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秋が過ぎて。

冬になった。

冬は、思いきり、雪が降る。

山が真っ白になるぐらい、降り積もる。

当然、寒い。

山小屋には暖炉がない。

だから、暖を取るには、火魔石ひませきを使う。

まず、未使用みしよう状態じょうたい火魔石ひませきは、色褪いろあせた赤色をしている。

その火魔石をランタン型の容器にセット。

火魔石に魔力を送り込む。

すると、火魔石の赤色がきらめき始め、熱と、ほのかな光を放ち始める。

この状態で容器を閉じる。

あとは屋内のテキトーな位置に置いておけば、周囲の空気をあたためてくれる。

【火魔石ヒーター】の完成である。

……まあ、一連の作業は、全部クレアベルがやってくれてるんだけどね。

そういう便利なアイテムを駆使しながら、寒い冬を、なんとか乗り越えていく。





――――雪解けの春。

異世界に来てから1年の歳月が流れる。

私にとって二度目の春。

クレアベルは、私を大事に育ててくれた。

そんなある日。

私は、3日ほど近くの村に預けられることになった。

どうやらクレアベルは既婚者だったらしく……

ひさびさに帰ってきた夫と、二人きりで会うつもりらしい。

ちなみに夫の名は、ハンクス。

兵士らしく、普段は軍にいて、なかなか帰ってこられないんだとか。

しかし今回、時間が取れたので街に帰省してきたらしい。

で……

重要なことがある。

クレアベルが、なんと、妊娠した!

街でハンクスと会った際に、新しい命を授かってきたようだ。

おめでとう!

と、私は心の底から祝福した。







けれど。

数ヵ月後――――

不幸が起こった。

なんと、ハンクスが、戦死してしまったのだ。

その報告が、クレアベルのもとへと届けられた。

クレアベルは、ハンクスの死を嘆き悲しみ、涙にくれた。

見ていられないほどだった。

ああ……

やっぱり、戦争なんてロクでもない。

異世界であっても、やはり人という生き物は、わかりあえないものなのか。





しかしクレアベルは、やがて立ち直った。

お腹の中には、新しい命が宿っているのだ。

いつまでも落ち込んでいられないと……クレアベルは奮起した。

結果。

いろいろあったけれど、7ヵ月後。

クレアベルは、無事に出産した。

血のつながりはないが、私の妹となる子どもだ。

名前はアイリス。

山小屋のようなクレアベルたく

3人目の家族ができたことで、にぎやかになった。

なにしろ、アイリスは本当によく泣く。

赤ん坊とはこんなにも泣くのかと、驚かされる。

でもまあ、家族が増えて、私は幸せな気分だ。

クレアベルも、ハンクスの死は乗り越えて、笑顔が増えたようだった。

立ち直れて、良かった。




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