80 / 95
79.ロックフェル商会からの依頼
しおりを挟む
現在、亜空間ベース『レオン』内にある『オートモジュールジェネレーター』は、フル稼働で防具、槍、剣等を製造している。
特に武芸に秀でた人間が使う物ではなく、数が数なのでドワ-フに依頼するのはやめた。
材料はドワ-フの村にあった。
鉱山から出た必要のない鉱石が山積みされて、その処理をどうするかドワ-フ達を悩ませていた。
それを、全て引き取ったのだから、ドワ-フ達も大喜びだ。
防具は、あまり体力が無い平民が使う。ケブラー繊維とポリカーボネート、鎖帷子を使った軽量で装着しやすい、防刃ベスト型の物にした。
剣は、突くタイプと斬るタイプの、ブロードソードとサ-ベルの二種類にした。
槍は、敵を寄せ付けないように、五メ-トルと二メ-トルの物にした。
このままのぺ-スなら、明日の朝には『ロックフェル商会』に、全て納品出来るだろう。
「琴祢、出来た物からいつものように、『ロックフェル商会』の倉庫に転送してくれ」
「了解~!」
これは………。あの工作物から流れるように出て来る所を見ると、錬金術なのか?
そうだな。そう言われると、そうかも知れないな。未来の錬金術って言うところかな。
マジックサ-クルから物を生み出す錬金術と、『オートモジュールジェネレーター』に材料を入れて、物を作り出すやり方は、ある意味似たようなものだった。
「響さん! ガズール帝国のコタン村で、騎士とワーウルフの戦闘が起きています」
「ティス、直ぐにアクラ族長を呼んでくれ!」
響は、判断しかねていた。襲われている騎士が、敵なのか味方なのか。
敵であれば、十匹のワーウルフに襲われている騎士達を、危険を冒して助ける必要はない。
ワーウルフに対して、騎士達は四人一組が連携して戦っていた。
よく訓練された騎士達だ。
ランベル王国の民兵など、この戦い方を見る限り敵ではない。戦が始まれば、多くの死傷者が出る事になるだろう。
王都で知り合いになった人達の多くも、この騎士達と戦えば命を失うのは確実だ。
それならば、ここでこの騎士達の数が減る事は、ランベル王国の民兵達にとっては、好ましい事かもしれない。
響が、そうこう考えている所に、アクラ族長は年老いた体で、響の前に現れる。
「響様、遅くなりました。我らの土地で戦だとか」
「アクラ族長、呼び立ててすみません。これなんですが………この騎士の集団を、ご存知ですか?」
「………………あの紋章は! 雷のゾンネル。エスタニア侯爵家の紋章です。エスタニア侯爵家には、我が手の者が仕えております。直ぐに助けに行かねば」
アクラ族長は、慌てた素振りで響に、『助けて欲しい』と言った顔をする。
響は、その様子を見て即決する。
「ティス、後を頼む」
「今回は、私も付いて行きます! 琴祢、戦いが治まったらアクラ族長を転送して」
ティスは、エプロンを脱ぎながら、響に近づいて来る。
「だけど、ティスはメイドなんだから、危ない事はしない方がいい!」
ただでさえ、ティスのメイド服姿は刺激的なのに、エプロンを取るとより一層胸の大きさが強調されて、響は目のやり場に困る。
響はティスの事を、いまだに『メイドロイドだ』と思っている。
『宇宙戦艦メモリア』で、響の近くにいたメイド達は、全てメイドロイドだった。
だから、響がティスの事をメイドロイドだと思うのも、成り行き上仕方ない事なのかもしれない。
だが、ティスは十七歳の人間の少女なのだ。
ただ、幼い頃より王家に使えていたため。
表に感情を表さず。
落ち着いている所が、響には余計ロボットのように、感じていたのかもしれない。
ティスのメイド服が、一瞬で響と同じコンバットス-ツに変わる。
武器も、背中に『ソ-ドブレ-ド』、腰にレイピアと短剣。
このレイピアと短剣は、ドワーフが鍛え上げエンチャントした魔剣だった。
そして、もう一つ。
響が失った『クリスタルガン』が、ティスの腰にぶら下がっていた。
しかし、このティスが装備する『クリスタルガン』は、響の物ではないため。
響が手にしても、トリガ-の生体認証サーチで弾かれて、撃つ事は出来ない。
「えっ! その装備は………」
響は、ティスを見て驚く。
今までティスを、オペレ-タ兼調整役として見ていたため、戦闘要員としての頭数に入れていなかった。
しかし、目の前にいるティスは、装備だけを見ても明らかに、クロエに並ぶ戦闘力を持っている。
そして、響の目には、今、ティスの腰にぶら下がる。『クリスタルガン』しか、映っていなかった。
羨ましいのである。
そんな響をよそに、ティスは響と向き合うと、響の腰に両手を回し抱き着いて来る。
「響さん、行きますよ!」
ティスは、上目使いに響を見上げると、ニッコリと笑顔を見せて、促すのであった。
「………………はい」
響は、もう何も言えない。
アリシアとの一件以来、ティスは明らかに変わっていた。
響は、ティスの肩を抱きしめると、『テレポート』を使い現場へと向かうのであった。
特に武芸に秀でた人間が使う物ではなく、数が数なのでドワ-フに依頼するのはやめた。
材料はドワ-フの村にあった。
鉱山から出た必要のない鉱石が山積みされて、その処理をどうするかドワ-フ達を悩ませていた。
それを、全て引き取ったのだから、ドワ-フ達も大喜びだ。
防具は、あまり体力が無い平民が使う。ケブラー繊維とポリカーボネート、鎖帷子を使った軽量で装着しやすい、防刃ベスト型の物にした。
剣は、突くタイプと斬るタイプの、ブロードソードとサ-ベルの二種類にした。
槍は、敵を寄せ付けないように、五メ-トルと二メ-トルの物にした。
このままのぺ-スなら、明日の朝には『ロックフェル商会』に、全て納品出来るだろう。
「琴祢、出来た物からいつものように、『ロックフェル商会』の倉庫に転送してくれ」
「了解~!」
これは………。あの工作物から流れるように出て来る所を見ると、錬金術なのか?
