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第四章
第121話 峠の魔物を狩りますよ
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走り初めてしばらくすると、最後に出かけた馬車を発見。
馬車は登りがキツいため、人が少し早めに走る程度の速度しか出ていませんので、追い抜いていきます。
「おっ元気だな! 頑張れよ! 途中でへばってたら拾ってやるぞ!」
「ありがとうございます♪ 頑張りますねー!」
そうだ、馬さんに魔力を入れておけば少しは回復するかな。ぐるぐる~。ほいっと!
「くふふ。馬さんも頑張って下さいね」
ブルルと小さく嘶き、返事をしてくれたようです。
そのまま追い越して、先を急ぎます。
何台も追い越しながら最後かなと思われる、五台が連なって登っている馬車団に追い付きました。
「テラ、魔狼だと思うけど街道に出てきそうだね。この先の曲がった辺りにいっぱいいるよ」
「そうなの? ちょっと見てみるわね。んん~。そのようね、五十七匹いるわ。どうする? こっちに向かって移動し始めたようだけど」
「ほんとだね、それも峠を下ってくるし、半分より少ないけど回り込んで横からも来そうだよ。ってもう見えてきた! 回り込んでくる方はぐるぐるが間に合いそうだけど、前からのは間に合いません! ムルムル、テラを掴んでいてね! いくよ!」
ダンッ!
僕は一気に加速して馬車に追い付き、少し速度を落としてもらうために声を一台一台声をかけていきます。
「前から魔狼が来ます! 速度を落として下さい!」
「何! あの先から来るあれですか! 凄い数じゃないですか! わ、分かりました! おい、君達も戦闘準備だ!」
「おう!」
そう言うと、護衛の冒険者さん達に声をかけた御者さんは半鐘を鳴らし、馬車団全体に知らせてくれました。
残りの四台も一言ずつ声をかけ追い抜き、そこからさらに加速しながら二本の刀を抜きました。
「分かってると思うけど、一匹上位種がいるわよ! マーナガルム、フェンリルなんかよりは格段に落ちるけど、強いわよ!」
「うん。全然魔力量が違うからね。でも負けませんよ! シッ!」
先頭と接触して二刀流は初めてですが、シュパッ! シュパシュパッ! 全然抵抗がないくらいの切れ味で、首をハネ、収納していきます。
いきなり集団の真ん中に突っ込んできた僕に驚き、首をハネられていく仲間を見て、進むのを止め、僕を取り囲み、飛びかかってきますが、飛びかかってきた順に切り伏せていきます。
一番最後に少し離れてゆっくりとこちらに向かってくるマーナガルムは、次々に倒されている仲間を見て、僕からは百五十メートル以上離れていますがその顔が怒りに歪むのが僕には見えました。
「ライ来るわよ! 森の方は大丈夫なの!」
「うん。森のは街道に出る前には気絶しそう。マーナガルムさんも――転移!」
パッ
「ウインドアロー!」
マーナガルムの大きな背中に転移して、大きなその後頭部に至近距離からウインドアローを放ちました。
ズシュ!
「よし! 転移!」
パッ
後頭部から下顎に向けて撃ち抜かれ、ガクンと力の抜けたマーナガルムから飛び上がり収納しながら森から出てくるならこの場所だと思うところへ転移で戻りました。
「流石ね。あの至近距離ならマーナガルムでも避ける間もないわ。普通の者が普通の距離で撃った魔法なんて簡単に避けちゃうんだから。一撃なら毛皮も高く売れるわよきっと」
その時のガサガサと僕が眺めている森側から走っていた勢いだけで、魔狼が三匹気絶して飛び出してきました。
「だね。よし。全部気絶したよ」
「くふふ。ギリギリだったわね。この三匹が少し魔力が多かったのね」
「うん。この三匹以外は少し奥で気絶してるよ」
そこに数人の冒険者達が走り寄ってきました。
「おい! 大丈夫か! 倒しているのを見たが怪我は無さそうだな」
「凄いわね。三十匹くらいを一人でなんて君はBランク」
「いやいや、まだ子供だぜ? そんな事出きるのか?」
「はい。大丈夫でした。この奥にも後十五匹ほど倒れていますので、後はやっつけるだけですね」
「そこの三匹を入れて二十匹よ。街道にいたものと合わせて魔狼が三十五匹に、マーナガルムが一匹ね」
「マーナガルムですって! あれはAランクでも数パーティーで対応する魔物よ!」
お姉さんはそう言いますし、おじさんとお兄さん達もうんうんと頷いています。
仕方がありませんね。収納からギルドカードを取り出し皆さんに見せてあげました。
「嘘だろ! Sランクなんて初めてみたぞ!」
「なっ! 俺は聞いたことがあるぞ。確かヒュドラの九本首を倒したとか」
「あっ! それにファイアーアントの巣を壊滅させたとか!」
うんうん。そうですよ、頑張ったんですから。よしお兄さん達がお話で盛り上がっていますが、停まっている馬車を呼んでもらって来る前に魔狼を片付けてしまいましょうか。
「あの、すいません。僕は魔狼を片付けてしまいますから、馬車の方は進んでもらっても大丈夫なのでお願いできますか?」
「おお。そうだったな。すっかり魔狼がいた事忘れていたよ。分かった、商隊に進むよう合図をだそう」
「お願いします。では行ってきますね」
僕は、街道に横たわる三匹をウインドニードル三発で倒し、森に入りました。魔狼が走ってきた跡がありますから逆走して奥へ走ります。すると魔狼が同じ場所にまとまって大きな体を横たえていました。
ウインドニードルで全部倒し終わり、街道は戻ると馬車が到着したところのようです。
「魔狼はどこに逃げたのだ? 一匹も転がっていないではないか!」
あれ? 倒しちゃ駄目だったのかな······。
馬車は登りがキツいため、人が少し早めに走る程度の速度しか出ていませんので、追い抜いていきます。
「おっ元気だな! 頑張れよ! 途中でへばってたら拾ってやるぞ!」
「ありがとうございます♪ 頑張りますねー!」
そうだ、馬さんに魔力を入れておけば少しは回復するかな。ぐるぐる~。ほいっと!
