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第四章
第140話 またお嫁さんが増えちゃうの!?
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「うむ。お前も捕まっていたか、だがこれだけしかいないとは、他の者は殺られてしまったか······」
お姉さんは助け出した男の人二人を見ながら胸の前で右手の握りこぶしを左手で包み、少し震えながら悲痛な顔になりました。ですが。
「これまでの人攫いの方達と同じでしたら、まず甘い匂いの眠り薬で眠らせて、その中からめぼしい者だけを攫っているようです。なので大丈夫かな? それと、子供はいましたか? もしいたならですが、もしかすると別に連れて行かれてるかも知れません」
「いや、お嬢様の兵達は沢山いたが子供はお嬢様以外はいなかった。それに俺達冒険者にもな。それにあの時の夜営地には他の者はいなかった」
「そうだな、私たちだけであったのと、侍女達も私より上であったからな、と言うかお嬢様はやめろ。成りたてだがこれでも当主となったのだぞ。不甲斐ない兄達のせいで、まったく。一つ下の弟が来年十歳となれば譲るつもりだが、今は公爵だ」
「え? 弟が十歳となれば? 一つ下の? じゃあお姉さんじゃなくて公爵様は十歳?」
「うむ。そうだぞ今年十歳だな。それにこやつらとは何度か冒険者として臨時ではあったがパーティーを組んだ事があるのだ。公爵になるまでは冒険者となるつもりであったからな」
背中の真ん中くらいまであるウェーブのかかった金髪で、ブルーの瞳がお人形のように綺麗で、僕より頭一つは背も高いですし、でも良く見ると幼さもあるようです。
「そうですよ、助けてくれた冒険者様と同じ十歳ですね。それと······言いにくいのですがお嬢様、······公爵様のお肌を見てしまわれたので少し」
「え? でも僕も公爵様も子供ですし」
「良いじゃないライ。どうせ将来伯爵になるし領地も決まってるんでしょ? 家令におすすめだし、お嫁さんにもらっちゃいなさい。それに、フィーアもティも公爵令嬢でしょ? プシュケはまあ、似たようなものだし、リントは置いておきましょう」
あのねテラ、お菓子とかじゃないからそんなに簡単には、じゃなくて、ご挨拶してませんでしたね。
「えと、婚姻とかはとりあえず置いておきまして。初めまして。サーバル男爵家のライリール・ドライ・サーバルと言います。ライと呼んでください」
「ぬ! 剣聖殿のご子息とな!」
「お嬢さ――公爵様それと将来は伯爵様となられるご様子」
「うむ。そうか、平民ではそれも難しい事だったが問題は無さそうだ······ん? ライであったな? その様に何人もの婚約者がいるのか?」
「はい。ブラフマー公爵家のティと、ノスフェラトゥ公爵家のフィーア、エンシェントエルフのプシュケに、ケット・シーのリント。それからテラにムルムル」
そう言って肩を指差し紹介しました。
それを聞いたお兄さん達とお姉さん達、そして公爵様は目を見開き口まで開けて僕達を見ています。あっ、そうでした、人攫い達の魔道具や服を収納しておきましょう。
「ライ。分かってるでしょうね? パンツは残すのよ、それに馬車はどれが一番良いかしら?」
「僕なら捕まっていた馬車が一番丈夫だと思うけど、大きさもちょうど良いよね」
「ちょっ、ちょっと待て! ブラフマー公爵とノスフェラトゥ公爵だと! なぜその様な大物の令嬢と婚約を交わしておるのだ! エンシェントエルフとケット・シーにスライムとその小さな娘も良く分からんが······っ! 何をすればそんな事に!」
「あのですね、僕の父さん母さんとパーティーを組んでたのがノスフェラトゥ公爵で、その奥さんが僕の乳母なんです。それから人攫いに合っていたブラフマー公爵令嬢のシャクティ・アン・ブラフマー、ティを助けたのが縁かな」
皆さんは静かに僕の話を聞いてくれています。
「それからエンシェントエルフのプシュケは東の森に住んでいたんだけど、村を追い出されたところで出会って、僕と冒険者パーティーを組んでくれて、ケット・シーのリントは海賊退治した時に捕まっていた? 寝てましたけど、一緒に冒険者をする事になったからかな」
「では、その肩の······」
「うん。ムルムルは僕が十歳で冒険者として旅立った日に街道でゴブリンにいじめられて、潰れかかっていたのを助けて、旅立って初めての夜営でテラと出会い、仲間として旅を続けてきたのですが、先日やっとテラも僕の婚約者になってくれました」
最後までちゃんと聞いてくれましたね。
「ふむ。それでも伯爵に叙爵され、令嬢を娶れるほどでは無い、とは思うのだが」
「ん~、話していると今日中に町まで辿り着けないかもしれませんよ? 僕は今帝都に向かいながらの依頼を請けていますから」
「うむ。それもそうだな、おっと。旦那様よ、私はアフロディーテ公爵だ。イシュ・チェル・ウノ・アフロディーテ。好きに呼ぶが良い」
えっと、旦那様になってますよ······会って助けはしましたけどティみたいに一緒に旅した訳でもないですし。
「呼んであげたら? ほら泣きそうな顔になってるわよ」
「良いのかな? まあ、父さんに相談だよね」
テラを見ると小声で『くふふ。家令もしてもらえるし、良いわね』とか言ってます······。
「じゃあ。イシェ。イシェで良いかな? 呼びやすいし、それから僕はライでお願いしますね」
「イシェ······イシェ······うん。じゃなくて! うむ。そ、そう呼ぶが良い旦那様」
僕の名前は駄目なようです。
その後皆さんと相談して僕の父さんに相談したい事を伝え、なんとか分かってもら······えたのかは分かりませんが、人攫い達をサーバル男爵領の開拓要員として連れて帰るため、皆さんと馬車や馬さんも一緒に転移でお屋敷に戻りました。
「きゃっ! あっ、また坊っちゃんがぁー!」
メイドさんを驚かせてしまったようです、
お姉さんは助け出した男の人二人を見ながら胸の前で右手の握りこぶしを左手で包み、少し震えながら悲痛な顔になりました。ですが。
「これまでの人攫いの方達と同じでしたら、まず甘い匂いの眠り薬で眠らせて、その中からめぼしい者だけを攫っているようです。なので大丈夫かな? それと、子供はいましたか? もしいたならですが、もしかすると別に連れて行かれてるかも知れません」
「いや、お嬢様の兵達は沢山いたが子供はお嬢様以外はいなかった。それに俺達冒険者にもな。それにあの時の夜営地には他の者はいなかった」
「そうだな、私たちだけであったのと、侍女達も私より上であったからな、と言うかお嬢様はやめろ。成りたてだがこれでも当主となったのだぞ。不甲斐ない兄達のせいで、まったく。一つ下の弟が来年十歳となれば譲るつもりだが、今は公爵だ」
「え? 弟が十歳となれば? 一つ下の? じゃあお姉さんじゃなくて公爵様は十歳?」
「うむ。そうだぞ今年十歳だな。それにこやつらとは何度か冒険者として臨時ではあったがパーティーを組んだ事があるのだ。公爵になるまでは冒険者となるつもりであったからな」
背中の真ん中くらいまであるウェーブのかかった金髪で、ブルーの瞳がお人形のように綺麗で、僕より頭一つは背も高いですし、でも良く見ると幼さもあるようです。
「そうですよ、助けてくれた冒険者様と同じ十歳ですね。それと······言いにくいのですがお嬢様、······公爵様のお肌を見てしまわれたので少し」
「え? でも僕も公爵様も子供ですし」
「良いじゃないライ。どうせ将来伯爵になるし領地も決まってるんでしょ? 家令におすすめだし、お嫁さんにもらっちゃいなさい。それに、フィーアもティも公爵令嬢でしょ? プシュケはまあ、似たようなものだし、リントは置いておきましょう」
あのねテラ、お菓子とかじゃないからそんなに簡単には、じゃなくて、ご挨拶してませんでしたね。
「えと、婚姻とかはとりあえず置いておきまして。初めまして。サーバル男爵家のライリール・ドライ・サーバルと言います。ライと呼んでください」
「ぬ! 剣聖殿のご子息とな!」
「お嬢さ――公爵様それと将来は伯爵様となられるご様子」
「うむ。そうか、平民ではそれも難しい事だったが問題は無さそうだ······ん? ライであったな? その様に何人もの婚約者がいるのか?」
「はい。ブラフマー公爵家のティと、ノスフェラトゥ公爵家のフィーア、エンシェントエルフのプシュケに、ケット・シーのリント。それからテラにムルムル」
そう言って肩を指差し紹介しました。
それを聞いたお兄さん達とお姉さん達、そして公爵様は目を見開き口まで開けて僕達を見ています。あっ、そうでした、人攫い達の魔道具や服を収納しておきましょう。
「ライ。分かってるでしょうね? パンツは残すのよ、それに馬車はどれが一番良いかしら?」
「僕なら捕まっていた馬車が一番丈夫だと思うけど、大きさもちょうど良いよね」
「ちょっ、ちょっと待て! ブラフマー公爵とノスフェラトゥ公爵だと! なぜその様な大物の令嬢と婚約を交わしておるのだ! エンシェントエルフとケット・シーにスライムとその小さな娘も良く分からんが······っ! 何をすればそんな事に!」
「あのですね、僕の父さん母さんとパーティーを組んでたのがノスフェラトゥ公爵で、その奥さんが僕の乳母なんです。それから人攫いに合っていたブラフマー公爵令嬢のシャクティ・アン・ブラフマー、ティを助けたのが縁かな」
皆さんは静かに僕の話を聞いてくれています。
「それからエンシェントエルフのプシュケは東の森に住んでいたんだけど、村を追い出されたところで出会って、僕と冒険者パーティーを組んでくれて、ケット・シーのリントは海賊退治した時に捕まっていた? 寝てましたけど、一緒に冒険者をする事になったからかな」
「では、その肩の······」
「うん。ムルムルは僕が十歳で冒険者として旅立った日に街道でゴブリンにいじめられて、潰れかかっていたのを助けて、旅立って初めての夜営でテラと出会い、仲間として旅を続けてきたのですが、先日やっとテラも僕の婚約者になってくれました」
最後までちゃんと聞いてくれましたね。
「ふむ。それでも伯爵に叙爵され、令嬢を娶れるほどでは無い、とは思うのだが」
「ん~、話していると今日中に町まで辿り着けないかもしれませんよ? 僕は今帝都に向かいながらの依頼を請けていますから」
「うむ。それもそうだな、おっと。旦那様よ、私はアフロディーテ公爵だ。イシュ・チェル・ウノ・アフロディーテ。好きに呼ぶが良い」
えっと、旦那様になってますよ······会って助けはしましたけどティみたいに一緒に旅した訳でもないですし。
「呼んであげたら? ほら泣きそうな顔になってるわよ」
「良いのかな? まあ、父さんに相談だよね」
テラを見ると小声で『くふふ。家令もしてもらえるし、良いわね』とか言ってます······。
「じゃあ。イシェ。イシェで良いかな? 呼びやすいし、それから僕はライでお願いしますね」
「イシェ······イシェ······うん。じゃなくて! うむ。そ、そう呼ぶが良い旦那様」
僕の名前は駄目なようです。
その後皆さんと相談して僕の父さんに相談したい事を伝え、なんとか分かってもら······えたのかは分かりませんが、人攫い達をサーバル男爵領の開拓要員として連れて帰るため、皆さんと馬車や馬さんも一緒に転移でお屋敷に戻りました。
「きゃっ! あっ、また坊っちゃんがぁー!」
メイドさんを驚かせてしまったようです、
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