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第七章・スリジャの結婚

58・スリジャの結婚(完)

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 あれから御神体は、年配の御使いの手によってグラン聖国の神殿に戻される事になった。
 恐らく、私を誘い出す為に神殿から持ち出されたのだと思う。
 これで今後も無事、御神託を受けられるだろう、新しい写し身様によって。
 あの年配の御使いもまた御神託が受け取れる方。もう直ぐ御使いを辞するそれまでの間に新しい写し身様の力になってもくれるのだと思う。
 
 そしてあの御使い長の身も┉また神殿に。

 恨みに囚われて許せない事をした人ではあるが、役目には真摯に向きあっていた┉。

 後で聞いたところによると、役を辞した御使い達の為に尽力していたのだと分かる。
 これまでの神殿費などを遣り繰りし、費用を捻出して手厚い補償をしてたのだ。
 きっと自分達も憧れた、役を辞した後の生活┉その事に思いを馳せた行動なんだと、そう思う。

 恐らくもう長くはない将来、キリエ様の隣に葬られる事になるだろう──。

 それから┉もう一つ。
 アラン王子が王族籍を抜けてグラン聖国に。
 もちろん御使い長になる為だ。

 ラシア王や兄弟の嘆きは大変なものだったが、アランのその方が長生き出来るから┉の言葉に渋々承諾を。
 そして┉役を辞した後は必ずラシア王国に帰る、それを条件に。
 今回の一連の事で使い果たした御神体の癒やしの力も、きっとそれまでにはいくばかりかは溜まっている筈だ。
 それをその時使えば天寿を全う出来るかも?そう言って笑った──。

 そして肝心の私の結婚だけど┉もちろんやっぱりロイ王子の妃になる。もうすぐ。

 そして、婚約式もう飛ばして結婚式やったらどうだ?って。
 その事に笑って了承した。

 きっとその時はグラン聖国からも父上や兄上達も。
 そしてきっとアラン御使い長様も駆け付けてくれるだろう┉そう思う。

 早速、国民や諸外国に向けて、ラシア王国第二王子ロイとグラン聖国第四王子スリジャとの結婚の公示が出された。

 これから結婚に向けての準備や招待客などの選定が行われる。
 そして┉私は初恋のあの人と結ばれる。

 その事にわくわくとした気持ちと、ちょっとだけの不安があるけど、二人ならば乗り越えられる┉そう思って幸せだって笑った──。
   
               ──The end.

   拙い文章を今迄お読みいただきましてありがとうございました!
 これで物語は完結ですが、第七章スリジャの結婚として残していますので、イチャラブ番外編や気になるあの人のその後のお話など。不定期にはなりますが、今後もお楽しみいただけたら┉と思っております。ですのでお気に入りはそのままにしていただいて良かったら引き続き読んでいただけたら嬉しいです!よろしくお願いします。

 
 
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