俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】

いな@

文字の大きさ
70 / 149
第一章

第70話 一階層と

しおりを挟む
「ルテニウムよ何事だ、お前は近衛騎士団を率いて調査をしているはずだが」

 父上と呼んで、答えたのが王様ってことは……王子様かよ! ま、まあ王子様なら、こんな入り方してもまあ、良いことじゃねえけど許されるんかもな。

 その王子様と、後から来た三人もソファーの横で立ち止まり、綺麗に整列して何かを喋ろうとしているが、俺を見て、口をつぐんでいる。

「ルテニウム、このケントはダンジョンの事を知るものだ、構わんから続けよ」

 王様の許しの後、話し始めた王子様なんだが、よく見ると良い感じの革鎧が傷だらけだ、他の騎士も同じように爪痕が残っている。

 小さい傷だが多いなとジロジロ見ちまったが、王子様は王様の言葉を聞き、頷いてから話し始めた。

「はっ! 一階層から二階層に通じる階段に魔道具らしき物が取り付けられて、そこから魔物が次々と溢れてきています!」

「なんだと! 誰がそんな事を! では二階層以降に進んでいた者達はどうなっている!?」

「連絡は取れていません、近衛騎士団でも主力の者達がいますので、そうそう全滅も考えられませんが、このままでは体力が尽きて――」

 おいアンラ! 助けに行くぞ!

「王様! 俺が行ってやる! 任せとけ!」

 俺が窓に向けて走り出すとすぐに、アンラは本を開いたままだがついてきた。

(今良いところだけど仕方ないわね、行くわよ! ほいっと!)

 バンと乱暴に窓を開け、ベランダに飛び出した俺達は、ベランダの柵を飛び越えお城の中庭に向けて飛び下りた。

「た、高いじゃねえか!」

 後ろから『待つのだ!』と公爵様が追いかけてきたが、飛んでしまった後だから待てる分けない。

(もうケントは確認してから飛び下りなさいよね、うんしょ、ほいっと!)

 ガシッと背負ったままのリュックをアンラが掴み、眼下に見えていた、庭にぽっかり空いた穴に向けて軌道修正してくれる。

 穴の回りは頑丈そうな石組の壁を組んで、高さも五メートルはあり、入口だけは鉄で補強された木の扉だ。

 外には王子様達と同じ革鎧を装備した騎士達がいるんだが、中はゴブリンが次々と穴から出てきているのが見えた。

(壁に着地して、ゴブリンだし突っ込むよー)

「うっしゃぁー! 行っけぇぇぇー!」

 一メートル近い厚みのある壁にダンと着地して、一歩踏み込み真ん中の、ゴブリンが湧いて出てくる穴に向かって飛び下りる。

(着地は任せて! 眠りヒュプノス!)

 アンラが俺達の着地場所にいる、ゴブリンに向かって左手を伸ばし、眠りヒュプノスを唱える。

 その効果はすぐに現れ、直径五メートルほどの範囲でバタバタと倒れていくゴブリンを、踏みつけないようにして着地した。

「一気に行くぞ! 遅れんなよ! しっ!」

(誰に言ってるのよ! ケントこそ遅れないでよね! えいっ!)

 ズバッ!ザシュ!と行きなり現れた俺達に驚き、動きが止まったゴブリン。

 着地と同時に穴に向かって走り、一気に数匹のゴブリンを、俺はクロセルで倒し、アンラは伸ばした爪で切り裂いて、正面を切り開いた。

「ケント! ほいっと! このまま突っ込むの?」

 俺がクロセルを振り、引き戻す合間にアンラは伸ばした爪を振る。

 交互に振るため振りきった後の隙に、ゴブリンが近付いてくるのを防ぐ。

 そこまでしなくても、その場で戦うだけなら問題ないが、今は少しでも早く進んで魔物を産み出す魔道具をなんとかしなきゃなんねえ。

 走りは止めず、ほんの数秒で穴に到着してその勢いのまま、アンラと並んで見えた階段に足を踏み入れた。

 大人五人が横並びで歩けるような広さがある階段を、ゴブリンがゾロゾロと上がってくる。

「アンラ! いちいち相手をしてらんねえ! 倒さなくても良い! 蹴落として進むぞ! 落ちろ! しっ」

「うん! えりゃ! おりゃ!」

 どれだけ蹴落としても、見えている魔物はゴブリンだけだ、魔道具で出てきてんのはゴブリンだけなんだろう。

 薄暗い階段は、入ってすぐ分かったが、長くはないようだ。

 階段の先に、光が差し込んでいるのが見えたからだが、こりゃ迷路じゃなくてダンジョンの中に草原があったりするヤツか。

「ほら考え事してないで行くわよ! ゴブリン多すぎだし面倒だから飛んじゃうから! ほいっと!」

「うなっ!」

 ガシッとまた背負っていたリュックを掴まれ、アンラは斜め下に向かって階段を飛び下りた。

 飛んでいく俺達に驚きながら目で追い、上を向くが手を出せるヤツはいない。

 そのまま明かりが差し込んでいた出入口に飛び込んで見えたのは、思った通りの草原で、所々に林や、岩が点在していた。

「ん~と、二階層への階段どこだろ?」

 表に出て、たまたまそこにいたゴブリンを踏みつけて出てすぐのところに着地した俺達は、ズラリと帯びのように列をなして階段に押し寄せるのを目にした。

「アンラ! この列の先だ! いっきにいくぞ! この数を相手になんかしてらんねえ!  先に魔道具だ! 飛んでくれ!」

 いつまでもリュックを掴んでいてもらうのも、なんか恥ずかしいってのもあるが、俺はアンラの背後に回り、肩越しに抱き付く事にした。

「ひゃっ! にゃにをいきにゃり!」

 見ると耳まで真っ赤になってっけど、これもちと恥ずかしいかも知んねえな……。

「こ、この方がアンラも手が両手つかえるんだから良いだろ! ほら頼む!」

「り、了解だよ! もーケントだけなんだからね! だからぎゅっと掴まって離しちゃ駄目だからね! 行っくよー!」

 そして空高く、そうだ、地下に下りてきたのに空までありやがる。

 ダンジョンってすげえな、ってこんな時に考える事じゃねえだろ!

 下に目をやると、俺達が向かっている方向に続くゴブリンの列が見えた。

「方向は間違ってねえな、あそこの大岩から出てきてるようだぞ」

「そ、そのようね、そ、それよりケント……あなた私のその……おっぱい触ってるからね」

 ん? そういやなんか柔らか――あっ!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

処理中です...