ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第15章 激闘、セイクリア王国

第503話 王都への帰還

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 セイクリア王国へと向かう空の旅で集結した春風達。

 それから暫くすると、目的地であるセイクリア王国の王都が見えてきたので、春風達はその近くで一旦フライング・カーペットを止めた。

 白い外壁で囲われた円形の都市。その中央にはシンボルであるセイクリアの王城がある。

 (セイクリア王国、王都。全てのとなった場所)

 そんな王都を見て、

 「……戻ってきたんだな、俺」

 と、春風は小さくそう呟いた。

 その呟きが聞こえたのか、

 「うん。そうだね、フーちゃん」

 と、隣にいた歩夢が、ポンと春風の肩に手を置いた。

 心配そうに見つめてきた歩夢に、春風は笑顔で「大丈夫」と言うと、

 「ちょおっとぉ! 私達抜きでイチャイチャしないでよぉ!」

 と、隣のフライング・カーペットに乗っているリアナがプンスカと怒鳴ってきた。よく見ると、その隣にいるアデレードも、リアナと同じような表情をしていた。

 春風はそんな2人を見て、

 「アハハ、ごめんごめん!」

 と、謝罪すると、

 「ていうか、リアナも水音も、なんか人増えてない?」

 と、リアナ達と水音達を交互に見ながらそう尋ねた。

 確かに改めてよく見ると、リアナ達の方には、リアナ、アデレード、ヘリアテス、彩織、詩織、ギャレットの他にもう1人、灰色ローブに眼鏡をかけた人物が乗っていて、水音達の方には、水音、セレスティア、リネット、ループス、煌良、学、麗生の他に、若い男性が1人に、見たところセレスティアやリネットと同い年くらいの女性が1人、そして、ループスの隣で体をプルプルと震わせた、が乗っていた。

 春風の質問に対して、

 「いや、そういう春風こそ、凄い人増えてるじゃないか。ていうか、よく見たら近藤君に遠山君、愛島さんに深見さんだし」

 と、水音が「んん?」と遠くを見る仕草をしながらそう言った。更に、

 「それだけじゃねぇな。ルークの坊主やダリアもいるじゃねぇかよ」

 と、ギャレットがユリウスの近くに座るルークとダリアを見てそう言った。

 2人にそう言われて、近藤達4人とルークとダリアの2人は「……」と気まずそうな表情になった。

 その時だ。

 「あー、すまないがお前達、色々と言いたいこともあるだろうが、まずはを果たすのが先じゃないだろうか?」

 と、水音の隣に座るセレスティアがそう言ってきたので、

 「……そうですね、まずは陛下達を救出しましょう。報告は、その後で」

 と、春風はそれに従うことにした。仲間達も春風に続くように、皆コクリと頷いた。

 その後、春風達は王都に向かってフライング・カーペットを進ませる。

 (待っていてください、ウィルフレッド陛下、みんな……)

 春風は王都をジィッと見つめて、

 (待っていてください、イブリーヌ様!)

 と、心の中でそう呟いた。

 その後、王都上空で再び止まると、丁度良い広場を見つけたので、

 「うん、あそこに降りよう!」

 と、その広場へと向かった。

 広場に着いた春風達は、フライング・カーペットから降りると、警戒するように辺りを見回した。

 「よし、みんな、行こう!」

 『オウ!』

 と、春風達がその場から進もうとした、まさにその時、

 「おーい、殿、こっちだ」

 という聞き覚えのある声がしたので、春風達は「え?」とその声がした方へと振り向くと、

 そこはどうやら喫茶店の屋外席のようで、

 「……え、?」

 「?」

 と、春風とギャレットが頭上に「?」を浮かべたように、その席にはシンプルな服装に身を包んだ国王ウィルフレッドと、断罪官大隊長のウォーレン、そして、よく見るとウィルフレッドの隣に1人の女性の姿があった。

 その女性の顔を見て、

 「あ、あなたは、マーガレット様!?」

 と、小夜子は驚きの声をあげたので、

 (あ、そうだ! あの人は確か、マーガレット・アルマ・セイクリア王妃様だ!)

 と、春風もその女性が何者かを思い出した。それを察したのか、女性……否、王妃マーガレットは「ウフフ、お久しぶりね」と、穏やかな笑みを浮かべながら手を振った。

 春風はそれを見て、

 「あ、どうも……」

 と、小さく言うと、

 『なんでここにいるんですかぁ!?』

 と、春風だけでなく仲間達全員が驚きの声をあげた。

 当然だろう、何せ目の前にいるのは、処刑される筈の人物達なのだから。

 すると、ウィルフレッドは「フム、それは……」と言ってスッと春風を呼びさすと、

 「春風殿。其方の真似をして、したからだ」

 と、真っ直ぐ春風を見てそう答えたので、春風は数秒ほどシーンと静かになると、

 『ハァアアアアアッ!?』

 と、更に驚きの声をあげるのだった。
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