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第2章
第34話
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俺は高速で飛びバハルに斬りかかろうとしたが、前脚の爪で叢雲を掴まれた。
(…っ!やるな。)
すぐにロゼッタで魔法を撃とうとしたが、もう片方の爪が俺の脇腹に突き刺さった。刺されたところが少し熱く、少し出血した。
「ぐっ…!」
「どうした小僧、そんなものか?」
そう言うと、バハルは後脚で勢いよく俺の鳩尾に蹴りを入れた。
「ごはっ!」
俺は氷の海にに突っ込んでいき、少し深いところでようやく止まった。
「…『制限解除』使いたいけど…今度こそこの国なくなるよな…」
反撃に出ようとしたら、一瞬でバハルが穴の入り口の前に飛んできた。そして、口を開き魔法陣が出現した。
「ヤバイ!」
バハルの口から青と黒混ざったブレスがはかれた。俺は急いでバハルの後方に転移した。見ると氷は一瞬で溶けて無くなっていた。
「古龍魔法やばいな…」
バハルはブレスをはいたまま、尻尾を俺の方に向けた。すると今度は尻尾の先に魔法陣が出現し、そこから先程と同じブレスが勢いよくはかれた。
「おまっ!シン・○ジラかよ!」
俺は急いで迂回し、バハルに向かいながらロゼッタを構えた。
「『雷光弾』!」
10発ほどの光と雷魔法を組み合わせた弾丸が放たれたが、バハルが前脚を弾丸に向けると障壁に全て塞がれた。
俺はそのまま勢いを殺さず、ロゼッタをしまい両手で突き技の構えをとった。剣先に雷魔法を付与し、バハルめがけ刀を突き出した。
「『武甕槌』!!」
障壁にぶつかると、雷が発生しあたりに飛び散った。
「はあぁぁぁぁぁああ!!」
叢雲の龍殺しが効いたのか、障壁は砕け散り剣先がバハルの左肩に突き刺さった。
「ぐっ、がぁぁぁああ!!生意気な小僧め!」
バハルが尻尾を振り回してきたので、左手に身体強化の魔法を付与してガードする。
「ふんっ!」
俺は吹っ飛ばされたが、左手も特にダメージはなく地面に綺麗に着地した。
バハルの左肩をみると、ジュゥゥ…と音を立てて煙が出ている。ダメージは与えられているが、少しずつ回復しているようだ。
「くそ…もっと叢雲でダメージを与えられればな…」
上を見ると、バハルが怒りの形相でブレスをはく準備をし始めた。
「やべっ!」
俺は後方に向かって飛行した。後ろからブレスをはき続けているバハルが追ってくる。すぐに体を覆う球状の魔法障壁をはった。
『マスター、やはり先程提案した技を使いましょう。』
「っ!もうそれしかなさそうだな。」
俺は急停止し、魔法障壁を解いてバハルの方へと方向転換した。
バハルのブレスはちょっと熱く、少しずつだが皮膚が火傷を負っていった。だがそんなの御構い無しに、右手に身体強化魔法と光魔法を付与しバハルめがけて突っ込んでいく。
「どうした小僧!血迷ったか!」
バハルはブレスの威力をさらに増したが、俺は一気に加速してバハルの目の前に飛んで顔面を殴りつけた。
バハルがそのまま後方へと吹っ飛んでいったのを確認して、地面に降り立った。
「今のはちょっと熱かったな…。」
その場で回復魔法を使い火傷を一瞬で治す。
「…じゃあロゼッタ、やるぞ。」
『最大限サポートします。」
「よし!」
俺は左腕をだし、叢雲で5cm程の傷を作った。傷口から叢雲の持つ魔力が少し流れ込んでくるのがわかる。
そして顳顬にロゼッタを突きつけ、引き金をひいた。
意識が遠のいていくのを感じた。
『龍殺しの加護を確認。取り込んだ魔力を直ちに解析、複製を開始。……複製完了。
魔法生成『モード:龍王』発動します。
マスター、頑張ってください。』
バハルが戻ってくると、そこには今まで戦っていた小僧がいたが、本当に同一人物か目を疑った。
体には龍の鱗のような模様が出来ており、頭には小さな龍の2本の角、背中からは紅い龍の羽がはえていた。
