お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO

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第五章・恋の進行状況

27・愛する気持ち

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 愛してる…愛してるの?誰を?僕のことを!

 そんな坊ちゃまの告白に、瞬間ときが止まる!
 だけど本当に?それ、どういう意味の『愛してる』ですか…?

 坊ちゃまから頻繁に『好き』だとは言われていた。ずっと以前から。
 「エリオットが好きだ!」そう言われる度に「坊ちゃま大好き!」そう躊躇なく応えた。
 僕の坊ちゃま好きは当たり前のように周りに受け入れられて、日に日にその「好き」は膨れ上がっていた。

 ──もちろん心の中では「愛してる」を使っていたよ?だって愛してるから…それと一緒なの?

 そう思った瞬間、ピシャーン!とまるで雷に打たれたような衝撃を受ける。
 そして唐突に気付いた…僕は、坊ちゃまを『愛して』いるんだと! 

 何やってたの?僕…まるで自分の気持ちを分かって無かったんだ!と驚愕する。
 好きだ!今までそうまじないのようにその言葉を繰り返して、坊ちゃまの幸せだけを願ってきた。だけど、それはどうして?

 前世の僕が大好きだったBLゲームの主人公だから?
 
 圧倒的美のジュリアスを、いつだって見ていたいから?

 努力して道を切り開いていく姿が眩しかったから?

 ──全部その通りだ!

 だけどそれはあくまでゲームの中で…そう思ってきたが、この世界の坊ちゃまだって全てそれが当て嵌まっているんだ。そんな完璧といえる坊ちゃまを、正真正銘愛してるのは誰か?ゲームの主人公だとか、容姿や何もかもが全て関係なんてなく、一人の男としてだったら?…それは僕だよ!!揺るぎない自信だ。
 
 そんなパーフェクトな坊ちゃまは、今ゲームのシナリオと違う行動をしている。攻略対象達と恋の駆け引きをし、そして一人のルートへと絞る筈が、全くそれに向けた行動を起こしていない。それどころか今回のように、イベント発生の条件さえも満たしていない現実…。だが、例えそうだったとしても、この坊ちゃまへの想いは絶対に変わらない自信がある!
 知らぬ間に、この世界の坊ちゃまを愛しているのだと気付いてしまった…
 なのに、坊ちゃまも僕を…なんてないよね?そんな都合のいい話、どう考えてもないよね?

 「ぼ、ぼ、坊ちゃま!…愛してるの?僕を…」

 坊ちゃまからのその優しい口付けの感触が残るおでこに、思わず手を当てて真っ赤になった。これまでどれだけ密なスキンシップをしても、全く平気だったのに、自分の本当の気持ちに気付いたら急に恥ずかしくなった…
 生まれて初めてのそんな感情に慄き、戸惑うばかりになっている僕。それを知ってか知らずか、坊ちゃまはフフフッと意味深な笑みを浮かべている。

 ──くうぅーっ!どっち?どっちなのよ…くそぅ。

 なんかね、あの感じなのよ…所詮坊ちゃまの掌の上で踊らされてる…ってやつ?弄ばれてる気がする~

 前世も含めてまるで恋愛経験のない僕は、もう頭の中がオーバーヒート寸前で、もうそれ以上は考えることさえ出来なかった。それで一言、こう言うのがやっとだった…

 「坊ちゃま、今日はもう降参です!」

 そして僕は、心の中で坊ちゃまに対して白旗を上げた。


 +++++


 次の日、まるでそんな僕を嘲笑うかのように、騎士学園との剣術交流戦の代表が発表される。それに伴い、一人一人剣術の腕をチェックされ、有識者による選考が行なわれた。それは身分にかかわらず、間違いなく実力のみで代表が選ばれたことが明らかにされた。そして…

 先鋒は、アラン・ロマン。知らんよね?きっとモブだろう。ついでに言うなら、メイドカフェで交流戦の話をしていたメイドさんの仕える坊ちゃんだ。覚えてるかな?

 そして中堅は、バツグンの演技力を誇るアンディ・ガドリン。スゲェよ…やっぱりアイツ只者じゃねぇ。

 それから副将は、スチュワート・グレイ。ガリ勉のくせに剣術も出来やがる!だけど本人は、紅茶マイスター検定の試験日が被るんだそうで、出たくない!って言ったらしいよ?

 大トリ!映えある大将は…ラウル・カッシーノ。だよね?王子様は選ばないと…

 そしてここからが問題だ…ひとつ抜けているね?次鋒だ。それで思い出して欲しい!ゲームの中では誰だったのかを。そうだ…僕の坊ちゃま、ジュリアス・エドモア! ってところがポイントだよ?

 ……。………。………何で?どうして選ばれちゃったの!坊ちゃまぁ~

 僕は警戒した。イベントが始まっちゃうのではないかと。今まではそれが嬉しいとさえ、思っていたイベントを…阻止しなきゃ!

 
 
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