年下上司の愛が重すぎる!

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20話

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コンビニに着き、御堂先生の姿を確認してから携帯を鳴らす。コンビニには御堂先生の他にも数人いるため、もしかしたらあの中に先生をつけていた人がいるかもしれない。

『もしもし!』

「御堂先生、コンビニに着きました。先生の後をついていく奴がいないか見たいので、少し遠回りをして家に戻ってもらってもいいですか?」

御堂先生は、きょろきょろと探すような素振りを見せたが、多分こっちのことは暗くて見えないだろう。

『わかりました』

「念の為電話はこのまま繋いでおいてください。不審な人物がいなければ合流します」

『はい。ありがとうございます』


コンビニから出てきた御堂先生に下位式神を飛ばし、暫く観察していたが誰も後を追わなかった。
そのため、式神の気配を辿って御堂先生の元へ向かった。

「御堂先生!」

「姫崎さん!.....と、警部さんも」

声をかけると笑顔で振り返ったが、後ろにいる佐原を見ると一瞬真顔になった。だが、ほんの一瞬で、それこそ見間違いだったような気もする。

「不審な人物はいませんでした」

「そうですか...。やはり私の気のせいでしたね。すみません、わざわざ来ていただいたのに...」

「いえ。私が心配だっただけですので」

抽象的な噂のせいで御堂先生が狙われたとしたら見過ごすことはできない。
だが、なぜか沈黙が落ちてしまった。
なんだ、この空気は。俺のせいか?

「.......姫崎さんって....」

少しして沈黙を破った佐原の表情は、どこか不機嫌そうだ。

「はい?」

「....いえ、なんでもないです」

何も言わなかったが、表情からして何か言いたい事があるのは明白だ。ただ、話すつもりがないのなら無理に聞くことはしない。
よくわからないが腹も減ったし、早く送って帰ろう。

そう考えながら辺りを警戒していると、腕を掴まれた。

「姫崎さん、もしご飯がまだでしたら私の家で食べて行ってくれませんか?お礼もしたいですし」

「いえ。本当にお気になさらず」

「実は...野菜をたくさん頂いて、私一人では食べきれなくて困ってたんです。寒くなってきたんで鍋でもしたいんですけど一人で鍋ってのも寂しくて」

「あー....、ですが....」

「それに、珍しいお酒もあるんです!姫崎さん、お酒好きでしたよね?」

「ええ...。好きですが....」

"珍しいお酒"というワードに心を惹かれてしまったが、外での飲みは禁止させられていた事を思いだして断ろうとした時、

ぐうぅぅー

と、佐原の腹の虫が盛大に鳴った。

再び沈黙が落ちた後、御堂先生が堪えきれずに笑い出す。
なんつータイミングで鳴るんだよ。
じとり、と睨むと佐原は恥ずかしそうに顔を隠した。
お前のお陰でこっちまで恥ずかしいんだが。

「ふふっ、警部さんのお腹は正直ですね」

「....すみません....」

「そうと決まれば早く行きましょう!」

「えっ!?」

いや、行くなんて言ってませんけど!?
ってかこの人意外と力強くね!?

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