ユニーク賢者の異世界大冒険

ハヤテ

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第10章 動き出した五神教会

第258話 後始末

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 「「「ゆ~き~む~ら~(く~ん~)」」」

 「ん?」

 春風が気絶しているモーゼスをどう片付けようか悩んでいると、煌良、学、麗生の3人にがっしりと肩を掴まれた。

 「ど、どうしたの力石君達?」

 春風は恐る恐る3人にそう尋ねると、

 「「「どういう事なんだぁああああ!?」」」

 ズガン!

 「あいたぁ!」

 3人は春風に思いっきり頭突きしながら問い詰めてきた。

 「イッテェ、何すんのいきなり?」

 「『何すんの』じゃないだろ!」

 「あ、あ、あれ、あの人達なんなの!?」

 「え、地球の神様の、ゼウス様とアレス様とアルテミス様だけど?」

 「じゃ、じゃあその後に現れたのあの人はなんなんだ!?」

 「あの方達も、地球の神様達だよ」

 「『だよ』じゃないでしょ!? 何で君、そんな方達とお知り合いみたいになってんの!? おかしいでしょ!?」

 「えぇ? そんな事言われてもなぁ。事情を話したいんだけど、信じてくれるか不安だしなぁ。それに、今はよりもまず、をどうにかしないといけないし」

 と、春風はモーゼスを見ながらどうしたものかと考えていると、

 「それでしたら、我々にお任せください!」

 と、数人の男性達が帝城の門を潜ってきた。

 それは、アレス教会の代表と信者達だった。

 「ジェイソンさんに信者の皆さん、どうしてここに?」

 春風はその代表の男性、ジェイソンに向かってそう尋ねると、

 「はい! 実は我々は今朝、モーゼス達が帝城に向かったという報告を聞いて、彼らの後をつけていたのです。そしてその後、門の側で御使様達の戦いをずっと見ていたのです!」

 「え、じゃあゼウス様達や、地球の神々の登場も?」

 『はい、勿論全て見させてもらいました!』

 ハッキリとそう言ったアレス教会の人達の言葉に、春風は「マジですか」と一瞬倒れそうになったが、すぐに持ち直して、

 「えっと、それで皆さんは、をどうするつもりなのですか?」

 と、未だに意識を取り戻してないモーゼスを指差してそう尋ねた。

 それに対し、ジェイソンは答える。

 「はい! 御使様が命令してくだされば、いつでもアレを煮たり焼いたり出来ます!」

 『ちょっと待てぇえい!』

 あまりにも物騒なその言葉に、春風と一部の者達を除いた全員がそう突っ込みを入れた。特にモーゼスについてきた五神教会の信者と騎士達は、

 『や、やめてくださいお願いします!』

 と、今にも土下座してきそうな勢いでお願いしてきた。

 そんな状況の中、春風は「ハァ」と溜め息を吐くと、

 「で、その後はどうする気なのですか?」

 と尋ねた。その際「いやいやちょっと待てい!」という突っ込みが聞こえたが、春風はそれを無視した。

 「勿論、魔物の餌にします!」

 ハッキリとそう答えたジェイソンを見て、春風は再び「ハァ」と溜め息を吐くと、

 「却下で」

 と言った。その際、周りにいる者達がホッと胸を撫で下ろした。

 しかし、

 「な、何故ですか御使様!?」

 と、納得出来ないジェイソンが春風に詰め寄りながらそう問い詰めてきた。

 春風は落ち着いた表情で答える。

 「だって、食べた魔物がお腹を壊してしまうではないですか」

 『オイイイイイ!』

 「あ、確かにそうですね!」

 『納得するのかよぉおおおおお!?』

 ジェイソン達を除いた周囲の人達からそう突っ込まれる中、春風は「うーん」と暫く考え込むと、

 「うん。コレしかないか」

 と、何かを閃いたかのような表情になって、

 「ジェイソンさん、申し訳ありませんが、馬車の手配をお願いします」

 「むむ! それはつまり、彼らにはこのままセイクリア王国に帰ってもらうという事で良いのですか?」

 「ええ。このままここでアレを始末してしまったら、余計な憎しみや悲しみを生み出してしまうかもしれませんので」

 と、申し訳なさそうにそう話す春風を見て、

 「わかりました。では早速セイクリア行きの馬車を手配します」

 そう言って、ジェイソンは早速馬車の手配をする為に、信者達と共に帝城の門を潜った。

 「さて、次は……」

 春風はジェイソン達を見送った後、今度は煌良達3人に向き直り、

 「力石君達はコレからどうするの?」

 と尋ねると、

 「「「勿論、ここに残る!」」」

 と、3人はそう即答した。

 それを聞いた春風は、

 「ハハ、そうですか」

 と乾いた笑いをこぼすと、次に騎士と五神教会の信者の方を向いて、彼らの側に近づいた。

 「んじゃ、次はっと……」

 ボソリとそう呟くと、ラルフの目の前で止まって、

 「ラルフさん。申し訳ありませんが、あなたにはここに残ってもらいます」

 と、笑顔でラルフに向かってそう言い放った。

 それを聞いたラルフはというと、

 「……何……だと?」

 と言って、頭上に「?」を浮かべながら、キョトンと首を傾げるのだった。
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