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第一章・ベータ、オメガになる。
5・先輩の失恋
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何だって!先輩が┉失恋?
僕は自分の耳を疑った。こんなにカッコよすぎる先輩が失恋する訳ないじゃないか?
おまけに┉あの人だろ?相手は。
いくら綺麗なオメガだからって、年上で男で┉。
そう思って僕は困惑していた。
そんな僕の様子に先輩は苦笑いして、本当だよ┉って言う。
とっさに先輩の顔をじっと見る。確かにいつもよりも元気がないし、眼の下にも隈が出来ている。
だけど信じられない!そう思って思わず言ってしまう。
「先輩、最近ずっと元気がないんじゃ┉って思ってました。僕も気になってましたけど、こっちから聞く訳にいかないし┉。だからだったんですかね?」
その僕の言葉に先輩は真面目な顔をして答えた。
「瑞樹はやっぱり気が付いてたんだな。あれは┉実は違う事だったんだ。もちろん関わりはある事だったんだけど。俺の兄が今年結婚してね、その相手の事でちょっと思うところがあって┉。」
──お兄さんの結婚相手に?
僕はますます分からなくなった。どういう意味なんだろう?謎が多過ぎる。
思わずしかめっ面でそう考えていると
「俺の父親とその人の父親が番だったんだよ。だけど結婚出来なくて┉。俺の母親、一年前に死んだって言っただろ?その母親がその事を思い悩んだ挙げ句、俺達兄弟を愛さなかったんだ。父に対する腹いせかな?┉だからそんな因縁がある人となんで結婚するんだ!って怒りがあったんだ。」
──うっ。情報量が多すぎて処理しきれない。
お兄さんが、お父さんの番相手の子供と結婚して、お母さんが腹いせで先輩のことを愛してなかった?
「先輩、失礼だったらゴメンなさい。お兄さん、何でそんな人と結婚を?信じられない!そしてお母さん、それ間違ってますよね?お父さんに腹いせすべきですよ!」
僕は言ってから、しまった┉って思った。
やっちゃったな┉本音だけど、仲の良いお兄さんと亡くなったお母さんの事だ。きっと先輩怒ってるだろう。そう反省しきりでチラッと見ると┉
──先輩は笑っていた。
えっ、笑ってる┉?へっ?
「ハハッ、お前はホントに正直者だよな!普通はそんな本音で言わないぞ。だけどその通りだと思う。俺も兄さんの気持ちなんて、これっぽっちも分からなかったし、母さんのその態度にも嫌気がさしてたよ。」
僕はその意外な反応に驚いた。
もう、友達やめるって言われても仕方がないかと┉。
「まあ、母さんのことはもう亡くなった人だし、今更とやかく言うつもりはないんだ。あの人も可哀想な人だったから。でもな、兄さんには本当に悪い事をしてしまった┉。これはさっきの失恋にも関わるんだけど。」
──なんか迷宮入りしそうなんだが┉お兄さんのその結婚が失恋とどう関わるんだろう┉?
「なんかややこしいだろ?ようは、恋人だった人が実は兄さんを好きだったんだよ。俺のことなんて何とも思ってなかったんだ。当て付け┉だったんだろうな?おまけにその人、卑怯な嘘をついて兄達を離婚させたんだ!」
ハアァ┉結局お兄さんは離婚して、先輩は当て馬に利用されていたと?
「┉そうだ!そう言うことだな。」
「あっ僕、今声出てました?ヤバいわ~」
そう言う僕に先輩は、ガシガシと頭を揉みくちゃにして、ちゃんと聞いてんのか?って笑う。
「なんか、お前と話してたらどうでも良くなったわ!なんか失恋なんて落ち込んで、バカらしくなってきたし。」
僕は密かに、それなら良かったって思う。
確かに意味分からないほど複雑な話しだったけど、理解出来なくはない。
そしてそういう話しを重く返しても何の解決にもならないんだ┉。
笑い飛ばして忘れられたら一番だと思う。
僕って、そういう役割でしょ?じゃないと先輩が僕に相談する必要なんてないじゃないか。
身の程は良くわかっていますから。
「でもな┉俺はもうオメガは信用しないよ。男性オメガは特に。今後絶対に付き合ったりしない!俺を騙したあの人もだし、離婚して兄さんをドン底まで落とした人もオメガだ。これは今後一生変わらないから!」
僕は先輩がそう言うのをじっと聞いていた。
僕は何故だか言い様のない不安に突如襲われたけど、所詮僕には関係ないじゃないか?って漠然と思ってたんだ┉。
僕は自分の耳を疑った。こんなにカッコよすぎる先輩が失恋する訳ないじゃないか?
