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第4章214話:初対面
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<ルチル視点>
翌日。
私は、エドゥアルトと二人で大学構内を歩いていた。
エドゥアルトは告げる。
「筆記試験、剣術試験における首位、おめでとうございます」
「ありがとうございます」
と、私は答えた。
「両方で1位を取るなんて、さすがはルチル様ですね。専属騎士として、鼻が高いです」
エドゥアルトは、心から尊敬しているといった様子で、賞賛してくる。
「剣術試験については、運が良かったですわ。次も好順位を取れるように、精進しなければ」
「私も、ルチル様に負けないよう努力いたします」
「ええ、頑張ってくださいまし」
と。
そこまで言ったところで。
私の行く道をふさぐ者がいた。
「あの? ……ルチル・ミアストーン様ですね?」
彼女は……ゼリスだ。
遠巻きに顔を見たことがあるから覚えていた。
直接話すのは、これが初めてである。
私は答えた。
「ええ、私は確かにミアストーン家のルチルですが」
「私は、ゼリス・キネットと申します。突然ですが、あなたに、申し伝えたいことがあります」
「何ですの?」
問いかけると、ゼリスは、何かを投げつけてきた。
その何かは、私に当たったあと、地面にぽとりと落ちる。
私は、目を見開いた。
彼女が、投げつけてきたのは――――手袋。
決闘を申し込むためのグローブであった。
「あなたに決闘を挑みます。私と、一対一の勝負をしてください!」
毅然と言い放ってきたゼリス。
周囲にいた者たちが、こちらを振り返る。
ざわめきが広がった。
エドゥアルトも、驚きに、目を見開いていた。
まさか……私に決闘を挑んでくるとは。
まったく予想斜め上の行動である。
(いったい何を考えているのかしら?)
と、私は困惑する。
翌日。
私は、エドゥアルトと二人で大学構内を歩いていた。
エドゥアルトは告げる。
「筆記試験、剣術試験における首位、おめでとうございます」
「ありがとうございます」
と、私は答えた。
「両方で1位を取るなんて、さすがはルチル様ですね。専属騎士として、鼻が高いです」
エドゥアルトは、心から尊敬しているといった様子で、賞賛してくる。
「剣術試験については、運が良かったですわ。次も好順位を取れるように、精進しなければ」
「私も、ルチル様に負けないよう努力いたします」
「ええ、頑張ってくださいまし」
と。
そこまで言ったところで。
私の行く道をふさぐ者がいた。
「あの? ……ルチル・ミアストーン様ですね?」
彼女は……ゼリスだ。
遠巻きに顔を見たことがあるから覚えていた。
直接話すのは、これが初めてである。
私は答えた。
「ええ、私は確かにミアストーン家のルチルですが」
「私は、ゼリス・キネットと申します。突然ですが、あなたに、申し伝えたいことがあります」
「何ですの?」
問いかけると、ゼリスは、何かを投げつけてきた。
その何かは、私に当たったあと、地面にぽとりと落ちる。
私は、目を見開いた。
彼女が、投げつけてきたのは――――手袋。
決闘を申し込むためのグローブであった。
「あなたに決闘を挑みます。私と、一対一の勝負をしてください!」
毅然と言い放ってきたゼリス。
周囲にいた者たちが、こちらを振り返る。
ざわめきが広がった。
エドゥアルトも、驚きに、目を見開いていた。
まさか……私に決闘を挑んでくるとは。
まったく予想斜め上の行動である。
(いったい何を考えているのかしら?)
と、私は困惑する。
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