゃないよね。作り方を調べると酢で作るとかレモン汁で作るとかある。
調味料で酢があればすぐなんだけど、ないのでレモン丸々を使うことに。牛乳と塩を鍋に入れて温めながらかき混ぜる。沸騰位になって小さな泡が出てきたらレモン汁を入れつつ混ぜていく。だんだん固まってきたので火を止めたら少しおいて、あとはボウルに移して水を切れば出来上がり。
問題はオイルだよね、オリーブオイルがやっぱいいんだろうけど、まずオリーブってのがない。うん、ブルスケッタはあきらめてチーズをのせて焼くだけにしよう。
バケット2つとトマトを切り分けておく。バケットにチーズをのせて焼き上げたらその上にトマトを乗せるだけで完成。チーズの焼けたいい匂いがたまらない。
さて、ここまでやってもガロが起きてこない。これは起こしに行かなきゃダメかな?冷めちゃうと美味しくなくなっちゃうからね。全部で二十枚のうち15枚をお皿に乗せて二階に上がり寝室をノックする。

「ガロー、朝ごはん作ったよ?どうする?」

「悪い、部屋の前の手すりに置いといてくれ。回収して食べる。少ししたら皿を出しておくから、悪いが洗っておいてくれないか?」

「あ、もしかして発情期で部屋籠りって感じ?」

「そういうことだ。迷惑かけるな。」

やっぱりそうか。もう起きてはいたけど一応部屋にこもっておくつもりなんだろう。ならできるだけ僕が家事してあげないとかな?というか僕がいなければこもることもないのか。

「ううん、全然大丈夫だけど、ガロは平気?」

「なにがだ?」

「いや、籠ることになったのって僕がいるからでしょ?」

「あー、それは気にするな。どっちにしろ発情期中はだるい感じがあるから料理なんてできない。キオがいなきゃからそのまま丸かじりになる所だった。ありがとうな。」

「そうなんだ、それじゃあよかったのかな?とりあえずお皿置いとくから、熱いうちに食べてね。」

「おう、わかった。」

部屋の前の手すり部分において僕は下に通りていく。確か匂いがどうとか言ってたから僕に気を使ってるのもあるんだろうけど、だるいっていうのがちょっと気になる。
以前も発情期なんてあったんだろうから慣れたもんなんだろうけど、その経験がない僕はちょっと不安に思うのもしょうがないよね。そのうち降りてきてくれると安心できるんだけど。
気を紛らわせるためにも僕は僕の分の朝食を食べることにする。パンのパリパリ感とチーズの塩味にトマトの酸味がいい感じ。朝はいつももっと少ないのに5枚全部ペロッと完食してしまった。しまったもうちょい作ればよかったかな。
ガロの皿を回収するのは後のほうがいいだろうから、時間空けるためにも少しなんか食べような。チーズもちょっと残ってるしサラダにぱらぱらとかけて物足りなさを補う。
先に自分の分のお皿は洗ってしまう。一応食器用の洗剤もあるようだ。何でできてるのか聞いたけどガロは知らんっていってたな。
さて、もう食べ終わってるかな?二階に上がると、何となく甘ったるい匂いがする。さっきはしなかった匂いだけど、なんの匂いだこれ?

「あ、もしかしてこの匂いが発情期の時の匂い?不快な感じはないけど、こんな匂いなのか・・・」

不快感というか不思議と嗅ぎたくなるような甘ったるい匂い。なんの匂いに例えればいいのかわからない嗅いだことのない様な匂い。
なんだか頭がポーッとしてきた、やばい、早く降りたほうがいいかもしれない。何とか食べ終わったお皿を持って一階にと降りて、お皿をシンクに入れた・・・
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