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2回戦 vsハゲ
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もちろん、2回戦への進出が決定した僕。ここまでは常識だ。しかし、それでも1回戦よりも精鋭が集まっているのは確かだ。
そりゃあそうだ。先程の戦いでの勝者のみ、ここに残っているのだから。
そう思っていたのだが……
「2回戦5試合目!1人目の紹介です!1回戦ではあっさりと中藻を倒してしまいました!おなじみ、前回大会準優勝、最強スペクター!金剛寺!」
歓声が会場を揺さぶり、あまりの衝撃に僕も笑みが零れてしまう。
この感覚が忘れられないから参加していると言っても過言では無い。
ただ、なんというか、やりがいっていうの?そういうのが……なんか……いやだって相手が相手だからなぁ……
「対する相手は、なんでこいつが2回戦に!?スペクターバトルで異例のスペクトル無しの癖に!でも逆に熱い試合を見せてくれ!巣出 近等!」
そう、対戦相手の巣出はスペクトルを持っていないんだ。
スペクトルを持っていない人というのは、この世界において珍しいがいない訳では無い。べつに持っていないからといって、差別されるなんてことも無い。
ただ、こういう場では違う。スペクトルを持っているのが前提レベルな大会において、スペクトルを持っていない?夢みたいな話だと思っていた。
おそらく「なんでこいつが?」と観客は思っているのだろう。
しかし、だからこそ活躍を楽しみにしている人が多いのだろう。
「うおおおおおおおおお!!!!!」会場の熱気を感じる。
その人たちに対してスキンヘッド……ハゲの巣出は顔を輝かせ、笑顔で対応する。
でも、さすがにスペクトル無しで僕に勝てるのか?
だって、俺の体は僕でも敗れない。
「悪いけど、手加減はしない主義なんでね」俺がそう言うと巣出は、
「おっと、私のセリフでもあるからな」
そう言うと、拳を目の前に向かって突き出した。
スペクトル無しだろ?そんなんしても……と思っていたのに……
「うおっ」風が、それもかなりの突風が襲ってきた。
「油断するなよ!」巣出は風に乗って俺の眼前に来ると自分の力に全力を乗せたラッシュをかましてくる。
正直、勝てないかもしれない、なんて思った。体を金属にしても、風で飛ばされるのだ。攻撃のしようがない。
「ちきしょう。このハゲ、おまえなんか持ってんだろ!!」
「持っている訳が無いだろ!面白いなお前!これは鍛えた末の力なんだ!バカにするな!」
以前力は強いまま。
このまま、もう敗者復活に賭けてもいいかもしれない。負けないだろう。
そんなありえない考えを頭に浮かべながらも反撃のチャンスを狙っていた。
「!!!」唐突にスペクトルの活用を見つけた気がした。
「俺のスペクトルは体を金属にすることだ」
「それがどうした!実際のところ、おまえはもうスペクトルを使ってるじゃないか!」
「さっき何とかできねぇか考えてたんだよ。そんでなぁ、掴んだんだよ。体を金属にするってことはよぉ……」
瞬間俺の体はボドボドと地面に落ちていき原型すら留めなくなった。
「何がしたかったんだ!いや、なにか違和感が……」巣出がそのモヤモヤを理解するまで時間はかからなかった。地面を見てそして、察したのだ。
「まさか、水銀!?」
「そのまさかだよ!」体を人間に戻した俺がついに反撃のチャンスを掴んだのだ。
「いやぁでも強かったぜ!お前なら、敗者復活もきっと勝ち進めるぜ!」
俺の最大限の褒め言葉と共に、ハゲの顔面に1発を入れてやった。
「まぁでも、お前にスペクトルがあったら、割とガチで俺も負けてただろうな」
そりゃあそうだ。先程の戦いでの勝者のみ、ここに残っているのだから。
そう思っていたのだが……
「2回戦5試合目!1人目の紹介です!1回戦ではあっさりと中藻を倒してしまいました!おなじみ、前回大会準優勝、最強スペクター!金剛寺!」
歓声が会場を揺さぶり、あまりの衝撃に僕も笑みが零れてしまう。
この感覚が忘れられないから参加していると言っても過言では無い。
ただ、なんというか、やりがいっていうの?そういうのが……なんか……いやだって相手が相手だからなぁ……
「対する相手は、なんでこいつが2回戦に!?スペクターバトルで異例のスペクトル無しの癖に!でも逆に熱い試合を見せてくれ!巣出 近等!」
そう、対戦相手の巣出はスペクトルを持っていないんだ。
スペクトルを持っていない人というのは、この世界において珍しいがいない訳では無い。べつに持っていないからといって、差別されるなんてことも無い。
ただ、こういう場では違う。スペクトルを持っているのが前提レベルな大会において、スペクトルを持っていない?夢みたいな話だと思っていた。
おそらく「なんでこいつが?」と観客は思っているのだろう。
しかし、だからこそ活躍を楽しみにしている人が多いのだろう。
「うおおおおおおおおお!!!!!」会場の熱気を感じる。
その人たちに対してスキンヘッド……ハゲの巣出は顔を輝かせ、笑顔で対応する。
でも、さすがにスペクトル無しで僕に勝てるのか?
だって、俺の体は僕でも敗れない。
「悪いけど、手加減はしない主義なんでね」俺がそう言うと巣出は、
「おっと、私のセリフでもあるからな」
そう言うと、拳を目の前に向かって突き出した。
スペクトル無しだろ?そんなんしても……と思っていたのに……
「うおっ」風が、それもかなりの突風が襲ってきた。
「油断するなよ!」巣出は風に乗って俺の眼前に来ると自分の力に全力を乗せたラッシュをかましてくる。
正直、勝てないかもしれない、なんて思った。体を金属にしても、風で飛ばされるのだ。攻撃のしようがない。
「ちきしょう。このハゲ、おまえなんか持ってんだろ!!」
「持っている訳が無いだろ!面白いなお前!これは鍛えた末の力なんだ!バカにするな!」
以前力は強いまま。
このまま、もう敗者復活に賭けてもいいかもしれない。負けないだろう。
そんなありえない考えを頭に浮かべながらも反撃のチャンスを狙っていた。
「!!!」唐突にスペクトルの活用を見つけた気がした。
「俺のスペクトルは体を金属にすることだ」
「それがどうした!実際のところ、おまえはもうスペクトルを使ってるじゃないか!」
「さっき何とかできねぇか考えてたんだよ。そんでなぁ、掴んだんだよ。体を金属にするってことはよぉ……」
瞬間俺の体はボドボドと地面に落ちていき原型すら留めなくなった。
「何がしたかったんだ!いや、なにか違和感が……」巣出がそのモヤモヤを理解するまで時間はかからなかった。地面を見てそして、察したのだ。
「まさか、水銀!?」
「そのまさかだよ!」体を人間に戻した俺がついに反撃のチャンスを掴んだのだ。
「いやぁでも強かったぜ!お前なら、敗者復活もきっと勝ち進めるぜ!」
俺の最大限の褒め言葉と共に、ハゲの顔面に1発を入れてやった。
「まぁでも、お前にスペクトルがあったら、割とガチで俺も負けてただろうな」
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