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第四章
第173話 王様がこんなところにいましたよ
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「この貴族街って螺旋みたいになってますね、ぐるぐる回りながらお城に近づいていってますし」
「そう言えばそうね、まあちょうど良いんじゃない? 捕まえていけるし、お義父様の領地の開拓を頑張ってもらえば良いんだから。ほらほらこのお屋敷もよ。まったく、今のところ子供でも小さい子と赤ちゃんくらいじゃない? その子達はアマンダに任せられるけど。本当にこの国って言うかこの街は悪者だらけよね」
「うん。ぐるぐる~、ほいっと! 収納から転移! でも次の大きなお屋敷は少ししかいなさそうですよ?」
「んん~、あらそうね、王様が住んでるわよここ······もしかして、この国って乗っ取られてるの?」
「へ? 王様がこんなところに? それは本当におかしいですね。それでも何十人かは人攫いがいるみたいですから、やっつけないとですね」
「そうね、まずはあの門前に見えてる四人はやっちゃって良いわよ」
少し遠いですが、門の前で、腰に剣。手には槍を持った門番さんがいましたので、ぐるぐるしちゃいます。
気絶しさせたと同時に魔道具や武器は収納して、転移でお屋敷に送ってしまいました。
そして門へ近づいて、格子の門から中を覗くと、う~ん広いですが、お屋敷は小さめですね、さあ入ったところにある門番の詰め所に誰かいるようですが、呼んでみましょうか。
「こんにちは~すいませ~ん」
「なんだ、転移で入ってしまわないの?」
「うん。王様は良い人なんでしょ? ならちゃんと正面から入らないと失礼ですからね。あっ、出て来ました」
「何者だ、ここは子供が遊びに来るところではないぞ。それに門番には止められなかったのか?」
「はい。今は門番さんいませんから。あっと」
(テラこの人が良い人だよね?)
(正解。だいぶ分かってきたようね、良い感じよ)
「申し遅れました。僕は、サーバル男爵改めサーバル伯爵家三男、ライリール・ドライ・サーバルと言います。緊急の報告があり、この屋敷の当主、王様にご報告をしたく、お取り次ぎをお願いできますか? あっと、これが証拠です」
僕はサーバル家の紋章の付いた解体用のナイフを見せ、返事を待ちます。
「少々お待ち下さい。しかし門番を放ってどこに行ったのか······はぁ」
と、ぼやきながらおじさんは、詰め所に戻っていきました。
そしてすぐに四人を引き連れて、手には本を持ち、戻ってくると。
「ではもう一度先程のナイフを見せてもらえますか?」
「そんなの良いから追い払っておけよ、ったく、俺達交代したところだって言うのにあいつらサボりやがって。おいガキは入れねえからさっさとどっか行きやがれ!」
なんて言ってますが、僕はナイフを出して、本を開いて待っているおじさんに柄頭の紋章を見せました。
「このクソガキ! なに無視してやがんだ! てめえもそんなの調べなくても良いんだよ! 教皇様からの命令はこの屋敷には入れるな出すなだ!」
「いや、この方は本当に剣聖、サーバル今は伯爵家の方です。その方が緊急の報告があるとの事、私達の判断で、この国の不利益になるような事があれば、首が飛ぶだけでは済みませんよ?」
「ちっ、なら俺は来客ありって事を教皇様へ報告しなきゃなんねえな。おいお前ら三人は門番してろ、面倒くせえが俺は城までひとっ走りしてくるからよ」
そう言って、格子の門を蹴り開け、走って行きましたので、もちろんぐるぐるしちゃいます。残りの三人が、ノロノロと門の外に出てきた時には転移で送っておきました。
「ちっ、ガキが、ほら入りやがれ! ってあいつもう見えねえところまで行っちまったか、おい、ガキの相手はお前がしておけよ!」
「分かった。ライリール様、私が案内いたします。こちらへ」
三人が外に出て、僕が入り、門が閉まると門番さん達は、壁にもたれているみたいで見えなくなりましたから、ぐるぐるですね。
僕は案内してくれるおじさんに付いて行き、石畳を進んでお屋敷の中に入りました。
(物凄く質素ですね、うちと変わりませんよ)
(そうね、調度品もほとんど無いし、あの奴隷商館の方が豪華なくらいね、あっ、ライ、この部屋の中は人攫いだけよ)
(うん。ぐるぐる~、ほいっと!)
