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第二一話 祈りの言霊
第二一話 三
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あかりがそう思ったのも束の間、結月は小さくため息をついた。多少は容姿に引っ張られているのか、この姿の結月は普段よりも感情が分かりやすい。
「どうしたの?」
結月はちらりとあかりを上目遣いで見た。
「……あかりには、敵わないなって、思った」
「え? 何の話?」
今の話の流れでどこをどうしたらそうなるのか。あかりにはさっぱりわからない。あかりがこてんと首を傾げると結月はますます弱ったように瞳を揺らした。
「……本当は、おれが『大丈夫だよ』って言いたいのに。……抱きしめたいのに……」
「それならさっき……」
結月はあかりの言葉を遮るように首を強く左右に振った。
「この姿じゃなかったら、良かったのに……」
「そう? 私は気にしないよ? だって、どんな姿でも結月は結月なんだから」
結月がどうしてこんなにも落胆しているのか、やはりあかりにはわからなかったが、少しでも結月の気が晴れるようにとあかりは明るく笑いかけた。
結月は虚を突かれたように目を丸くすると、今度は僅かに頬を染め、目を落とした。
「あかりは、ずるい。そんなこと、笑顔で言われたら、もう何も言えない……」
「ね、元気出た?」
結月が頷くと、あかりは満足げな笑みを浮かべた。
そんなやりとりをしているうちに茶器を持った昴が戻ってきた。
「お待たせ」
「あ、昴!」
「おかえり」
「ただいま。秋くんたちが来るにはまだ時間がかかりそうだし先にお茶してようか」
昴は三人分の湯飲みに急須から緑茶を注いで、それをめいめいの前に置いた。
昴は湯飲みに口をつけて「それにしても……」と呟きながらちらりと結月を見た。
「どうしたの?」
結月はちらりとあかりを上目遣いで見た。
「……あかりには、敵わないなって、思った」
「え? 何の話?」
今の話の流れでどこをどうしたらそうなるのか。あかりにはさっぱりわからない。あかりがこてんと首を傾げると結月はますます弱ったように瞳を揺らした。
「……本当は、おれが『大丈夫だよ』って言いたいのに。……抱きしめたいのに……」
「それならさっき……」
結月はあかりの言葉を遮るように首を強く左右に振った。
「この姿じゃなかったら、良かったのに……」
「そう? 私は気にしないよ? だって、どんな姿でも結月は結月なんだから」
結月がどうしてこんなにも落胆しているのか、やはりあかりにはわからなかったが、少しでも結月の気が晴れるようにとあかりは明るく笑いかけた。
結月は虚を突かれたように目を丸くすると、今度は僅かに頬を染め、目を落とした。
「あかりは、ずるい。そんなこと、笑顔で言われたら、もう何も言えない……」
「ね、元気出た?」
結月が頷くと、あかりは満足げな笑みを浮かべた。
そんなやりとりをしているうちに茶器を持った昴が戻ってきた。
「お待たせ」
「あ、昴!」
「おかえり」
「ただいま。秋くんたちが来るにはまだ時間がかかりそうだし先にお茶してようか」
昴は三人分の湯飲みに急須から緑茶を注いで、それをめいめいの前に置いた。
昴は湯飲みに口をつけて「それにしても……」と呟きながらちらりと結月を見た。
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