おまけに┉あの人だろ?相手は。
いくら綺麗なオメガだからって、年上で男で┉。
そう思って僕は困惑していた。
そんな僕の様子に先輩は苦笑いして、本当だよ┉って言う。
とっさに先輩の顔をじっと見る。確かにいつもよりも元気がないし、眼の下にも隈が出来ている。
だけど信じられない!そう思って思わず言ってしまう。
「先輩、最近ずっと元気がないんじゃ┉って思ってました。僕も気になってましたけど、こっちから聞く訳にいかないし┉。だからだったんですかね?」
その僕の言葉に先輩は真面目な顔をして答えた。
「瑞樹はやっぱり気が付いてたんだな。あれは┉実は違う事だったんだ。もちろん関わりはある事だったんだけど。俺の兄が今年結婚してね、その相手の事でちょっと思うところがあって┉。」
──お兄さんの結婚相手に?
僕はますます分からなくなった。どういう意味なんだろう?謎が多過ぎる。
思わずしかめっ面でそう考えていると
「俺の父親とその人の父親が番だったんだよ。だけど結婚出来なくて┉。俺の母親、一年前に死んだって言っただろ?その母親がその事を思い悩んだ挙げ句、俺達兄弟を愛さなかったんだ。父に対する腹いせかな?┉だからそんな因縁がある人となんで結婚するんだ!って怒りがあったんだ。」
──うっ。情報量が多すぎて処理しきれない。
お兄さんが、お父さんの番相手の子供と結婚して、お母さんが腹いせで先輩のことを愛してなかった?
「先輩、失礼だったらゴメンなさい。お兄さん、何でそんな人と結婚を?信じられない!そしてお母さん、それ間違ってますよね?お父さんに腹いせすべきですよ!」
僕は言ってから、しまった┉って思った。
やっちゃったな┉本音だけど、仲の良いお兄さんと亡くなったお母さんの事だ。きっと先輩怒ってるだろう。そう反省しきりでチラッと見ると┉
──先輩は笑っていた。
えっ、笑ってる┉?へっ?
「ハハッ、お前はホントに正直者だよな!普通はそんな本音で言わないぞ。だけどその通りだと思う。俺も兄さんの気持ちなんて、これっぽっちも分からなかったし、母さんのその態度にも嫌気がさしてたよ。」
僕はその意外な反応に驚いた。
もう、友達やめるって言われても仕方がないかと┉。
「まあ、母さんのことはもう亡くなった人だし、今更とやかく言うつもりはないんだ。あの人も可哀想な人だったから。でもな、兄さんには本当に悪い事をしてしまった┉。これはさっきの失恋にも関わるんだけど。」
──なんか迷宮入りしそうなんだが┉お兄さんのその結婚が失恋とどう関わるんだろう┉?
「なんかややこしいだろ?ようは、恋人だった人が実は兄さんを好きだったんだよ。俺のことなんて何とも思ってなかったんだ。当て付け┉だったんだろうな?おまけにその人、卑怯な嘘をついて兄達を離婚させたんだ!」
ハアァ┉結局お兄さんは離婚して、先輩は当て馬に利用されていたと?
「┉そうだ!そう言うことだな。」
「あっ僕、今声出てました?ヤバいわ~」
そう言う僕に先輩は、ガシガシと頭を揉みくちゃにして、ちゃんと聞いてんのか?って笑う。
「なんか、お前と話してたらどうでも良くなったわ!なんか失恋なんて落ち込んで、バカらしくなってきたし。」
僕は密かに、それなら良かったって思う。
確かに意味分からないほど複雑な話しだったけど、理解出来なくはない。
そしてそういう話しを重く返しても何の解決にもならないんだ┉。
笑い飛ばして忘れられたら一番だと思う。
僕って、そういう役割でしょ?じゃないと先輩が僕に相談する必要なんてないじゃないか。
身の程は良くわかっていますから。
「でもな┉俺はもうオメガは信用しないよ。男性オメガは特に。今後絶対に付き合ったりしない!俺を騙したあの人もだし、離婚して兄さんをドン底まで落とした人もオメガだ。これは今後一生変わらないから!」
僕は先輩がそう言うのをじっと聞いていた。
僕は何故だか言い様のない不安に突如襲われたけど、所詮僕には関係ないじゃないか?って漠然と思ってたんだ┉。
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