(良いわね、残り二十人ね、前から来る二人のメイドもそうよ、ちょうど良いわ、壁際に寄って止まってくれたし、通り過ぎたらやっちゃいなさい)
そんな感じに待ち合いの部屋につくまでに、十二人を捕まえ、送りました。
「少しここでお待ちいただきます。今謁見の準備をしておりますので」
「はい。急に来て、会っていただけるだけでも凄い事ですから、そうですね、おじさんには先にお伝えしておきますね、実は――」
僕はおじさんにここに来た訳を話ながら。
(隣に入ってきた人もね、それから扉前に来た奴らもよ)
(うん。ぐるぐる~、ほいっと! よし、後は三人だけだね)
そうなのです。次々と急な来客を調べるためか、待ち合いの部屋に直接ではありませんが、集まってきてくれますので、楽々捕まえる事ができました。
(ライ、次は普通の人と二人で来るわよ。お茶を運んで来てるわ、眠り薬も持ってるから、ライの分に入れるつもりでしょうね)
(眠り薬は効きませんが、あっ、残りの二人も動き出したみたいですね)
(そのようね、王様と一緒に動いているわよ、こっち側に向かっているみたいだから、そこで出すお茶なのかもしれないわね、どうするの?)
コンコンコンと戸が叩かれ『お茶をお持ちしました』と聞こえてきました。おじさんへの説明は終わり、眉間にシワが入り怒っているようですが。
「どうぞ、入って下さい」
戸が開き、メイドさんが入って来て、との両脇に分かれピシッと背筋を伸ばしました。そして時間を合わせたように、向かいの部屋の戸が開き、王様の登場です。
「そう言えばそうね、まあちょうど良いんじゃない? 捕まえていけるし、お義父様の領地の開拓を頑張ってもらえば良いんだから。ほらほらこのお屋敷もよ。まったく、今のところ子供でも小さい子と赤ちゃんくらいじゃない? その子達はアマンダに任せられるけど。本当にこの国って言うかこの街は悪者だらけよね」
「うん。ぐるぐる~、ほいっと! 収納から転移! でも次の大きなお屋敷は少ししかいなさそうですよ?」
「んん~、あらそうね、王様が住んでるわよここ······もしかして、この国って乗っ取られてるの?」
「へ? 王様がこんなところに? それは本当におかしいですね。それでも何十人かは人攫いがいるみたいですから、やっつけないとですね」
「そうね、まずはあの門前に見えてる四人はやっちゃって良いわよ」
少し遠いですが、門の前で、腰に剣。手には槍を持った門番さんがいましたので、ぐるぐるしちゃいます。
気絶しさせたと同時に魔道具や武器は収納して、転移でお屋敷に送ってしまいました。
そして門へ近づいて、格子の門から中を覗くと、う~ん広いですが、お屋敷は小さめですね、さあ入ったところにある門番の詰め所に誰かいるようですが、呼んでみましょうか。
「こんにちは~すいませ~ん」
「なんだ、転移で入ってしまわないの?」
「うん。王様は良い人なんでしょ? ならちゃんと正面から入らないと失礼ですからね。あっ、出て来ました」
「何者だ、ここは子供が遊びに来るところではないぞ。それに門番には止められなかったのか?」
「はい。今は門番さんいませんから。あっと」
(テラこの人が良い人だよね?)
