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第六章
モテる男の彼女⑧
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オフィスでは、いつも通りの挨拶が返ってくる。
「凛花、おはよう」
「小春、おはよう」
同期の小春は、総務部に所属している。同期の中では一番仲良くしていて、時間が合えばランチを一緒に食べたり、仕事帰りに食事へ行く親友だ。
「最近、残業少ないね」
「うん」
「林さんがいなくなったもんね」
声を潜めて話をする。小春は、全く関わりがないのだが、社内の情報には敏感で、私に色々と教えてくれる。
「そういえば、この前風花が大騒ぎしてたよ」
「そうなの?」
風花も私達の同期で、開発部1課に所属していて、蒼空さんの部下に当たる。
「片桐部長が、林を退治してくれたって」
風花は、林先輩を陰では林と呼び捨てにしていて、林先輩が仕事を振ってもきっぱり断っていたのだ。あの時のフロアの雰囲気が、最悪だったことを思い出す。それでも、時々社内で会話をしている姿を目撃していたので、和解したのだと思っていた。
「あの子、片桐部長にずっと片想いしてるでしょう?」
「ええ!?」
「まさか凛花知らなかったの?」
「うん」
「林さんも片桐部長を追いかけていたし、風花はライバルがいなくなってご機嫌だよ。しかも、課長から部長に昇進したし、理想の人だって言ってたよ」
「……」
蒼空さんのファンはたくさんいても、本気なのは林先輩くらいだと思い込んでいた。風花も蒼空さんのことが好きなら、今以上に注意する必要がある。風花は、林先輩とは違い仕事はきっちりするが、林先輩に負けず劣らずかなり気が強いのだ。美人なのだが、気の強さが顔に出ている。人の好き嫌いもはっきりしていて、言いたいことはズバズバ言うので、後輩からは恐れられているのだ。
もし、私のことがバレたら何を言ってくるかわからない。
同期としては普通に会話はするけれど、入社当時にあった同期会くらいしか、一緒に食事をしたことがない。不仲ではないが、こちらから関わることもなければ、風花から誘われることもない。
「凛花、近々食事でも行こうよ」
「うん」
「連絡するね」
総務部の小春を見送り、自分の席に向かう。頭の中は、先ほど小春に聞いた風花の話がグルグル回っていた。
「凛花、おはよう」
「小春、おはよう」
同期の小春は、総務部に所属している。同期の中では一番仲良くしていて、時間が合えばランチを一緒に食べたり、仕事帰りに食事へ行く親友だ。
「最近、残業少ないね」
「うん」
「林さんがいなくなったもんね」
声を潜めて話をする。小春は、全く関わりがないのだが、社内の情報には敏感で、私に色々と教えてくれる。
「そういえば、この前風花が大騒ぎしてたよ」
「そうなの?」
風花も私達の同期で、開発部1課に所属していて、蒼空さんの部下に当たる。
「片桐部長が、林を退治してくれたって」
風花は、林先輩を陰では林と呼び捨てにしていて、林先輩が仕事を振ってもきっぱり断っていたのだ。あの時のフロアの雰囲気が、最悪だったことを思い出す。それでも、時々社内で会話をしている姿を目撃していたので、和解したのだと思っていた。
「あの子、片桐部長にずっと片想いしてるでしょう?」
「ええ!?」
「まさか凛花知らなかったの?」
「うん」
「林さんも片桐部長を追いかけていたし、風花はライバルがいなくなってご機嫌だよ。しかも、課長から部長に昇進したし、理想の人だって言ってたよ」
「……」
蒼空さんのファンはたくさんいても、本気なのは林先輩くらいだと思い込んでいた。風花も蒼空さんのことが好きなら、今以上に注意する必要がある。風花は、林先輩とは違い仕事はきっちりするが、林先輩に負けず劣らずかなり気が強いのだ。美人なのだが、気の強さが顔に出ている。人の好き嫌いもはっきりしていて、言いたいことはズバズバ言うので、後輩からは恐れられているのだ。
もし、私のことがバレたら何を言ってくるかわからない。
同期としては普通に会話はするけれど、入社当時にあった同期会くらいしか、一緒に食事をしたことがない。不仲ではないが、こちらから関わることもなければ、風花から誘われることもない。
「凛花、近々食事でも行こうよ」
「うん」
「連絡するね」
総務部の小春を見送り、自分の席に向かう。頭の中は、先ほど小春に聞いた風花の話がグルグル回っていた。
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