そして静かにだが、強大な龍に似た魔力を放ちバハルをじっと見据えていた。
(…っ!やるな。)
すぐにロゼッタで魔法を撃とうとしたが、もう片方の爪が俺の脇腹に突き刺さった。刺されたところが少し熱く、少し出血した。
「ぐっ…!」
「どうした小僧、そんなものか?」
そう言うと、バハルは後脚で勢いよく俺の鳩尾に蹴りを入れた。
「ごはっ!」
俺は氷の海にに突っ込んでいき、少し深いところでようやく止まった。
「…『制限解除』使いたいけど…今度こそこの国なくなるよな…」
反撃に出ようとしたら、一瞬でバハルが穴の入り口の前に飛んできた。そして、口を開き魔法陣が出現した。
「ヤバイ!」
バハルの口から青と黒混ざったブレスがはかれた。俺は急いでバハルの後方に転移した。見ると氷は一瞬で溶けて無くなっていた。
「古龍魔法やばいな…」
バハルはブレスをはいたまま、尻尾を俺の方に向けた。すると今度は尻尾の先に魔法陣が出現し、そこから先程と同じブレスが勢いよくはかれた。
「おまっ!シン・○ジラかよ!」
俺は急いで迂回し、バハルに向かいながらロゼッタを構えた。
「『雷光弾』!」
10発ほどの光と雷魔法を組み合わせた弾丸が放たれたが、バハルが前脚を弾丸に向けると障壁に全て塞がれた。
俺はそのまま勢いを殺さず、ロゼッタをしまい両手で突き技の構えをとった。剣先に雷魔法を付与し、バハルめがけ刀を突き出した。
「『武甕槌』!!」
障壁にぶつかると、雷が発生しあたりに飛び散った。
「はあぁぁぁぁぁああ!!」
叢雲の龍殺しが効いたのか、障壁は砕け散り剣先がバハルの左肩に突き刺さった。
「ぐっ、がぁぁぁああ!!生意気な小僧め!」
バハルが尻尾を振り回してきたので、左手に身体強化の魔法を付与してガードする。
「ふんっ!」
俺は吹っ飛ばされたが、左手も特にダメージはなく地面に綺麗に着地した。
バハルの左肩をみると、ジュゥゥ…と音を立てて煙が出ている。ダメージは与えられているが、少しずつ回復しているようだ。
「くそ…もっと叢雲でダメージを与えられればな…」
上を見ると、バハルが怒りの形相でブレスをはく準備をし始めた。
「やべっ!」
俺は後方に向かって飛行した。後ろからブレスをはき続けているバハルが追ってくる。すぐに体を覆う球状の魔法障壁をはった。
『マスター、やはり先程提案した技を使いましょう。』
「っ!もうそれしかなさそうだな。」
俺は急停止し、魔法障壁を解いてバハルの方へと方向転換した。
バハルのブレスはちょっと熱く、少しずつだが皮膚が火傷を負っていった。だがそんなの御構い無しに、右手に身体強化魔法と光魔法を付与しバハルめがけて突っ込んでいく。
「どうした小僧!血迷ったか!」
バハルはブレスの威力をさらに増したが、俺は一気に加速してバハルの目の前に飛んで顔面を殴りつけた。
バハルがそのまま後方へと吹っ飛んでいったのを確認して、地面に降り立った。
「今のはちょっと熱かったな…。」
その場で回復魔法を使い火傷を一瞬で治す。
「…じゃあロゼッタ、やるぞ。」
『最大限サポートします。」
「よし!」
俺は左腕をだし、叢雲で5cm程の傷を作った。傷口から叢雲の持つ魔力が少し流れ込んでくるのがわかる。
そして顳顬にロゼッタを突きつけ、引き金をひいた。
意識が遠のいていくのを感じた。
『龍殺しの加護を確認。取り込んだ魔力を直ちに解析、複製を開始。……複製完了。
魔法生成『モード:龍王』発動します。
マスター、頑張ってください。』
バハルが戻ってくると、そこには今まで戦っていた小僧がいたが、本当に同一人物か目を疑った。
体には龍の鱗のような模様が出来ており、頭には小さな龍の2本の角、背中からは紅い龍の羽がはえていた。
そして静かにだが、強大な龍に似た魔力を放ちバハルをじっと見据えていた。
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