(正解。だいぶ分かってきたようね、良い感じよ)
「申し遅れました。僕は、サーバル男爵改めサーバル伯爵家三男、ライリール・ドライ・サーバルと言います。緊急の報告があり、この屋敷の当主、王様にご報告をしたく、お取り次ぎをお願いできますか? あっと、これが証拠です」
僕はサーバル家の紋章の付いた解体用のナイフを見せ、返事を待ちます。
「少々お待ち下さい。しかし門番を放ってどこに行ったのか······はぁ」
と、ぼやきながらおじさんは、詰め所に戻っていきました。
そしてすぐに四人を引き連れて、手には本を持ち、戻ってくると。
「ではもう一度先程のナイフを見せてもらえますか?」
「そんなの良いから追い払っておけよ、ったく、俺達交代したところだって言うのにあいつらサボりやがって。おいガキは入れねえからさっさとどっか行きやがれ!」
なんて言ってますが、僕はナイフを出して、本を開いて待っているおじさんに柄頭の紋章を見せました。
「このクソガキ! なに無視してやがんだ! てめえもそんなの調べなくても良いんだよ! 教皇様からの命令はこの屋敷には入れるな出すなだ!」
「いや、この方は本当に剣聖、サーバル今は伯爵家の方です。その方が緊急の報告があるとの事、私達の判断で、この国の不利益になるような事があれば、首が飛ぶだけでは済みませんよ?」
「ちっ、なら俺は来客ありって事を教皇様へ報告しなきゃなんねえな。おいお前ら三人は門番してろ、面倒くせえが俺は城までひとっ走りしてくるからよ」
そう言って、格子の門を蹴り開け、走って行きましたので、もちろんぐるぐるしちゃいます。残りの三人が、ノロノロと門の外に出てきた時には転移で送っておきました。
「ちっ、ガキが、ほら入りやがれ! ってあいつもう見えねえところまで行っちまったか、おい、ガキの相手はお前がしておけよ!」
「分かった。ライリール様、私が案内いたします。こちらへ」
三人が外に出て、僕が入り、門が閉まると門番さん達は、壁にもたれているみたいで見えなくなりましたから、ぐるぐるですね。
僕は案内してくれるおじさんに付いて行き、石畳を進んでお屋敷の中に入りました。
(物凄く質素ですね、うちと変わりませんよ)
(そうね、調度品もほとんど無いし、あの奴隷商館の方が豪華なくらいね、あっ、ライ、この部屋の中は人攫いだけよ)
(うん。ぐるぐる~、ほいっと!)
(良いわね、残り二十人ね、前から来る二人のメイドもそうよ、ちょうど良いわ、壁際に寄って止まってくれたし、通り過ぎたらやっちゃいなさい)
そんな感じに待ち合いの部屋につくまでに、十二人を捕まえ、送りました。
「少しここでお待ちいただきます。今謁見の準備をしておりますので」
「はい。急に来て、会っていただけるだけでも凄い事ですから、そうですね、おじさんには先にお伝えしておきますね、実は――」
僕はおじさんにここに来た訳を話ながら。
(隣に入ってきた人もね、それから扉前に来た奴らもよ)
(うん。ぐるぐる~、ほいっと! よし、後は三人だけだね)
そうなのです。次々と急な来客を調べるためか、待ち合いの部屋に直接ではありませんが、集まってきてくれますので、楽々捕まえる事ができました。
(ライ、次は普通の人と二人で来るわよ。お茶を運んで来てるわ、眠り薬も持ってるから、ライの分に入れるつもりでしょうね)
(眠り薬は効きませんが、あっ、残りの二人も動き出したみたいですね)
(そのようね、王様と一緒に動いているわよ、こっち側に向かっているみたいだから、そこで出すお茶なのかもしれないわね、どうするの?)
コンコンコンと戸が叩かれ『お茶をお持ちしました』と聞こえてきました。おじさんへの説明は終わり、眉間にシワが入り怒っているようですが。
「どうぞ、入って下さい」
戸が開き、メイドさんが入って来て、との両脇に分かれピシッと背筋を伸ばしました。そして時間を合わせたように、向かいの部屋の戸が開き、王様の登場です。
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