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第五章・西の離宮
38・ロイの苦悩
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なんだって┉?
スリジャが死ぬ┉あと五年で!?
ロイはその驚愕な内容の告白を聞いて放心していた┉。
信じられない┉信じられるものか!この人が、この愛おしい人が俺の前から永遠に居なくなるなど──。
思わずスリジャを抱き寄せ、きつく抱き締める。俺の前から居なくならないように┉。
スリジャもこんな様子の俺を初めて見たのだろう。動揺し震え、哀しげに顔を伏せ泣いている。
ダメだ!しっかりしないと。俺がしっかりしないでどうする?辛いのはスリジャだ!これ以上悲しませてはいけない。
「スリジャ、すまない。余りの事にすっかり動揺してしまって┉。詳しく話してくれるか?」
その言葉にスリジャも自らを落ち着かせようと深呼吸し、涙を拭って前を見た。
「私こそすみません。一から詳しくお話しします。少し長くなりますが┉聞いて貰えますか。」
それからスリジャは、神の御使いの役を早期に辞する事になった経緯と、寿命と癒やしの力の関係性についてをロイに説明した。
そうして、もう一つ┉。
「私が今、こうしてこの件を告白しようと思ったのはアラン様に言われたのです。ロイ様に伝えないのか?と。」
自分には癒やしの力がほんの少し残っていて、それを使い過ぎると死ぬかもしれない事、体調の悪いアランに癒やしの力を使った件も話す。
「私、アラン様に力を使った時に思い知ったのです┉自分が思っている以上に残り少ない命なのだと。それから私一人でこの事実を抱えて過ごして来たのです。」とスリジャは再び泣き崩れた。
──どんなにかショックだっただろう┉自分の命の短さを知るなど。
こんなスリジャの苦悩を知らずに俺は只浮かれていただけではないか┉と居た堪れない気持ちになる。
ロイは泣いているスリジャの瞼に労るようにそっと口づけを落とし、お前には俺が着いているから大丈夫だよと伝える。
そしてスリジャは徐ろに顔を上げ「もう私のこと嫌になりましたか?」と弱々しく呟いた。
「スリジャ、俺も正直ショックだった。お前の命に関わる事だ┉平気でいられる訳ないよな?だけど嫌になんかならないよ。こんな事で駄目になる間柄じゃないだろう?」と言って落ち着くまで背中をそっと撫でてやる。
スリジャはそのまま黙って撫でられていたが、泣き疲れと言い切った安心とで眠くなってしまったようだ┉。
ロイはそんなスリジャの身体をそっと横抱きにして自分のベッドまで運び、布団を掛けてやり自分はその脇に座ってスリジャの様子を見ている。
「安心していいよ┉もうここで眠ったらいい。おやすみ、愛しいスリジャ。」
そう言って額に口づけを落とし、頭を撫でてやる。
やがて穏やかな寝息が聞こえ出し、ロイはホッとする┉。
今まで、罪悪感でアランには何も言ってこなかったが、このままではお互いに負担にしかならないだろう┉。
アランと二人で話す必要がある──。
スリジャが死ぬ┉あと五年で!?
ロイはその驚愕な内容の告白を聞いて放心していた┉。
信じられない┉信じられるものか!この人が、この愛おしい人が俺の前から永遠に居なくなるなど──。
思わずスリジャを抱き寄せ、きつく抱き締める。俺の前から居なくならないように┉。
スリジャもこんな様子の俺を初めて見たのだろう。動揺し震え、哀しげに顔を伏せ泣いている。
ダメだ!しっかりしないと。俺がしっかりしないでどうする?辛いのはスリジャだ!これ以上悲しませてはいけない。
「スリジャ、すまない。余りの事にすっかり動揺してしまって┉。詳しく話してくれるか?」
その言葉にスリジャも自らを落ち着かせようと深呼吸し、涙を拭って前を見た。
「私こそすみません。一から詳しくお話しします。少し長くなりますが┉聞いて貰えますか。」
それからスリジャは、神の御使いの役を早期に辞する事になった経緯と、寿命と癒やしの力の関係性についてをロイに説明した。
そうして、もう一つ┉。
「私が今、こうしてこの件を告白しようと思ったのはアラン様に言われたのです。ロイ様に伝えないのか?と。」
自分には癒やしの力がほんの少し残っていて、それを使い過ぎると死ぬかもしれない事、体調の悪いアランに癒やしの力を使った件も話す。
「私、アラン様に力を使った時に思い知ったのです┉自分が思っている以上に残り少ない命なのだと。それから私一人でこの事実を抱えて過ごして来たのです。」とスリジャは再び泣き崩れた。
──どんなにかショックだっただろう┉自分の命の短さを知るなど。
こんなスリジャの苦悩を知らずに俺は只浮かれていただけではないか┉と居た堪れない気持ちになる。
ロイは泣いているスリジャの瞼に労るようにそっと口づけを落とし、お前には俺が着いているから大丈夫だよと伝える。
そしてスリジャは徐ろに顔を上げ「もう私のこと嫌になりましたか?」と弱々しく呟いた。
「スリジャ、俺も正直ショックだった。お前の命に関わる事だ┉平気でいられる訳ないよな?だけど嫌になんかならないよ。こんな事で駄目になる間柄じゃないだろう?」と言って落ち着くまで背中をそっと撫でてやる。
スリジャはそのまま黙って撫でられていたが、泣き疲れと言い切った安心とで眠くなってしまったようだ┉。
ロイはそんなスリジャの身体をそっと横抱きにして自分のベッドまで運び、布団を掛けてやり自分はその脇に座ってスリジャの様子を見ている。
「安心していいよ┉もうここで眠ったらいい。おやすみ、愛しいスリジャ。」
そう言って額に口づけを落とし、頭を撫でてやる。
やがて穏やかな寝息が聞こえ出し、ロイはホッとする┉。
今まで、罪悪感でアランには何も言ってこなかったが、このままではお互いに負担にしかならないだろう┉。
アランと二人で話す必要がある──。
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