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第ニ章・先輩が彼氏に?

28・正真正銘の恋人

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 どっち?どっちの意味なんですか?それは┉

 そう思って少し不安になった僕は、思い切って問いかける。

 「先輩、それはもう僕とは例えお試しでもお付き合いしたくないって意味ですか?それとも、お試しの結果が出て、先輩の気持ちが固まったっていう事でしょうか?」

 先輩はその言葉を真剣な顔で聞いていて、やがてこっくりと頷いた。

 「瑞樹、俺達本当に付き合ってみないか?お試しなんかじゃなくって、正真正銘恋人として付き合おう!」

 ──こ、こ、恋人!!

 僕は驚きで一瞬、時が止まったかのような気がしたけど、その次の瞬間はブワッと喜びの感情が溢れた。

 「本当に!?先輩、ホントの本当ですか!いゃ、嘘?┉嬉しいぃ!!」
 僕は嬉し過ぎてすっかり興奮していた。この場に人の目さえなかったら、先輩に飛び付きたいくらいの┉。

 「そっちこそ本当か?って思うけど。ホントに俺と恋人になってもいいのか?」
 先輩がどうしてそう思うのかは分からないけど、そう不安気に聞いてくる。それで┉

 「僕、先輩と恋人になりたいです!嬉しくって、ここがお店の中じゃなかったら、先輩に抱き付きたいと思ってるほどですからね!」

 僕が笑いながらそう言うと、ちょっと驚いてから、後でな┉って先輩が。

 後で┉抱き着いて、いいんですか?ホントに!?
 それはそれで照れるぅ~

 僕達はそれで安心して、楽しく会話をしながら美味しく夕飯をいただいて、それから店の外に出た。
 僕は、お祝いだ!って一杯だけお酒を飲んだ。だから凄く気分が良い。
 道行く知らない人達に、僕は隣に居るこの人の恋人なんだよ?って心の中で呟いて、ニコニコしながら歩いていた。

 やがて近くの公園に来て、ちょっとだけ話そうってなる。
 公園のベンチには何組かの恋人達が座っていて楽しそうに過ごしていた。

 あっ、あそこのベンチ空いてるよ?って思って、先輩の方に振り向くと┉そしたら先輩が笑いながら腕を、はい!って広げる。

 ──僕は迷わず先輩の胸に飛び込んだ。

 僕は、身長170cmの男性オメガで、容姿だって普通だけど、先輩に包まれていると小さな子供になったような気がする┉。

 そんな僕だけど、格好良くて優しくて家族思いで┉こんなに素敵な人と恋人になれた。

 そう思う嬉しさでぎゅっと抱き締めれば、お互いの心臓がトクトクと高鳴って、やがて溶け合う。

 ┉もう、離さないよ?優先輩!そう心に誓う。

 そして今後、本格的なヒートが訪れた時┉僕と番になって欲しいって思う。

 取り敢えず先輩と恋人らしい事をやりたいな!って。こんな事を考えられるなんて幸せだなぁ~って微笑んだ。
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