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第一章
第32話 公爵公認
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「私、アイテールの奥さんになるの。そう決めたの」
それを聞いた公爵と奥様は『は?』と言った顔になり、一緒に来た護衛とお茶を入れてくれたメイドは『ぎょ』って顔になっていた。
「それで私も側室となるそうよ、お父様、お母様。だから伯爵位が欲しいのよ」
そしてさらにセレーナが追い討ちし、驚いた四人。
「ど、どう言う事だ! セレーナ様と結婚するのは伯爵家の私が相応しい! たかが勇者パーティー。それに選ばれた者だとしても、身分違いも甚だしい!」
そしてなぜか怒鳴り出した公爵様の護衛の男。
「あら、ごめんなさいね、あなたと私が? そんな話は聞いておりませんよ? それにそれがもし、お父様の考えと言うなら、公爵家を出ますわ、どうなのですかお父様」
「その様な話は無い。おい、確かにマーアホォ伯爵家だがおまえは三男だ、それゆえ奴に頼まれ私が預かる形で雇っているのだが、どちらかと言えばおまえの方が身分違いだ」
「なっ!」
「そうですわね、それに私達より年上の者に娘は嫁がせる事はありませんわよ?」
「そ、それでは私の計画が!」
「計画? はぁ、どの様な計画か知らないが、下がれ、外の者と交代して護衛の任から外れろ」
「え? そ、それでは何もかも、兄達を見返す――」
「下がれと言ったぞ。この事はマーアホォ伯爵に報告は入れておく、ほら早く出ていきなさい」
「お父様、お母様、ありがとうございます。なので私はアイテールの側室にと言う訳です」
セレーナ、護衛さんがヤバそうだぞ? 剣に手を掛けた!
「小娘が! 大人しく俺の物になっておけば良いものを!」
そう言い腰の剣を抜き、あろう事かセレーナに向かって振り下ろして来た。
「なにを!」
「させるか!」
武器を装備していない俺は腕に結界張り、振り下ろされる剣を止める。
ガキンと甲高い音が部屋に鳴り響く。
「セレーナに何しやがる!」
俺が手で剣を受けた事で驚いている護衛の腹に蹴りを入れ、セレーナとの距離を確保する。
「グハッ」
ドガッと、入口側まで蹴り飛ばしたが俺はエイアの手から抜け出し護衛に詰めよる。まだ剣を握っている手を狙い踏みつけ、顔面に膝蹴り!
踏んだ指からボキボキンと音が伝わってきて、膝にはメキョッと鼻の折れる感触が伝わってきた。
「ヘブッ」
その勢いで入口側の壁に激突し、動きが止まったが念のため、まだ足下にある剣を蹴り護衛から離す。
「ぎざま! じにやがれ!」
だが、まだ意識が残っていた護衛は、懐からナイフを折れていない手で抜きながら立ち上がり、俺に向かって来る。
「甘い! シッ!」
俺は付き出してきた手首を掴み、外側に捻り上げ、足首を蹴り転げさせると、うつ伏せに押さえ付けてしまった。
「ロープを!」
その声に反応したセレーナの護衛達は、素早く俺の元に駆け寄り、腰のベルトを外して一人は俺にベルトを渡し、もう一人は足を縛ってしまう。
「ぐぞっ! ばなぜ!」
「ふう。ありがとう二人とも、助かったよ」
「いえ。セレーナ様をお守り下さりありがとうございます」
「あまりの事に体が動かず。本当にありがとうございます」
「アイテールでかした! おい! 二人入って来い! この馬鹿を摘まみだし、厳重に牢へ放り込んでおけ!」
公爵様がそう言うと『失礼します!』と廊下から二人の護衛が入ってきて、ロープで縛り直ししベルトを返してくれる。
「ありがとう、よろしく頼むよ」
護衛は小さく頷くと二人で担ぎ上げ、部屋を出ていった。
ベルトを二人に返し、ソファーに戻ろうとした時、セレーナが立ち上がり、俺の胸に飛び込んできた。エイアとリーンも立ち上がり、近くに寄ってきた。
「アイテール、めちゃ怖かった、もうあかんかと思たけど、あなたが守ってくれて凄く嬉しかった。大好き」
俺の胸でそっと上を見てくる。そして抱きしめてくると、背伸びをしてキスしてきた。
「ちゅ」
「セ! セレーナおまえ!」
「あらあらまあまあ。うふふふ」
あっ······そうだ、公爵様達が見ていたな······。
そしてソファーに戻ると今度は左にエイア、右にセレーナが座り、二人とも俺の腕に絡めついている。リーンは『私も隣が······』と小さく呟いたが、今は我慢しておいてもらうしかないな。
「あー、まあなんだ、セレーナはヒュギエイアの婚姻相手に嫁ぐ予定だったからな、望んだ者に嫁がせてやれない負い目があったが。アイテールよ。叙爵の件は王に進言しておく。娘を頼む」
「それで良いのですか? 俺は勇者パーティーを追放されたんだが?」
「くくく。初めに言った通り、王と叙爵の相談はしていたのだ、しかし、先ほどは流したが、王が認めたなどとは聞いた事も、逆に王の方が叙爵に乗り気で、お前を別の有力なパーティーに加える、いや、リーダーに据えて、厳選した者を加える計画もあるほどだった」
「あなた、そうだから追放を許可したのではなくて?」
「なるほど! それなら納得だ。今候補に上がっているのは聖女と女勇者だけだがな」
そんな話が、ならあいつらの言い分も分からないでもない。あいつらは自分達が選ばれたと思っているのかも知れないな。
その後、今回の事を事細かに意見交換をして、夕食の時間になり、一緒に食事を取ることになった。
それを聞いた公爵と奥様は『は?』と言った顔になり、一緒に来た護衛とお茶を入れてくれたメイドは『ぎょ』って顔になっていた。
「それで私も側室となるそうよ、お父様、お母様。だから伯爵位が欲しいのよ」
そしてさらにセレーナが追い討ちし、驚いた四人。
「ど、どう言う事だ! セレーナ様と結婚するのは伯爵家の私が相応しい! たかが勇者パーティー。それに選ばれた者だとしても、身分違いも甚だしい!」
そしてなぜか怒鳴り出した公爵様の護衛の男。
「あら、ごめんなさいね、あなたと私が? そんな話は聞いておりませんよ? それにそれがもし、お父様の考えと言うなら、公爵家を出ますわ、どうなのですかお父様」
「その様な話は無い。おい、確かにマーアホォ伯爵家だがおまえは三男だ、それゆえ奴に頼まれ私が預かる形で雇っているのだが、どちらかと言えばおまえの方が身分違いだ」
「なっ!」
「そうですわね、それに私達より年上の者に娘は嫁がせる事はありませんわよ?」
「そ、それでは私の計画が!」
「計画? はぁ、どの様な計画か知らないが、下がれ、外の者と交代して護衛の任から外れろ」
「え? そ、それでは何もかも、兄達を見返す――」
「下がれと言ったぞ。この事はマーアホォ伯爵に報告は入れておく、ほら早く出ていきなさい」
「お父様、お母様、ありがとうございます。なので私はアイテールの側室にと言う訳です」
セレーナ、護衛さんがヤバそうだぞ? 剣に手を掛けた!
