67 / 175
第3章67話:髪
しおりを挟む
<セレナ視点>
街から家に帰る。
それから2日後。
朝。
井戸の水で顔を洗い、リビングに戻ってきたとき。
「おいセレナ」
とクレアベルが言ってきた。
「お前、髪がおかしいぞ」
「え?」
「毛先の色が変わってる。鏡を見てみろ」
そういわれたので、私はリビングの鏡の前に立つ。
「ほんとだ……なにこれ?」
自身に起こった異変を自覚する。
前世でも異世界でも私の髪は黒色だ。
ところが、なぜか鏡に映る自分の毛先が、茶色みがかっている。
気のせい……ではない。
明らかに、髪の先端部分の色が違っている。
具体的にいえば、髪の頭頂部から半ほどにかけてが黒色。
そこから下はグラデーションを描きながら茶色に変わっていた。
「うーん?」
原因不明だ。
病気か?
でも、特に体調が悪くなったりはしてない。
「まあいっか」
と大して気にも留めないことにした。
だが、1日後。
私の髪の色は、さらに茶色みがかった。
髪の中ほどまでだった茶色が、てっぺんに向かってどんどん広がる。
そして2日後。
いよいよ、私の髪は完全な茶髪へと変貌した。
毛先だけだった茶色が、頭頂部まで広がって、髪全体を覆い尽くしたのだ。
この深みのある茶色――――
私は心当たりがある。
(チョ、チョコレートだ……)
そう、チョコレート色である。
どういうわけかチョコレートの茶色が、髪に反映されてしまったようだ。
(うーん、なんでだろ?)
どうしてこんなことが起こったのか?
まったく見当もつかない。
とりあえずクレアベルに聞いてみることにした。
すると、
「そうだなぁ……自分の魔法や魔力が、身体や体質に影響を与えることは、なくはない」
とのことだ。
つまりチョコレート魔法が、髪の色に影響を与えたという推理。
まあ、私もそんなところだろうと思うけど。
クレアベルは逆に聞き返してくる。
「髪が心配か?」
「うーん」
私は口元に手をあてて答えた。
「まあ、体調不良が起こってるわけでもないですし、別にいいかなとは思ってます」
「そうか」
別にチョコレートのにおいがするとか、甘い味がするわけではない。
ただ色が変わっただけだ。
だから、深刻になるような話ではないと思った。
街から家に帰る。
それから2日後。
朝。
井戸の水で顔を洗い、リビングに戻ってきたとき。
「おいセレナ」
とクレアベルが言ってきた。
「お前、髪がおかしいぞ」
「え?」
「毛先の色が変わってる。鏡を見てみろ」
そういわれたので、私はリビングの鏡の前に立つ。
「ほんとだ……なにこれ?」
自身に起こった異変を自覚する。
前世でも異世界でも私の髪は黒色だ。
ところが、なぜか鏡に映る自分の毛先が、茶色みがかっている。
気のせい……ではない。
明らかに、髪の先端部分の色が違っている。
具体的にいえば、髪の頭頂部から半ほどにかけてが黒色。
そこから下はグラデーションを描きながら茶色に変わっていた。
「うーん?」
原因不明だ。
病気か?
でも、特に体調が悪くなったりはしてない。
「まあいっか」
と大して気にも留めないことにした。
だが、1日後。
私の髪の色は、さらに茶色みがかった。
髪の中ほどまでだった茶色が、てっぺんに向かってどんどん広がる。
そして2日後。
いよいよ、私の髪は完全な茶髪へと変貌した。
毛先だけだった茶色が、頭頂部まで広がって、髪全体を覆い尽くしたのだ。
この深みのある茶色――――
私は心当たりがある。
(チョ、チョコレートだ……)
そう、チョコレート色である。
どういうわけかチョコレートの茶色が、髪に反映されてしまったようだ。
(うーん、なんでだろ?)
どうしてこんなことが起こったのか?
まったく見当もつかない。
とりあえずクレアベルに聞いてみることにした。
すると、
「そうだなぁ……自分の魔法や魔力が、身体や体質に影響を与えることは、なくはない」
とのことだ。
つまりチョコレート魔法が、髪の色に影響を与えたという推理。
まあ、私もそんなところだろうと思うけど。
クレアベルは逆に聞き返してくる。
「髪が心配か?」
「うーん」
私は口元に手をあてて答えた。
「まあ、体調不良が起こってるわけでもないですし、別にいいかなとは思ってます」
「そうか」
別にチョコレートのにおいがするとか、甘い味がするわけではない。
ただ色が変わっただけだ。
だから、深刻になるような話ではないと思った。
1
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説
魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
加護とスキルでチートな異世界生活
どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!?
目を覚ますと真っ白い世界にいた!
そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する!
そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる
初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです
ノベルバ様にも公開しております。
※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません
集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!
七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」
その天使の言葉は善意からなのか?
異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか?
そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。
ただし、その扱いが難しいものだった。
転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。
基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。
○○○「これは私とのラブストーリーなの!」
主人公「いや、それは違うな」
異世界転生したら何でも出来る天才だった。
桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。
だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。
そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。
===========================
始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。
元34才独身営業マンの転生日記 〜もらい物のチートスキルと鍛え抜いた処世術が大いに役立ちそうです〜
ちゃぶ台
ファンタジー
彼女いない歴=年齢=34年の近藤涼介は、プライベートでは超奥手だが、ビジネスの世界では無類の強さを発揮するスーパーセールスマンだった。
社内の人間からも取引先の人間からも一目置かれる彼だったが、不運な事故に巻き込まれあっけなく死亡してしまう。
せめて「男」になって死にたかった……
そんなあまりに不憫な近藤に神様らしき男が手を差し伸べ、近藤は異世界にて人生をやり直すことになった!
もらい物のチートスキルと持ち前のビジネスセンスで仲間を増やし、今度こそ彼女を作って幸せな人生を送ることを目指した一人の男の挑戦の日々を綴ったお話です!
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!
小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。
しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。
チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。
研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。
ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。
新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。
しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。
もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。
実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。
結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。
すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。
主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる