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第四章

第86話 繋がる身体-前編- ※

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「随分激しくイッたね。はは、上も下もヨダレまみれ。蕩けきった雌の顔してる。」


 渉の言葉で、自分が絶頂に達した事を理解すると、沸騰しそうな程、顔が熱くなるのを感じた。
 恥ずかし過ぎて、見つめる渉の顔を直視できず、ふいっと顔を背けてぎゅっと目を瞑る。


「や……」

「恥ずかしがんないで、もっとだらしない顔見せてよ。俺だけしか見れない香乃果の雌の顔……はぁ、やばい……マジで堪んない……」


 そう言って渉は私に覆いかぶさると、鎖骨の辺りに入念に吸い付いた。
 渉が吸い付く度に感じるチリッとした痛みも、最早快楽に溺れる私には快感でしかない。
 渉は首筋に唇を這わせ、やわやわと耳を食むと、耳元で熱の篭った声で囁いた。


「はは、もう……俺の唾液とこのの蜜で入口、解れてふやふやだな。」

 渉は先程まで舌で舐っていた蜜口に指を這わせると、そのままくぷっと中指を埋め込んだ。


「っ、あぁぁぁ…………」


 柔らかかった舌とは違う、ゴツゴツと節くれだったものが狭い隘路をズブズブと奥へと入り込んでくる。
 初めて侵入する異物の感覚に違和感を覚えて、無意識に渉の指を締め付けてしまった。


「…っ、キッツ……はぁ、指食いちぎられそ……」


 そう言って渉はナカを拡げるように埋めた指をグチグチと動かし始める。


「っうんんんっ……はぁ、あんっ……」

「は、この…締め付け過ぎ。そんなに俺の指が好きなの?」


 愛おしそうに渉は言うと、今度はナカに埋めた指を出し入れし始めた。
 指を抜き差しする度に、締め付けている柔壁が指に引っかかり、そこからじわりと快感が湧き出す。


「やっ、やぁん!」

「はは、指1本でこんなに乱れちゃって…可愛いなぁ…もう。指、2本に増やしたらもっと気持ち良くなれるかもね。」


 そう言うと同時に厭らしい水音と共に蜜口に差し込まれる指の本数が増える。1本でも狭かった隘路を2本の指でギチギチと押し拡げるようにゆっくりと進んでいく。


「うんっ……はぁぁん…っ……」


 奥へと指が進む度に絡み付く柔肉を刺激して、ビクリと腰が揺れる。
 その様子を目を細めて眺めながら、渉はナカを解すように指をバラバラとうごかした。


「はぁ、だいぶ解れてきた…そろそろもう…1本増やして3本……あぁ、相変わらず…キッツ……」


 そう言うと、ぐぷりともう一本指を埋め込む。
 違和感は増えたが、隘路を押し拡げる質量も変わり、その分快感が大きくなる。


「…何とか入ったけど……んっ…ほんと、キッツいなぁ…まるで、初めてみたいだな。この、あんまり経験ない…とか?……いや、まてよ。これって…もしかして……」


 渉の指をぎゅうぎゅうと締め付ける私に苦笑いを零しながらそう言うと、指を忙しなく動かしていた渉が、何かに気がついたように、ピタリと動きを止めた。


「わ、たる……?」


 与えられていた刺激がなくなり、薄らと目を開けて渉を見上げると、期待と情欲の灯った熱い眼差しで私を見つめる渉と視線が絡まる。
 きゅんとお腹の奥が疼き、思わず物強請るようにナカの渉の指を締め付けると、渉は熱を食んだ蕩けるような声で私に訊ねた。


「この、もしかして……初めて……なのか?」


 真剣な目で見つめられ、恥ずかしさににふいと顔を逸らすと、渉はナカに埋めていた指をくちゅくちゅと動かしながら、甘い声で耳元で囁いた。


「ねぇ、香乃果、答えて?このは……こののココはまだ誰のも受け入れてねぇの?」

「っや……いわ、ないっ……」

「だぁめ。言って?」


 耳たぶをやわやわと食みながら、渉は私を責め立てる。
 私は恥ずかしさと快感にフルフルとかぶりを振った。


「ねぇ……この、お願い…言って?俺がこのの初めてで、俺だけが香乃果のココに挿入はいれるって……」

「ひうっ!!!」


 渉は懇願するようにそう言うと、いきなりどちゅんと指を奥に押し込んだ。

 衝撃で息が止まり、閉じていた目を見開くと、縋るような瞳で私を見つめている渉と視線がかち合った。

 息を吸おうとはくはくと口を動かしていると、渉は私の頬をするりと撫で、そして、蜜壷からずるりと指を引き抜いた。


「ひぁぁぁぁっんっ!!!!」


 指を抜く時に絡んでいた柔肉が引っ張られて、背筋に電気のような快感が走り、ビクリと背筋がしなると、そこに渉は腕を差し入れ私をぎゅうっと抱きしめる。


「なぁ……言えよ…香乃果のココは、俺のものだって……」


 切なげに眉根を寄せた渉は、グズグズに濡れそぼった蜜口に硬くそそり立つ熱杭をグリグリと押し当て、まるで愛を乞うように訴えかける。
 情欲がたっぷり篭もった渉の瞳が、答えを待っていた。

 切なげな渉の瞳に捉えられてしまった私の蜜口からは、トロリと蜜が滴る。なかが疼いて仕方なかった。まだ誰も到達した事の無い私の奥の奥が、刺激を欲しがってぎゅっぎゅっと収縮をして押し当てられた渉自身を誘う。


 渉と繋がりたい……
 渉が欲しい……


 もう誤魔化せない、そう悟った私は緩く首を振ると、渉の望む通りの言葉を告げた。


「……初め、て…だよ……ココに触れるのも……挿入はいるのも……渉が……」


 私の肯定の言葉に渉の表情がぱあっと歓喜の色で染まった。


「ほんと…?ほんと、に……俺が初めて?」


 涙で潤む目を見開いてそう言う渉の言葉に、私はしっかりと頷く。


「うん……正真正銘、渉が初めて……」


 私が言い終わると、渉の目から涙が一筋こぼれ落ちた。


「すっげぇ……嬉しい……マジで嬉しい。初めてじゃなくても、香乃果と繋がれるだけで、十分幸せだと思ってたけど……やべぇなぁ…今、俺めちゃくちゃ幸せだ。」


 そう言って眉根を寄せてポロポロと涙を零しながら笑う渉に、私も胸がいっぱいになって、渉の身体をぎゅうっと抱きしめた。


「うん…私も……私も幸せだよ。こうやって、渉と……」

「っ!香乃果、この!愛してる!マジで好きだ!」

「んっ、んっ!」


 私の言葉を最後まで聞くことなく、渉はそう叫ぶと激しく噛み付くように私の唇を塞いだ。


「ん、はっ……香乃果、この、この……俺の香乃果……」

「あぁんっ……はぁ……わ、わたっ……」

「好き…好き…愛してる……もう、香乃果は……俺のだ……俺だけの…だ…」


 興奮した渉は激しく深いキスの雨を降らせ、その合間に沢山愛の言葉を紡いだ。
 そのストレートでダイレクトな言葉が胸を打ち、私の心をいっぱいにする。
 渉の気持ちが嬉しくて、涙が溢れた。

 やがて激しいキスの雨が止むと、渉は私をぎゅうっと抱きしめて甘い吐息を漏らした。そして、ゆっくりと身体を離すと、熱の篭った瞳で私を見つめて、きゅっと眉根を寄せて苦しそうに言った。


「香乃果、俺……そろそろ…限界。」

「渉……?」


 渉は苦笑すると、私の手をとり、濡れそぼった秘部へ導いた。


「初めての香乃果には、目いっぱい優しくしたい……んだけど……俺も初めてだし……ちょっと、無理、かも。」


 渉は困ったようにそう言うと、私に熱く滾った渉自身をを握らせた。


「…っ!熱い……」


 手の中の渉のそれはドクドクと熱く熱を持ち、そして今にも破裂してしまいそうな程パンパンに張り詰めていた。


「うん。もう、さっきからずっと、香乃果のナカに挿入りたくてガッチガチ……ねぇ、俺のコレ、香乃果のココに挿入れてもいい?」


 そう言って、渉は熱く聳り立つ自身を、渉によって解され蕩け切った蜜口に擦り付けてきた。


「……この、お願い。いいって言って?」


 切なそうにそう言いながら、渉はトロリと蜜を零す蜜壷の入口を熱杭の先端でつんつんとノックすると、私の顔を挟むようにベッドに手をついて、キスを落とした。

 答えを待つように、懇願するような瞳でじっと見つめる渉の視線とかち合うと、自然と口から言葉が零れた。


「…うん。いいよ……私も、渉を受け入れたい…」


 私も………

 胸がいっぱいになって目尻から涙が一筋流れ落ちた。渉は私の言葉に頷くと、溢れた涙を唇で掬うように吸い取り、そして、ふわりと微笑んだ。


「ありがとう。痛かったら、言って?なるべくゆっくりするから……」


 渉は愛おしそうに私の頬をするりとひとなですると、ゆっくりと自身の存在を知らしめるように、固く聳り立つ剛直を、私の泥濘ぬかるんだ蜜壷に埋めていった。


「あぁぁぁ……っ」

「……っく、キッツくて……せ、ま………っは……こ、の……痛く……ない、か…?っ…」


 渉は玉のような汗を額に滲ませて私を気遣うように声を掛けると、ゆっくりと狭い隘路を開いて行くように、少しずつ抽挿しながら柔壁を押し広げて腰を進める。そして、ふぅと息を吐くと、途中でピタリと動きを止めた。


「っふ、す、こし……だけ………違和感の、方が……」


 ジンジンと引連れるような痛みはあった。だけど、痛みよりも出し入れされ擦られる際の気持ち良さが勝っていた。

 初めては凄く痛いと聞いていたが、事前に渉に沢山愛されて解されていたおかげなのか、思っていたよりも痛くなくてちょっと拍子抜けした。

 だけど、先程入っていた指よりも更に太くて硬いものが挿入ってきたのだから、当然と言えば当然なのだが……違和感が凄い。

 初めて異物を受け入れた事による圧迫感と、何かが挟まっているような違和感に少々戸惑いを隠せずそう言うと、渉は何かを耐えるように、深く息を吐いた。


「そ、か……なら、良かった……っ、く……」


 眉根を寄せて辛そうな顔をして渉はそう言うと、私の頭を優しく撫でて、言葉を続けた。


「香乃果……大丈夫なら、俺も限界。この後、ちょっと、だけ…痛いと思うけど、我慢してな……」

「え…な、っ…い、痛っ……!!!!」


 渉はグッと腰を押し付けたかと思うと、一旦腰を引き、そして今度は思い切り奥へと突き入れた。

 ずん、と重たい衝撃と同時に、メリメリブチブチと何かが裂ける音がしたかと思うと、次の瞬間、腰が砕けてしまうのではないかと言う程の激痛が襲い、ヒュッと息が止まった。



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ぎゃー……また終わらなかった。
ねちっこくてごめんなさい┏●
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