「くふふ。馬さんも頑張って下さいね」
ブルルと小さく嘶き、返事をしてくれたようです。
そのまま追い越して、先を急ぎます。
何台も追い越しながら最後かなと思われる、五台が連なって登っている馬車団に追い付きました。
「テラ、魔狼だと思うけど街道に出てきそうだね。この先の曲がった辺りにいっぱいいるよ」
「そうなの? ちょっと見てみるわね。んん~。そのようね、五十七匹いるわ。どうする? こっちに向かって移動し始めたようだけど」
「ほんとだね、それも峠を下ってくるし、半分より少ないけど回り込んで横からも来そうだよ。ってもう見えてきた! 回り込んでくる方はぐるぐるが間に合いそうだけど、前からのは間に合いません! ムルムル、テラを掴んでいてね! いくよ!」
ダンッ!
僕は一気に加速して馬車に追い付き、少し速度を落としてもらうために声を一台一台声をかけていきます。
「前から魔狼が来ます! 速度を落として下さい!」
「何! あの先から来るあれですか! 凄い数じゃないですか! わ、分かりました! おい、君達も戦闘準備だ!」
「おう!」
そう言うと、護衛の冒険者さん達に声をかけた御者さんは半鐘を鳴らし、馬車団全体に知らせてくれました。
残りの四台も一言ずつ声をかけ追い抜き、そこからさらに加速しながら二本の刀を抜きました。
「分かってると思うけど、一匹上位種がいるわよ! マーナガルム、フェンリルなんかよりは格段に落ちるけど、強いわよ!」
「うん。全然魔力量が違うからね。でも負けませんよ! シッ!」
先頭と接触して二刀流は初めてですが、シュパッ! シュパシュパッ! 全然抵抗がないくらいの切れ味で、首をハネ、収納していきます。
いきなり集団の真ん中に突っ込んできた僕に驚き、首をハネられていく仲間を見て、進むのを止め、僕を取り囲み、飛びかかってきますが、飛びかかってきた順に切り伏せていきます。
一番最後に少し離れてゆっくりとこちらに向かってくるマーナガルムは、次々に倒されている仲間を見て、僕からは百五十メートル以上離れていますがその顔が怒りに歪むのが僕には見えました。
「ライ来るわよ! 森の方は大丈夫なの!」
「うん。森のは街道に出る前には気絶しそう。マーナガルムさんも――転移!」
パッ
「ウインドアロー!」
マーナガルムの大きな背中に転移して、大きなその後頭部に至近距離からウインドアローを放ちました。
ズシュ!
「よし! 転移!」
パッ
後頭部から下顎に向けて撃ち抜かれ、ガクンと力の抜けたマーナガルムから飛び上がり収納しながら森から出てくるならこの場所だと思うところへ転移で戻りました。
「流石ね。あの至近距離ならマーナガルムでも避ける間もないわ。普通の者が普通の距離で撃った魔法なんて簡単に避けちゃうんだから。一撃なら毛皮も高く売れるわよきっと」
その時のガサガサと僕が眺めている森側から走っていた勢いだけで、魔狼が三匹気絶して飛び出してきました。
「だね。よし。全部気絶したよ」
「くふふ。ギリギリだったわね。この三匹が少し魔力が多かったのね」
「うん。この三匹以外は少し奥で気絶してるよ」
そこに数人の冒険者達が走り寄ってきました。
「おい! 大丈夫か! 倒しているのを見たが怪我は無さそうだな」
「凄いわね。三十匹くらいを一人でなんて君はBランク」
「いやいや、まだ子供だぜ? そんな事出きるのか?」
「はい。大丈夫でした。この奥にも後十五匹ほど倒れていますので、後はやっつけるだけですね」
「そこの三匹を入れて二十匹よ。街道にいたものと合わせて魔狼が三十五匹に、マーナガルムが一匹ね」
「マーナガルムですって! あれはAランクでも数パーティーで対応する魔物よ!」
お姉さんはそう言いますし、おじさんとお兄さん達もうんうんと頷いています。
仕方がありませんね。収納からギルドカードを取り出し皆さんに見せてあげました。
「嘘だろ! Sランクなんて初めてみたぞ!」
「なっ! 俺は聞いたことがあるぞ。確かヒュドラの九本首を倒したとか」
「あっ! それにファイアーアントの巣を壊滅させたとか!」
うんうん。そうですよ、頑張ったんですから。よしお兄さん達がお話で盛り上がっていますが、停まっている馬車を呼んでもらって来る前に魔狼を片付けてしまいましょうか。
「あの、すいません。僕は魔狼を片付けてしまいますから、馬車の方は進んでもらっても大丈夫なのでお願いできますか?」
「おお。そうだったな。すっかり魔狼がいた事忘れていたよ。分かった、商隊に進むよう合図をだそう」
「お願いします。では行ってきますね」
僕は、街道に横たわる三匹をウインドニードル三発で倒し、森に入りました。魔狼が走ってきた跡がありますから逆走して奥へ走ります。すると魔狼が同じ場所にまとまって大きな体を横たえていました。
ウインドニードルで全部倒し終わり、街道は戻ると馬車が到着したところのようです。
「魔狼はどこに逃げたのだ? 一匹も転がっていないではないか!」
あれ? 倒しちゃ駄目だったのかな······。
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