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第3章73話:盗賊6
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「ふう……多少驚きはしたが、大したガキじゃなかったな」
とザカルが言った。
赤髪の男盗賊が冷や汗を浮かべながら、告げる。
「び、びっくりしたぜ。腹ぶちぬかれて生きてるとか、なんだったんだこのガキは?」
その問いに、ザカルが推測を述べる。
「順当に考えれば、回復魔法の使い手だろうな。服まで修復されてるところを見るに、かなり高度な魔法だと思うが」
「えっと、どういうことですか? 即死したのに回復魔法なんて使えないですよね?」
と紫髪の女盗賊が尋ねる。
ザカルが答える。
「即死というが……実際は、一瞬で死ぬようなダメージを負っても5秒か10秒ぐらいは生きてるもんだ。そのわずかな時間のあいだに回復魔法で治癒すれば、死をまぬがれることもある。このガキはそれをやったんだろう」
「……なるほど」
と紫髪の女盗賊が納得した。
青髪の女盗賊が告げる。
「でも今度はさすがに死んだわよね。やっぱりザカルさんは、誰が相手でも無敵――――」
「死んでないですよ?」
と首だけになった私は告げた。
「「「!!!??」」」
ふたたび盗賊たちは驚愕する。
さっきよりも驚きが大きい。
全員、度肝を抜かれているようだった。
そんな中。
胴体だけになった私が、ひとりでに起き上がる。
「ひっ!?」
赤髪の男盗賊はビビりちらして、尻餅をついた。
胴体だけの私が、とてとてと歩き……
私の生首を拾い上げた。
その生首を胴体と接続する。
「あれ? なんかおかしいですね」
と私は思った。
あ……
胴体と首が反対になってる!?
今の私は、首が180度ねじり曲がっているような状態であった。
慌てて自分の首を取り外し……
正しい角度にセットしなおす。
ふう。
これで元通りだ。
「……化け物か」
とザカルが恐怖を含んだ声で、ぽつりとつぶやいた。
他の盗賊たちも、まるでオバケでも見るかのような目で、私を見つめていた。
とザカルが言った。
赤髪の男盗賊が冷や汗を浮かべながら、告げる。
「び、びっくりしたぜ。腹ぶちぬかれて生きてるとか、なんだったんだこのガキは?」
その問いに、ザカルが推測を述べる。
「順当に考えれば、回復魔法の使い手だろうな。服まで修復されてるところを見るに、かなり高度な魔法だと思うが」
「えっと、どういうことですか? 即死したのに回復魔法なんて使えないですよね?」
と紫髪の女盗賊が尋ねる。
ザカルが答える。
「即死というが……実際は、一瞬で死ぬようなダメージを負っても5秒か10秒ぐらいは生きてるもんだ。そのわずかな時間のあいだに回復魔法で治癒すれば、死をまぬがれることもある。このガキはそれをやったんだろう」
「……なるほど」
と紫髪の女盗賊が納得した。
青髪の女盗賊が告げる。
「でも今度はさすがに死んだわよね。やっぱりザカルさんは、誰が相手でも無敵――――」
「死んでないですよ?」
と首だけになった私は告げた。
「「「!!!??」」」
ふたたび盗賊たちは驚愕する。
さっきよりも驚きが大きい。
全員、度肝を抜かれているようだった。
そんな中。
胴体だけになった私が、ひとりでに起き上がる。
「ひっ!?」
赤髪の男盗賊はビビりちらして、尻餅をついた。
胴体だけの私が、とてとてと歩き……
私の生首を拾い上げた。
その生首を胴体と接続する。
「あれ? なんかおかしいですね」
と私は思った。
あ……
胴体と首が反対になってる!?
今の私は、首が180度ねじり曲がっているような状態であった。
慌てて自分の首を取り外し……
正しい角度にセットしなおす。
ふう。
これで元通りだ。
「……化け物か」
とザカルが恐怖を含んだ声で、ぽつりとつぶやいた。
他の盗賊たちも、まるでオバケでも見るかのような目で、私を見つめていた。
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