「小娘が! 大人しく俺の物になっておけば良いものを!」
そう言い腰の剣を抜き、あろう事かセレーナに向かって振り下ろして来た。
「なにを!」
「させるか!」
武器を装備していない俺は腕に結界張り、振り下ろされる剣を止める。
ガキンと甲高い音が部屋に鳴り響く。
「セレーナに何しやがる!」
俺が手で剣を受けた事で驚いている護衛の腹に蹴りを入れ、セレーナとの距離を確保する。
「グハッ」
ドガッと、入口側まで蹴り飛ばしたが俺はエイアの手から抜け出し護衛に詰めよる。まだ剣を握っている手を狙い踏みつけ、顔面に膝蹴り!
踏んだ指からボキボキンと音が伝わってきて、膝にはメキョッと鼻の折れる感触が伝わってきた。
「ヘブッ」
その勢いで入口側の壁に激突し、動きが止まったが念のため、まだ足下にある剣を蹴り護衛から離す。
「ぎざま! じにやがれ!」
だが、まだ意識が残っていた護衛は、懐からナイフを折れていない手で抜きながら立ち上がり、俺に向かって来る。
「甘い! シッ!」
俺は付き出してきた手首を掴み、外側に捻り上げ、足首を蹴り転げさせると、うつ伏せに押さえ付けてしまった。
「ロープを!」
その声に反応したセレーナの護衛達は、素早く俺の元に駆け寄り、腰のベルトを外して一人は俺にベルトを渡し、もう一人は足を縛ってしまう。
「ぐぞっ! ばなぜ!」
「ふう。ありがとう二人とも、助かったよ」
「いえ。セレーナ様をお守り下さりありがとうございます」
「あまりの事に体が動かず。本当にありがとうございます」
「アイテールでかした! おい! 二人入って来い! この馬鹿を摘まみだし、厳重に牢へ放り込んでおけ!」
公爵様がそう言うと『失礼します!』と廊下から二人の護衛が入ってきて、ロープで縛り直ししベルトを返してくれる。
「ありがとう、よろしく頼むよ」
護衛は小さく頷くと二人で担ぎ上げ、部屋を出ていった。
ベルトを二人に返し、ソファーに戻ろうとした時、セレーナが立ち上がり、俺の胸に飛び込んできた。エイアとリーンも立ち上がり、近くに寄ってきた。
「アイテール、めちゃ怖かった、もうあかんかと思たけど、あなたが守ってくれて凄く嬉しかった。大好き」
俺の胸でそっと上を見てくる。そして抱きしめてくると、背伸びをしてキスしてきた。
「ちゅ」
「セ! セレーナおまえ!」
「あらあらまあまあ。うふふふ」
あっ······そうだ、公爵様達が見ていたな······。
そしてソファーに戻ると今度は左にエイア、右にセレーナが座り、二人とも俺の腕に絡めついている。リーンは『私も隣が······』と小さく呟いたが、今は我慢しておいてもらうしかないな。
「あー、まあなんだ、セレーナはヒュギエイアの婚姻相手に嫁ぐ予定だったからな、望んだ者に嫁がせてやれない負い目があったが。アイテールよ。叙爵の件は王に進言しておく。娘を頼む」
「それで良いのですか? 俺は勇者パーティーを追放されたんだが?」
「くくく。初めに言った通り、王と叙爵の相談はしていたのだ、しかし、先ほどは流したが、王が認めたなどとは聞いた事も、逆に王の方が叙爵に乗り気で、お前を別の有力なパーティーに加える、いや、リーダーに据えて、厳選した者を加える計画もあるほどだった」
「あなた、そうだから追放を許可したのではなくて?」
「なるほど! それなら納得だ。今候補に上がっているのは聖女と女勇者だけだがな」
そんな話が、ならあいつらの言い分も分からないでもない。あいつらは自分達が選ばれたと思っているのかも知れないな。
その後、今回の事を事細かに意見交換をして、夕食の時間になり、一緒に食事を取ることになった。
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