【完結】あなたの恋人(Ω)になれますか?〜後天性オメガの僕〜

MEIKO

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第三章・恋人同士に

29・涼さん達の結婚式

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 涼さん達の二度目の結婚式、その時に着る衣裳を作ってもらった。

 何故かというと、柚子ちゃんとお揃いだから~

 柚子ちゃんはリングガールとして、あんなに小さいのに大役を任されて!
 物凄く可愛いだろうなぁ~

 お揃いって事は、衣裳の色も合わせたよ!
 な、何とピンクだ。

 えっ、この年でピンク?┉って思ったけど。 
 可愛い柚子ちゃんの姿を見る為には少々の犠牲も必要ですからね┉。せめてもと、薄いピンクにしてもらったけど!

 結婚式の当日、僕は必要以上に緊張してしまっていた。
 誰も僕なんて見ていないんだろうけど、やっぱりただ座っていればいい人とは違って、責任重大で┉。

 そんな僕を、先輩は上手になだめて気分を上げようとしてくれる。
 俺と瑞樹、二人で楽しもう!って。
 ブライズメイドとアッシャーなんて脇役だけど、僕達の中では主役で┉。
 そんな先輩を頼もしいな!って思った──。

 教会の祭壇の新婦側には僕が、新郎側には先輩とお兄さんが立っている。

 厳かな音楽が鳴り響いて扉が開かれると、義父さんと腕を組んだ白い衣裳を着た美しい涼さんが現れた。

 誰もが心を奪われるようなその笑顔を見ていたら、僕は涙ぐんでしまう。

 頭に被られているレースのベールを揺らしながらこちらに近付いてきて、義父さんが涼さんの手を取り、そして直哉さんに手渡す。

 それを目の前で見ていたら、僕の時も義父さんそうしてくれるんだろうなぁ┉って。

 もうそれですっかりウルウルになっている僕だったけど、キャッ!柚子ちゃん登場だ~

 僕とお揃いのピンクの、フリフリのワンピースを着た柚子ちゃんがリングピローを持って現れると、わぁ~可愛い!の声があちこちで湧き上がる。

 ──うっ、可愛い過ぎてもうダメ~!

 祭壇の涼さん、直哉さんも感動していて、愛らしい柚子ちゃんを抱き寄せていた。

 なんて素敵な結婚式だろう!

 誓いの言葉とリングの交換も無事終わり、誓いのキスは?って思ったら、柚子ちゃんのほっぺたに涼さん直哉さんが両側からチュッとして、僕は泣きながら大拍手。

 ┉この式、むちゃくちゃイイ~!理想だね。

 3人が手を繋いで退場して、次に僕達が続く。

 ──わっ!先輩と腕組んじゃった~
 嬉しくて笑顔で隣の先輩を見上げると、泣き腫らした顔が可笑しかったようでフッと笑われる。

 もーう!イジワルだなぁ~って、ちょっと膨れていたら、先輩が組んでいる僕の手をそっとポンポン┉って叩きながら、瑞樹も綺麗だよ!って囁やいてくれた。
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