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第3章 淫武御前トーナメントの章
67話 ラストバトル1♥(お互いの痴態を見つめ合って陵辱されるナツキと翔子)
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67話 ラストバトル1♥(お互いの痴態を見つめ合って陵辱されるナツキと翔子)
「いいかエリナ、一芝居打て。鏡から出たら真っ先にナツキを堕とす。油断させるために俺が負けたことにする。隙を見計らってMARS打ち込んで、そんで大会は終わりだ」
鏡の世界から出る間際、龍司は、言葉通りの肉便器へと変えたエリナに言った。
くいっ……、と吊されたような頭を僅かに下げて返事をしたエリナ。
その瞳には全くと言っていいほど生気が感じられず、光が失われていた。
声が届いているのかすら怪しい。
だが龍司にとっては、目が見えていようがいまいが、声が聞こえてようがいまいがどちらでも良かった。
芝居にならなかったとしても、女友達の変わり果てた姿を見たナツキは、駆け寄り安否を確認するだろう。動揺もするだろう。
その隙に、ナツキにMARSを打ち込む。
――どちらに転んでもゲームオーバーだ。
勝利の絵図を確認し終えると、龍司はエリナの後ろに立ち、拘束されているとアピールするため、腰の前でいつでも外れる手錠を嵌めて光の壁を通り抜ける。
その瞬間だった。
「グァアアァ゛ァ゛――ッ゛!?」
声が殺され、激痛が走った。
声が掻き消えたか、痛みが先か分からない分別の付かないダメージに龍司は襲われたのだ。
痛みに引かれて喉を触ろうとするが、拘束が邪魔をして確認すら出来ない中――、
ズヂャッ! 拘束具もろとも左手前腕が転げていった。
見開いた目で追い掛けると、千切れた腕のすぐ傍らに、綺麗にくりぬかれた喉仏が檜床材の上に転がっている。
それだけではない、向かい風が吹き、追い風がやってくる度に、ビヂッ! ビヂュ! とミキサーに巻き込まれたように肉片が散っていく。
「ながっ、なギッ!? ――ぎびっ!?」
何が起きたのか分からないままの龍司の心臓に、とどめとばかりにグヂュッ!
ミンチを落としたような、そんな汚い音を鳴らしてクナイが突き刺さる。
「ごぶっ……、う」
まるで突如現れた竜巻に飲まれた、そんな天災に見舞われた気分だった。
「死ねっ! ……チッ!?」
戦鬼のような女が、大太刀を振り下ろしてきて、
――死ぬっ……。
龍司の脳裏に絶命が過ったところで、女は舌打ちと同時に大きく横へと飛び退いた。
「な、ナツキィ、ず、ずいぶんひでぇじゃねぇかよぉ……い、痛ぇなぁ…………」
龍司に襲い掛かってきたのは、ナツキだった。
それも鏡から出るなり襲い掛かってきたのだ。
何も確認せず、有無を言わさず、エリナを肉奴隷に変えたことを見抜いたように襲い掛かってきたのだ。
――危なかった。一歩間違えば死んでいた。
400年生きてきた中で、これほどの窮地は過去に一度、翔子がキレて襲い掛かってきた時以来だ。
だが、大丈夫だ。再生させる意思さえあれば、回復出来る。
龍司は肉体を再生させていく。
「エリナ。避けて。邪魔だよ」
龍司の窮地を救ったのは、命令に従えるのかも怪しい虚ろなエリナだった。
エリナをあいだに挟んで、龍司とナツキは睨み合っていた。
感覚無くす無敵の防御〝無感”。
感情無くして容赦無しに搾り取る〝淫遁”。
気配を無くし忍び寄るテレポート〝影遁”。
一つ一つが厄介な力だというのに、ナツキはそれらを併せ持って龍司に襲い掛かったのだ。
それも手枷で拘束されたままの龍司にだ。
雌雄が決しても何ら不思議ではなかった。
「おぉーいてっ……。このバケモンがぁ。あぁーマジでいてぇ……。エリナ……、戦おうとすんなよ。そいつまじでやべぇぞ。身籠もった子ども諸共殺されちまうぞ」
「はい。わかりました」
「身籠もった? どうゆうこと? だいたいなんでそんな男なんかに腰が低いの?」
教師や、目上の人間にさえ礼儀を知らないエリナの従順とも取れる態度にナツキは訝しげに尋ねる。
が、エリナには言葉を返す素振りさえない。
「お前とは口も聞かねぇってよ。オレ様のちんぽに堕ちちまってるからな。――おいナツキ。どうやって見抜いた。捕らえてるのが芝居だってどうやって見抜いた? 鏡から出るなり襲って来やがって……」
「見抜いてなんてない。生け捕りにする必要が無いからトドメを刺そうとしただけだ。――今度こそトドメを刺す。――エリナが邪魔しても今度こそ殺す」
……無感情。殺気を向けられているのとは明らかに違う。
殺気ならばその鋭さで、相手の力量が計れるものだ。
しかし、無から向けられるとなると予測すら立てられなかった。
先手を読めば読むほどに、予測の付かない不安に恐怖心を煽られる。
殺気が読めないなど今まで起きえなかった事態なだけに、龍司にとってそのスリルは小さなものではなかった。
「あぁーこりゃマモンじゃ仕留め損ねるわなぁ。意識を無にして斬り掛かられる。感情を無にして搾り取られる。小金井のところのロボットみてぇだな。――だがどうだぁ? 翔子も見捨てんのか?」
「オネエはお前が消えることを、淫魔が消えることを望んでいる」
「望んでねぇだろ? 樽男に愛されることをのぞんでんじゃねぇかぁ~~ああああ?」
「……そうかも知れないね」
「分かってんなら武器収めろや。俺の子ども産めや」
僅かにうつむいたナツキは、……フンッ、と鼻で笑った。
「私の主は健在だったオネエだ。オネエが敵に堕ちたなら、オネエが健在だった時の命令に、――黙って従うまでだ!」
指と指のあいだに忍ばせていた4枚のクナイを、ナツキはアンダースロー投法のようにしゃくり投げる。
ス、ス、ス、スンッ!
影縫い用のクナイが1本、毒を忍ばせたクナイが1本、それらを操るための影を作るクナイが2本。瞬時に手裏剣一枚一枚の役目を確認して、龍司は距離を取るが――、
「ぅあっ!?」
ナツキの放ったクナイが獲物を捕らえる。
しかし餌食になったのは、龍司ではなく、戦意のないエリナだった。
「なにぃい? ……なに!?」
龍司に戦うなと言われ無抵抗になっていたエリナが刺された。
と思ったところで、ナツキがエリナを小さなブラックホールへ吸い込ませたのだ。
「そういうことか……」
ナツキの狙いに気付いたようで、龍司は逃げるのをやめた。
「ゲートにエリナを閉じ込めたのか? 人質に使われねぇように」
「違う。2対1だと不利になるからだ」
「なるほどなぁ。あくまで感情は無いってか。無いなら確かにそれが正解だ。だが果たして本当に完全に消せているのか? なぁ樽男!」
フワアアアァンッ……、とエリナ達が出てきた鏡が薄ぼやけた光を放つ。
その薄く濁った鏡面に目を向け、ナツキは唇に噛み付いた。
濁りが薄まっていく鏡面に、裸に剥かれたオネエの姿が映し出されてナツキは叫びそうになる。
無理に抑えつけたせいでぐぅ、と詰まった呻きが漏れた。そんなオネエのすぐ後ろには樽男の姿が――。
それもどういったつもりかパンパンパンパン、と後ろから急かすように腰を打ちつけている。
「や、やめなさっ、あ、あぁあっ!?」
天井から伸びた2本のチェーンに両手を広げさせられた女医モードのオネエが、床の金具に股も開いた状態で固定されての大の字を強制されていた。
そして、その無防備な体を後ろから激しく突かれていたのだ。
「オネェエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
一度堪えたナツキであったが、犯されているオネエの姿に耐えられなくなって、いても立ってもいられず叫んでしまう。
その声が聞こえたのか、叫んだ瞬間、鏡を挟んでオネエと目が合った。
「な、なつきちゃんっ、た、たおしてっ! 龍司をっ、倒してっ! あ、あなたなら勝てウァンッ!?」
バヂュンッ!!
オネエを黙らせるように、全力の尻叩きと言わんばかりに樽男が腰を打ち据えた。
そして、オネエの肩から覗き込むように、盗撮マニアさながらの瞬き知らずの目で樽男が見詰めてくる。
「グッ、樽男っ……、いますぐ――っ!?」
――殺してやる、ナツキが言い放とうとしたところで、耳元に囁かれた。
「はい感情復活――」
鏡を見ていただけ。油断なんて微塵も無かった……筈。
にもかかわらず、龍司の手の平がナツキの乳房の表面に添えられ、ショーツの上に這わされていた。
まるでお気に入りのスポブラとショーツののように肌に馴染みすぎる手の平に、触れられていると気付いても異変として感知出来なかった。
「……ぐっ!」
「おっと危ねっ!」
違和感ないまでも、慌てて太ももに隠しておいたクナイで斬り上げた。
だが軽い身のこなしで避けられてしまう。
「くっ……」
「てっきり大太刀でトドメを刺しにくると思ったが?」
分かっていて聞いているのだろう、大太刀を振るう余裕なんてないことを。
着衣越しに、それも綿の繊維だけを羽毛よりも軽やかな感触で触れられただけ。
にもかかわらず乳房がピンッと張り詰めてしまい、陰唇も震えてしまっている。
――こいつは淫魔の親。弱い筈がなかった。
「やっぱ、どの術も使いこなせてねぇな。上手く使えたときと使えなかったときの差が処女と痴女以上にありやがる」
「黙れっ! ……よくもオネエをっ!」
腕先がビリビリ震えていることも忘れて、大太刀を召喚するなり全力で斬り掛かった。
ガタンッ……、ガタ、ガタンッ――。
一刀両断にしようと振り上げた手首が、なにかに掴まれ、ただでさえ力の入らなかった手の平からさらに力が抜けて、ナツキは大太刀を落下させてしまう。
後ろに回りこんでいた龍司に、手首を一つに括られ握り締められていた。
な、なんで……、抵抗出来ないっ……、力さえ入らないんだっ……。
思うナツキの心を読んだように、龍司が囁く。
「力が使えねぇと処女だって言ったろ?」
言いながら空いているほうの腕を、大蛇のように身体中に這わせてくる。
手の平は一切使わずに、前腕をにゅるにゅるっ……、と臍の上を左から右へと滑り抜けていった。
たったそれだけのことだというのに、子宮がじんわりと熱を持ち、吐息が乱れてしまう。
「っ、うっ……」
「お前みたいな危ない女は殺してしまったほうがいい、と本気で思っていた。だが気に入った。……生かしておいてやる。上手く躾けられたらエリナ以上の優秀な子作りモルモットになるだろうからな」
「なにを、かってなっ……」
「そう言ってもここは準備が出来てるな」
言いながらこちょっ……こちょっ……と人差し指で臍の回りを散歩するように擦られた。悪ふざけとしか思えない指使い。だというのに熱の籠もっていた子宮の動きがどっくん、どっくん、と活発になっていく。
な、んでっ……。
関節の隆起の少ないスラリとした指、それが柔らかい秒針のようにねっとり撫でてくるだけで、狂おしい脈動に子宮から愛液が押し出されて、膣の中を舐めながらに下り落ちていく。
(なんでっ、こ、こんなぁ……っ、こ、こんなに差が……、あ、あるわけっ、ないっ……、なにかトリックがっ……)
ナツキは肌に触れられただけでは起きえない、まるで性感帯の周囲を徹底的に擽られ、焦らされているような発情に苛まれていた。
精液を受け止めようとして、子宮口が開いてしまうくらいの発情。お遊びとも取れる指使いでどれだけ熟れたのかを確認するように、龍司の腕が下半身へと伸びていく。
「うううっ……」
太ももを囲うように這ってくる手の平に、
ゾクゾクッ……、と股のあいだが痺れた。
左右の太ももの回りを∞を描くようにしつこく撫でられて、踏ん張りの利かない足が股を広げていってしまう。まるで龍司を誘うように。
「や、や、やめっ…………」
臍の上から子宮を炙った指が、またもや臍へと上ってきて、発情で生まれた汗を吸いながら、股のあいだへと滑り落ちていく。
「っ、んぅうっ……」
ナツキの汗で指頭を濡らした指が、するんっ……、とショーツの中へと入り込む。
その様子をナツキは黙って見詰めていた。
拒絶の声をあげるのを諦めて、喘ぎ声を抑えることに集中したのだ。
ひんやりとした外気に恥部を撫でられただけで、どれだけ濡れ湿っているのかを知ってしまったのだ。
「やめて」と拒絶を口にする段階はとっくに過ぎ去っていると知ったのだ。
喘ぎ声を抑えることに集中しないと、どれほどまでの媚び甘えた声が飛び出すかも分からない。
それほどまでに濡れていて、乱れる姿を思い浮かばせたナツキは、腹をくくって声の我慢に努めたのだ。
ぐぢゅりぃぃぃいいいっ……。
「ぅ、う、ぅう、あ、あぁ、あああああっ……」
クリトリスには触れず、ただ無造作に指先が膣の中へと入り込んできた。
細い氷柱のように冷たい指に、膣肉が驚いて、キュキュン! と隙間なしに締め付ける。
「っうあぁああ……あぁあ…………ぁあ……」
熱いほうから冷たいほうへと移動する熱の摂理に従って、熱々の膣肉が、龍司の指を締め付けながらに絡み付く。
ま、まずいっこれっ、ゆ、指に吸い付いてるみたいにっ! だ、だめっ、こ、これっ、ぅう、あ……あああっ!
ヒクンヒクンヒクンヒクンッ、と小刻みに収縮して、入れられて放置されているだけで達してしまいそうになる。
「あぅ、あ、あぅう、ぅうあ、あぁアアッ!!ダメッ!!! ンッ!!? ンアンッ!?」
一際大きな嬌声を上げて、身体を弓なりに反らしてしまう。
い、逝っちゃっ……たっ……。
入れられているだけで達してしまって、絶頂硬直の直後、カクン、と力なく俯いて、ナツキは絶望に表情を凍てつかせる。
喘いでしまうことを避けたかった。
こうもやすやすと逝かされることは、もっと避けねばならなかった。
だがそれ以上に避けたいことがあった。
指を入れられただけで達する姿を、オネエに見られたく無かった。
愛撫でも何でもない指入れなんかで逝かされてしまう姿を見られたく無かった。
ナツキは俯いたまま、悔しさに唇を震わせていた。
(く……っ……そぉ…………ぅ……え――?)
「あっ! あ! だ、だめっ、だめよっ、ま、またっ、アァアアアアアアッ!!」
快楽に酔ったオネエの声に絶頂の余韻が掻き消えて、ナツキは鏡の中へと視線を向けた。
尻を突き出したままのオネエが立ちバックでバンバン腰を打ち据えられている。
カリ首に掻き出された愛液が、股のあいだに女蜜の池を作っていた。
何度も達した証明の絶頂液だった。
まだ吐き出し足りないようで、ピストンの度に愛液が湯水の如く掻き出されている。
「お、……おね、えぇ……」
快楽によって発情汁を垂れ流しているオネエ。
言葉では拒絶していても、それが本心ではないことをナツキは知っていた。
ナツキと翔子は何度もレズプレイやフタナリプレイで肌を重ねた仲なのだ。
ナツキの愛撫で喘ぐ顔とは違う表情、
相手が男でないとしえない翔子の表情を、ナツキはこの時初めて見てしまったのである。
「あっ、アァアッ、い、いくっ……っ、い、いくっ……、せ、せんせいっ、またっ、またイクゥウウウウウウウッ!!」
樽男に向かってまるでビンッと跳ねるようにオネエは背筋を反り返した。
ナツキが瞬き忘れて魅入っていると、あろうことか絶頂の余韻に流されるままに肩越しに樽男とキスまで始めたのだ。蕩けた遠い目で見詰めながらに。
「まぁ、あっちはあっちで楽しんでるようだから我慢する必要はねぇよ……って、我慢する気のねぇマンコだな。ぐちゃぐちゃになってやがる」
龍司の台詞が右耳から左耳へと抜けていった。そんな放心状態にあるナツキだったが、手首を掴まれ、鏡の前で膣内を弄くられるとたちどころに喘ぎ出す。
「あぁあっ、い、いやっ、あ、あぁあんっ! あんっ!」
一枚の鏡の壁を隔てて、オネエと同じ立ちバックの体勢にさせられ、ブビィッ、ブボッ、ブビィッ! 鍵になったり、ピースになったりした指が、空気を練り込みながらに弄くってくる。羞恥心で心を壊すように甚振ってくる。
「い、いやっ、いやっあ、あ、あっ、変な音やめてぇっ!」
「やめてやろうか?」
「えっ…………ちょ、ちょっとっ!」
弄くっていた指が止まって、安堵したのも束の間、カチャカチャとベルトが鳴る音が聞こえたのだ。
入れられる!?
……こんな状態で?
どういうつもり……?
オネエに見られている状況での挿入ではある。
しかし、入れられるタイミングが今なら絶対堕ちない。
弄ってきた指は、病み付きになるような弄り方をしてきた。
この指に焦らされようものなら、欲しくてたまらなくなっていただろう。
自ら挿入を懇願していただろう。
懇願して与えられるなら、簡単に堕とされていただろう。
しかし、このタイミングで挿入されても絶対堕ちない。
たとえ逝かされたとしても、堕ちはしない。
挿入以上に欲するモノなどないのだ。
そう、挿入されている以上、それ以上の求めを言葉にすることはない。
……チャンスだ。
実力では負けていない。
堕ちさえしなければ逆襲できる。
この考えがどれだけ浅はかだったのかを、ナツキは、グボッ! と亀頭を飲み込まされて、いやというほど思い知らされるのであった。
「んぉ、ほ、ほ……お、おっ…………んぉ、ほ……ぉ……」
亀頭を飲み込まされた分だけ、唇が鏡へと突き出た。
蛸のように情けない顔を、オネエに向かって晒してしまっていた。
しかし、羞恥心を感じる余裕なんてこれっぽっちもなかった。
龍司の細い指にさえ膣肉が蠢いて、激しく摩擦を生みだし絶頂してしまったくらいなのだ。おちんちんが入ってこようものなら、我が身を無視してしがみ付くに決まっていた。
ぐにゅぐにゅ蠢いた膣肉が、亀頭の表面を必死に貪ろうとして、おまんこの中がムズムズして気が狂いそうになる。
どろんどろんの愛液が深い挿入を求めてフェロモンを垂れ流す。
熟した果肉のような匂いと感触の膣肉をしっかり味わうように、ぐぢゆ、ぐぢゆ、と食すようにおちんちんが入り込んでくる。
「はぁ、あ、あ♥ あぁあああああぁああ、あ、アァンッ♥」
ぢゅぐりぢゅぐりと入り込んで来るも、鈍重な動きのせいか、まだ全てを収め切れていない。
まだ一回のストロークも終えていない。
なのに、何度も逝っていた。
一センチ進む度に二回は逝っていた。
「んあ!♥ あ、はっ♥ あ、あぁあ、あ、あぁ♥ ああぁあああんっ♥」
ぢゆ、ぢゅぢゅ……ぢゅ……ぢゅぶんッッ――
「ひっ、いっ、ひゃ、……ひゃっと、じぇんぶ、は、はいったぁ…………♥」
龍司のモノを全て受け止めて、知った。
焦らす必要なんて一切無いから焦らさなかったのだと。
パンパンパンパンッ、腰を振られて、あんあんあんあん、龍司のリズムにひたすら喘がされて気付いた。
どう足掻いても、この快楽に抗えないと。
それを、目の前のオネエに喘ぎながらに伝えていた。
「あっ、あ、あっ! い、いくっ、お、おねえっ、い、いくっ、あ、あぁあんっ!! ごごめんまたっいくぅうううっ!!」
ガクンッ、と鏡に額をぶつけてしまう急な脱力を何度も繰り返した。
崩れそうになると後ろから抱え上げられて、背面駅弁でビンビンに立ったクリトリスと、接合をまる見えにされ、ドンッ! と腰を突き上げられた。
そして腰の落下目掛けて、バヂュンッ! と腰を突き上げられた。
バヂュンッバヂュンバヂュンバヂュンッ!
「あ、あぁっ、あひぃ、も、もうらめぇっ、らめぇ、あっ、もうらめぇええっ、っアァアアアアッ!!」
お互いの痴態を見つめ合いながら、ナツキは龍司に逝き狂わされ、そして、その目の前では翔子が樽男に逝き狂わされるのであった。
「いいかエリナ、一芝居打て。鏡から出たら真っ先にナツキを堕とす。油断させるために俺が負けたことにする。隙を見計らってMARS打ち込んで、そんで大会は終わりだ」
鏡の世界から出る間際、龍司は、言葉通りの肉便器へと変えたエリナに言った。
くいっ……、と吊されたような頭を僅かに下げて返事をしたエリナ。
その瞳には全くと言っていいほど生気が感じられず、光が失われていた。
声が届いているのかすら怪しい。
だが龍司にとっては、目が見えていようがいまいが、声が聞こえてようがいまいがどちらでも良かった。
芝居にならなかったとしても、女友達の変わり果てた姿を見たナツキは、駆け寄り安否を確認するだろう。動揺もするだろう。
その隙に、ナツキにMARSを打ち込む。
――どちらに転んでもゲームオーバーだ。
勝利の絵図を確認し終えると、龍司はエリナの後ろに立ち、拘束されているとアピールするため、腰の前でいつでも外れる手錠を嵌めて光の壁を通り抜ける。
その瞬間だった。
「グァアアァ゛ァ゛――ッ゛!?」
声が殺され、激痛が走った。
声が掻き消えたか、痛みが先か分からない分別の付かないダメージに龍司は襲われたのだ。
痛みに引かれて喉を触ろうとするが、拘束が邪魔をして確認すら出来ない中――、
ズヂャッ! 拘束具もろとも左手前腕が転げていった。
見開いた目で追い掛けると、千切れた腕のすぐ傍らに、綺麗にくりぬかれた喉仏が檜床材の上に転がっている。
それだけではない、向かい風が吹き、追い風がやってくる度に、ビヂッ! ビヂュ! とミキサーに巻き込まれたように肉片が散っていく。
「ながっ、なギッ!? ――ぎびっ!?」
何が起きたのか分からないままの龍司の心臓に、とどめとばかりにグヂュッ!
ミンチを落としたような、そんな汚い音を鳴らしてクナイが突き刺さる。
「ごぶっ……、う」
まるで突如現れた竜巻に飲まれた、そんな天災に見舞われた気分だった。
「死ねっ! ……チッ!?」
戦鬼のような女が、大太刀を振り下ろしてきて、
――死ぬっ……。
龍司の脳裏に絶命が過ったところで、女は舌打ちと同時に大きく横へと飛び退いた。
「な、ナツキィ、ず、ずいぶんひでぇじゃねぇかよぉ……い、痛ぇなぁ…………」
龍司に襲い掛かってきたのは、ナツキだった。
それも鏡から出るなり襲い掛かってきたのだ。
何も確認せず、有無を言わさず、エリナを肉奴隷に変えたことを見抜いたように襲い掛かってきたのだ。
――危なかった。一歩間違えば死んでいた。
400年生きてきた中で、これほどの窮地は過去に一度、翔子がキレて襲い掛かってきた時以来だ。
だが、大丈夫だ。再生させる意思さえあれば、回復出来る。
龍司は肉体を再生させていく。
「エリナ。避けて。邪魔だよ」
龍司の窮地を救ったのは、命令に従えるのかも怪しい虚ろなエリナだった。
エリナをあいだに挟んで、龍司とナツキは睨み合っていた。
感覚無くす無敵の防御〝無感”。
感情無くして容赦無しに搾り取る〝淫遁”。
気配を無くし忍び寄るテレポート〝影遁”。
一つ一つが厄介な力だというのに、ナツキはそれらを併せ持って龍司に襲い掛かったのだ。
それも手枷で拘束されたままの龍司にだ。
雌雄が決しても何ら不思議ではなかった。
「おぉーいてっ……。このバケモンがぁ。あぁーマジでいてぇ……。エリナ……、戦おうとすんなよ。そいつまじでやべぇぞ。身籠もった子ども諸共殺されちまうぞ」
「はい。わかりました」
「身籠もった? どうゆうこと? だいたいなんでそんな男なんかに腰が低いの?」
教師や、目上の人間にさえ礼儀を知らないエリナの従順とも取れる態度にナツキは訝しげに尋ねる。
が、エリナには言葉を返す素振りさえない。
「お前とは口も聞かねぇってよ。オレ様のちんぽに堕ちちまってるからな。――おいナツキ。どうやって見抜いた。捕らえてるのが芝居だってどうやって見抜いた? 鏡から出るなり襲って来やがって……」
「見抜いてなんてない。生け捕りにする必要が無いからトドメを刺そうとしただけだ。――今度こそトドメを刺す。――エリナが邪魔しても今度こそ殺す」
……無感情。殺気を向けられているのとは明らかに違う。
殺気ならばその鋭さで、相手の力量が計れるものだ。
しかし、無から向けられるとなると予測すら立てられなかった。
先手を読めば読むほどに、予測の付かない不安に恐怖心を煽られる。
殺気が読めないなど今まで起きえなかった事態なだけに、龍司にとってそのスリルは小さなものではなかった。
「あぁーこりゃマモンじゃ仕留め損ねるわなぁ。意識を無にして斬り掛かられる。感情を無にして搾り取られる。小金井のところのロボットみてぇだな。――だがどうだぁ? 翔子も見捨てんのか?」
「オネエはお前が消えることを、淫魔が消えることを望んでいる」
「望んでねぇだろ? 樽男に愛されることをのぞんでんじゃねぇかぁ~~ああああ?」
「……そうかも知れないね」
「分かってんなら武器収めろや。俺の子ども産めや」
僅かにうつむいたナツキは、……フンッ、と鼻で笑った。
「私の主は健在だったオネエだ。オネエが敵に堕ちたなら、オネエが健在だった時の命令に、――黙って従うまでだ!」
指と指のあいだに忍ばせていた4枚のクナイを、ナツキはアンダースロー投法のようにしゃくり投げる。
ス、ス、ス、スンッ!
影縫い用のクナイが1本、毒を忍ばせたクナイが1本、それらを操るための影を作るクナイが2本。瞬時に手裏剣一枚一枚の役目を確認して、龍司は距離を取るが――、
「ぅあっ!?」
ナツキの放ったクナイが獲物を捕らえる。
しかし餌食になったのは、龍司ではなく、戦意のないエリナだった。
「なにぃい? ……なに!?」
龍司に戦うなと言われ無抵抗になっていたエリナが刺された。
と思ったところで、ナツキがエリナを小さなブラックホールへ吸い込ませたのだ。
「そういうことか……」
ナツキの狙いに気付いたようで、龍司は逃げるのをやめた。
「ゲートにエリナを閉じ込めたのか? 人質に使われねぇように」
「違う。2対1だと不利になるからだ」
「なるほどなぁ。あくまで感情は無いってか。無いなら確かにそれが正解だ。だが果たして本当に完全に消せているのか? なぁ樽男!」
フワアアアァンッ……、とエリナ達が出てきた鏡が薄ぼやけた光を放つ。
その薄く濁った鏡面に目を向け、ナツキは唇に噛み付いた。
濁りが薄まっていく鏡面に、裸に剥かれたオネエの姿が映し出されてナツキは叫びそうになる。
無理に抑えつけたせいでぐぅ、と詰まった呻きが漏れた。そんなオネエのすぐ後ろには樽男の姿が――。
それもどういったつもりかパンパンパンパン、と後ろから急かすように腰を打ちつけている。
「や、やめなさっ、あ、あぁあっ!?」
天井から伸びた2本のチェーンに両手を広げさせられた女医モードのオネエが、床の金具に股も開いた状態で固定されての大の字を強制されていた。
そして、その無防備な体を後ろから激しく突かれていたのだ。
「オネェエエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
一度堪えたナツキであったが、犯されているオネエの姿に耐えられなくなって、いても立ってもいられず叫んでしまう。
その声が聞こえたのか、叫んだ瞬間、鏡を挟んでオネエと目が合った。
「な、なつきちゃんっ、た、たおしてっ! 龍司をっ、倒してっ! あ、あなたなら勝てウァンッ!?」
バヂュンッ!!
オネエを黙らせるように、全力の尻叩きと言わんばかりに樽男が腰を打ち据えた。
そして、オネエの肩から覗き込むように、盗撮マニアさながらの瞬き知らずの目で樽男が見詰めてくる。
「グッ、樽男っ……、いますぐ――っ!?」
――殺してやる、ナツキが言い放とうとしたところで、耳元に囁かれた。
「はい感情復活――」
鏡を見ていただけ。油断なんて微塵も無かった……筈。
にもかかわらず、龍司の手の平がナツキの乳房の表面に添えられ、ショーツの上に這わされていた。
まるでお気に入りのスポブラとショーツののように肌に馴染みすぎる手の平に、触れられていると気付いても異変として感知出来なかった。
「……ぐっ!」
「おっと危ねっ!」
違和感ないまでも、慌てて太ももに隠しておいたクナイで斬り上げた。
だが軽い身のこなしで避けられてしまう。
「くっ……」
「てっきり大太刀でトドメを刺しにくると思ったが?」
分かっていて聞いているのだろう、大太刀を振るう余裕なんてないことを。
着衣越しに、それも綿の繊維だけを羽毛よりも軽やかな感触で触れられただけ。
にもかかわらず乳房がピンッと張り詰めてしまい、陰唇も震えてしまっている。
――こいつは淫魔の親。弱い筈がなかった。
「やっぱ、どの術も使いこなせてねぇな。上手く使えたときと使えなかったときの差が処女と痴女以上にありやがる」
「黙れっ! ……よくもオネエをっ!」
腕先がビリビリ震えていることも忘れて、大太刀を召喚するなり全力で斬り掛かった。
ガタンッ……、ガタ、ガタンッ――。
一刀両断にしようと振り上げた手首が、なにかに掴まれ、ただでさえ力の入らなかった手の平からさらに力が抜けて、ナツキは大太刀を落下させてしまう。
後ろに回りこんでいた龍司に、手首を一つに括られ握り締められていた。
な、なんで……、抵抗出来ないっ……、力さえ入らないんだっ……。
思うナツキの心を読んだように、龍司が囁く。
「力が使えねぇと処女だって言ったろ?」
言いながら空いているほうの腕を、大蛇のように身体中に這わせてくる。
手の平は一切使わずに、前腕をにゅるにゅるっ……、と臍の上を左から右へと滑り抜けていった。
たったそれだけのことだというのに、子宮がじんわりと熱を持ち、吐息が乱れてしまう。
「っ、うっ……」
「お前みたいな危ない女は殺してしまったほうがいい、と本気で思っていた。だが気に入った。……生かしておいてやる。上手く躾けられたらエリナ以上の優秀な子作りモルモットになるだろうからな」
「なにを、かってなっ……」
「そう言ってもここは準備が出来てるな」
言いながらこちょっ……こちょっ……と人差し指で臍の回りを散歩するように擦られた。悪ふざけとしか思えない指使い。だというのに熱の籠もっていた子宮の動きがどっくん、どっくん、と活発になっていく。
な、んでっ……。
関節の隆起の少ないスラリとした指、それが柔らかい秒針のようにねっとり撫でてくるだけで、狂おしい脈動に子宮から愛液が押し出されて、膣の中を舐めながらに下り落ちていく。
(なんでっ、こ、こんなぁ……っ、こ、こんなに差が……、あ、あるわけっ、ないっ……、なにかトリックがっ……)
ナツキは肌に触れられただけでは起きえない、まるで性感帯の周囲を徹底的に擽られ、焦らされているような発情に苛まれていた。
精液を受け止めようとして、子宮口が開いてしまうくらいの発情。お遊びとも取れる指使いでどれだけ熟れたのかを確認するように、龍司の腕が下半身へと伸びていく。
「うううっ……」
太ももを囲うように這ってくる手の平に、
ゾクゾクッ……、と股のあいだが痺れた。
左右の太ももの回りを∞を描くようにしつこく撫でられて、踏ん張りの利かない足が股を広げていってしまう。まるで龍司を誘うように。
「や、や、やめっ…………」
臍の上から子宮を炙った指が、またもや臍へと上ってきて、発情で生まれた汗を吸いながら、股のあいだへと滑り落ちていく。
「っ、んぅうっ……」
ナツキの汗で指頭を濡らした指が、するんっ……、とショーツの中へと入り込む。
その様子をナツキは黙って見詰めていた。
拒絶の声をあげるのを諦めて、喘ぎ声を抑えることに集中したのだ。
ひんやりとした外気に恥部を撫でられただけで、どれだけ濡れ湿っているのかを知ってしまったのだ。
「やめて」と拒絶を口にする段階はとっくに過ぎ去っていると知ったのだ。
喘ぎ声を抑えることに集中しないと、どれほどまでの媚び甘えた声が飛び出すかも分からない。
それほどまでに濡れていて、乱れる姿を思い浮かばせたナツキは、腹をくくって声の我慢に努めたのだ。
ぐぢゅりぃぃぃいいいっ……。
「ぅ、う、ぅう、あ、あぁ、あああああっ……」
クリトリスには触れず、ただ無造作に指先が膣の中へと入り込んできた。
細い氷柱のように冷たい指に、膣肉が驚いて、キュキュン! と隙間なしに締め付ける。
「っうあぁああ……あぁあ…………ぁあ……」
熱いほうから冷たいほうへと移動する熱の摂理に従って、熱々の膣肉が、龍司の指を締め付けながらに絡み付く。
ま、まずいっこれっ、ゆ、指に吸い付いてるみたいにっ! だ、だめっ、こ、これっ、ぅう、あ……あああっ!
ヒクンヒクンヒクンヒクンッ、と小刻みに収縮して、入れられて放置されているだけで達してしまいそうになる。
「あぅ、あ、あぅう、ぅうあ、あぁアアッ!!ダメッ!!! ンッ!!? ンアンッ!?」
一際大きな嬌声を上げて、身体を弓なりに反らしてしまう。
い、逝っちゃっ……たっ……。
入れられているだけで達してしまって、絶頂硬直の直後、カクン、と力なく俯いて、ナツキは絶望に表情を凍てつかせる。
喘いでしまうことを避けたかった。
こうもやすやすと逝かされることは、もっと避けねばならなかった。
だがそれ以上に避けたいことがあった。
指を入れられただけで達する姿を、オネエに見られたく無かった。
愛撫でも何でもない指入れなんかで逝かされてしまう姿を見られたく無かった。
ナツキは俯いたまま、悔しさに唇を震わせていた。
(く……っ……そぉ…………ぅ……え――?)
「あっ! あ! だ、だめっ、だめよっ、ま、またっ、アァアアアアアアッ!!」
快楽に酔ったオネエの声に絶頂の余韻が掻き消えて、ナツキは鏡の中へと視線を向けた。
尻を突き出したままのオネエが立ちバックでバンバン腰を打ち据えられている。
カリ首に掻き出された愛液が、股のあいだに女蜜の池を作っていた。
何度も達した証明の絶頂液だった。
まだ吐き出し足りないようで、ピストンの度に愛液が湯水の如く掻き出されている。
「お、……おね、えぇ……」
快楽によって発情汁を垂れ流しているオネエ。
言葉では拒絶していても、それが本心ではないことをナツキは知っていた。
ナツキと翔子は何度もレズプレイやフタナリプレイで肌を重ねた仲なのだ。
ナツキの愛撫で喘ぐ顔とは違う表情、
相手が男でないとしえない翔子の表情を、ナツキはこの時初めて見てしまったのである。
「あっ、アァアッ、い、いくっ……っ、い、いくっ……、せ、せんせいっ、またっ、またイクゥウウウウウウウッ!!」
樽男に向かってまるでビンッと跳ねるようにオネエは背筋を反り返した。
ナツキが瞬き忘れて魅入っていると、あろうことか絶頂の余韻に流されるままに肩越しに樽男とキスまで始めたのだ。蕩けた遠い目で見詰めながらに。
「まぁ、あっちはあっちで楽しんでるようだから我慢する必要はねぇよ……って、我慢する気のねぇマンコだな。ぐちゃぐちゃになってやがる」
龍司の台詞が右耳から左耳へと抜けていった。そんな放心状態にあるナツキだったが、手首を掴まれ、鏡の前で膣内を弄くられるとたちどころに喘ぎ出す。
「あぁあっ、い、いやっ、あ、あぁあんっ! あんっ!」
一枚の鏡の壁を隔てて、オネエと同じ立ちバックの体勢にさせられ、ブビィッ、ブボッ、ブビィッ! 鍵になったり、ピースになったりした指が、空気を練り込みながらに弄くってくる。羞恥心で心を壊すように甚振ってくる。
「い、いやっ、いやっあ、あ、あっ、変な音やめてぇっ!」
「やめてやろうか?」
「えっ…………ちょ、ちょっとっ!」
弄くっていた指が止まって、安堵したのも束の間、カチャカチャとベルトが鳴る音が聞こえたのだ。
入れられる!?
……こんな状態で?
どういうつもり……?
オネエに見られている状況での挿入ではある。
しかし、入れられるタイミングが今なら絶対堕ちない。
弄ってきた指は、病み付きになるような弄り方をしてきた。
この指に焦らされようものなら、欲しくてたまらなくなっていただろう。
自ら挿入を懇願していただろう。
懇願して与えられるなら、簡単に堕とされていただろう。
しかし、このタイミングで挿入されても絶対堕ちない。
たとえ逝かされたとしても、堕ちはしない。
挿入以上に欲するモノなどないのだ。
そう、挿入されている以上、それ以上の求めを言葉にすることはない。
……チャンスだ。
実力では負けていない。
堕ちさえしなければ逆襲できる。
この考えがどれだけ浅はかだったのかを、ナツキは、グボッ! と亀頭を飲み込まされて、いやというほど思い知らされるのであった。
「んぉ、ほ、ほ……お、おっ…………んぉ、ほ……ぉ……」
亀頭を飲み込まされた分だけ、唇が鏡へと突き出た。
蛸のように情けない顔を、オネエに向かって晒してしまっていた。
しかし、羞恥心を感じる余裕なんてこれっぽっちもなかった。
龍司の細い指にさえ膣肉が蠢いて、激しく摩擦を生みだし絶頂してしまったくらいなのだ。おちんちんが入ってこようものなら、我が身を無視してしがみ付くに決まっていた。
ぐにゅぐにゅ蠢いた膣肉が、亀頭の表面を必死に貪ろうとして、おまんこの中がムズムズして気が狂いそうになる。
どろんどろんの愛液が深い挿入を求めてフェロモンを垂れ流す。
熟した果肉のような匂いと感触の膣肉をしっかり味わうように、ぐぢゆ、ぐぢゆ、と食すようにおちんちんが入り込んでくる。
「はぁ、あ、あ♥ あぁあああああぁああ、あ、アァンッ♥」
ぢゅぐりぢゅぐりと入り込んで来るも、鈍重な動きのせいか、まだ全てを収め切れていない。
まだ一回のストロークも終えていない。
なのに、何度も逝っていた。
一センチ進む度に二回は逝っていた。
「んあ!♥ あ、はっ♥ あ、あぁあ、あ、あぁ♥ ああぁあああんっ♥」
ぢゆ、ぢゅぢゅ……ぢゅ……ぢゅぶんッッ――
「ひっ、いっ、ひゃ、……ひゃっと、じぇんぶ、は、はいったぁ…………♥」
龍司のモノを全て受け止めて、知った。
焦らす必要なんて一切無いから焦らさなかったのだと。
パンパンパンパンッ、腰を振られて、あんあんあんあん、龍司のリズムにひたすら喘がされて気付いた。
どう足掻いても、この快楽に抗えないと。
それを、目の前のオネエに喘ぎながらに伝えていた。
「あっ、あ、あっ! い、いくっ、お、おねえっ、い、いくっ、あ、あぁあんっ!! ごごめんまたっいくぅうううっ!!」
ガクンッ、と鏡に額をぶつけてしまう急な脱力を何度も繰り返した。
崩れそうになると後ろから抱え上げられて、背面駅弁でビンビンに立ったクリトリスと、接合をまる見えにされ、ドンッ! と腰を突き上げられた。
そして腰の落下目掛けて、バヂュンッ! と腰を突き上げられた。
バヂュンッバヂュンバヂュンバヂュンッ!
「あ、あぁっ、あひぃ、も、もうらめぇっ、らめぇ、あっ、もうらめぇええっ、っアァアアアアッ!!」
お互いの痴態を見つめ合いながら、ナツキは龍司に逝き狂わされ、そして、その目の前では翔子が樽男に逝き狂わされるのであった。
応援ありがとうございます!
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