そうだな。そう言われると、そうかも知れないな。未来の錬金術って言うところかな。
マジックサ-クルから物を生み出す錬金術と、『オートモジュールジェネレーター』に材料を入れて、物を作り出すやり方は、ある意味似たようなものだった。
「響さん! ガズール帝国のコタン村で、騎士とワーウルフの戦闘が起きています」
「ティス、直ぐにアクラ族長を呼んでくれ!」
響は、判断しかねていた。襲われている騎士が、敵なのか味方なのか。
敵であれば、十匹のワーウルフに襲われている騎士達を、危険を冒して助ける必要はない。
ワーウルフに対して、騎士達は四人一組が連携して戦っていた。
よく訓練された騎士達だ。
ランベル王国の民兵など、この戦い方を見る限り敵ではない。戦が始まれば、多くの死傷者が出る事になるだろう。
王都で知り合いになった人達の多くも、この騎士達と戦えば命を失うのは確実だ。
それならば、ここでこの騎士達の数が減る事は、ランベル王国の民兵達にとっては、好ましい事かもしれない。
響が、そうこう考えている所に、アクラ族長は年老いた体で、響の前に現れる。
「響様、遅くなりました。我らの土地で戦だとか」
「アクラ族長、呼び立ててすみません。これなんですが………この騎士の集団を、ご存知ですか?」
「………………あの紋章は! 雷のゾンネル。エスタニア侯爵家の紋章です。エスタニア侯爵家には、我が手の者が仕えております。直ぐに助けに行かねば」
アクラ族長は、慌てた素振りで響に、『助けて欲しい』と言った顔をする。
響は、その様子を見て即決する。
「ティス、後を頼む」
「今回は、私も付いて行きます! 琴祢、戦いが治まったらアクラ族長を転送して」
ティスは、エプロンを脱ぎながら、響に近づいて来る。
「だけど、ティスはメイドなんだから、危ない事はしない方がいい!」
ただでさえ、ティスのメイド服姿は刺激的なのに、エプロンを取るとより一層胸の大きさが強調されて、響は目のやり場に困る。
響はティスの事を、いまだに『メイドロイドだ』と思っている。
『宇宙戦艦メモリア』で、響の近くにいたメイド達は、全てメイドロイドだった。
だから、響がティスの事をメイドロイドだと思うのも、成り行き上仕方ない事なのかもしれない。
だが、ティスは十七歳の人間の少女なのだ。
ただ、幼い頃より王家に使えていたため。
表に感情を表さず。
落ち着いている所が、響には余計ロボットのように、感じていたのかもしれない。
ティスのメイド服が、一瞬で響と同じコンバットス-ツに変わる。
武器も、背中に『ソ-ドブレ-ド』、腰にレイピアと短剣。
このレイピアと短剣は、ドワーフが鍛え上げエンチャントした魔剣だった。
そして、もう一つ。
響が失った『クリスタルガン』が、ティスの腰にぶら下がっていた。
しかし、このティスが装備する『クリスタルガン』は、響の物ではないため。
響が手にしても、トリガ-の生体認証サーチで弾かれて、撃つ事は出来ない。
「えっ! その装備は………」
響は、ティスを見て驚く。
今までティスを、オペレ-タ兼調整役として見ていたため、戦闘要員としての頭数に入れていなかった。
しかし、目の前にいるティスは、装備だけを見ても明らかに、クロエに並ぶ戦闘力を持っている。
そして、響の目には、今、ティスの腰にぶら下がる。『クリスタルガン』しか、映っていなかった。
羨ましいのである。
そんな響をよそに、ティスは響と向き合うと、響の腰に両手を回し抱き着いて来る。
「響さん、行きますよ!」
ティスは、上目使いに響を見上げると、ニッコリと笑顔を見せて、促すのであった。
「………………はい」
響は、もう何も言えない。
アリシアとの一件以来、ティスは明らかに変わっていた。
響は、ティスの肩を抱きしめると、『テレポート』を使い現場へと向かうのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Amor et odium
佐藤絹恵(サトウ.キヌエ)
ファンタジー
時代は中世ヨーロッパ中期
人々はキリスト教の神を信仰し
神を軸(じく)に生活を送っていた
聖書に書かれている事は
神の御言葉であり絶対
…しかし…
人々は知らない
神が既に人間に興味が無い事を
そして…悪魔と呼ばれる我々が
人間を見守っている事を知らない
近頃
人間の神の信仰が薄れ
聖職者は腐敗し
好き勝手し始めていた
結果…民が餌食の的に…
・
・
・
流石に
卑劣な人間の行いに看過出来ぬ
人間界に干渉させてもらうぞ
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
【悲報】現代ダンジョン時代、俺の職業がLv.1チンピラ【詰み】
道雪ちゃん
ファンタジー
2024年の年末、世界中に突如ダンジョンが出現した。
大学生・三上ひよりも探索者になることを決意するが、与えられた職業は――世界で一人しかいないユニーク職「Lv.1チンピラ」。
周囲からは笑われ、初期スキルもほとんど役に立たない。
それでも、生き残るためにはダンジョンに挑むしかない。
これは、ネット住民と世界におもちゃにされながらも、真面目に生き抜く青年の物語。
※基本的にスレッド形式がメインです
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる