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5章

63話 地獄①

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ーー地獄ーー

「オラァッ!」

「ぐあっ!」

この地獄では、悪いことをした者を罰する以外に、鬼達の勢力争いの場所でもある
強い者はより高い地位に立つ事ができ、歴史に名を刻むことが出来る。そして最も名誉な地位が与えられることもある
そのため、毎日毎日争いが耐えない

この地位によって担当する地獄が違う。地位が高い順から
大焦熱地獄だいしょうねつじごく灼熱地獄しゃくねつじごく大叫喚地獄だいきょうかんじごく叫喚地獄きょうかんじごく衆合地獄しゅうごうじごく黒縄地獄こくじょうじごく等活地獄とうかつじごく、そして最も高く名誉な地位が無限地獄むげんじごく/阿鼻地獄あびじごくである。この無限地獄にはありとあらゆる物が手に入ると呼ばれている。この無限地獄の担当を目指すために、日々戦っているのである

「灼熱主様!叫喚主が同盟を組み、大叫喚地獄を傘下に入れないかとの申し出があります!いかがしましょうか?」

「…うむ。いい案だ!受け入れろ」

「はっ!」

この八つの地獄にはもちろんそれぞれで一番強い奴が居る。そのような者を地獄主と呼ぶ
無限地獄は主が決まっておらず、長年戦いが続いており、他の地獄はまったく手出しができていない
灼熱主は真っ赤な炎の髪に、炎の拳に炎の足が特徴的である
一方、叫喚主は黄金の髪に、大きな手足、スピードはものすごく速い
大叫喚主は黒髪で普通の青年と言う感じだが、身体能力が圧倒的に高い

 「よしっ!それじゃぁ、大叫喚地獄に殴り込みに行くぞォ!」

灼熱主は叫喚主との同盟を承諾し、大叫喚地獄に攻めに行く

ーー大叫喚地獄ーー

「灼熱地獄と叫喚地獄が攻め込んできたぞーー!!」

灼熱主達が大叫喚地獄に着くと、早速警備の奴に見つかり、大声を上げて逃げて行く
そして、大叫喚主が姿を現す

「君達かい…僕を殺めようとする愚か者は…」

地位が低くても、上の者に敬語などで敬う決まりはない。ただ、そこの地獄がどれほどの財産や物資が揃っているのかが重要なのである
そして、地位が高いからと言って強いと言う訳でもない。地位を高めることを望まない者も居るし、頭脳で上に登り詰めた者もいる。大叫喚主は地獄主に成れたため、地位を上げる必要が無くなったのだ

「オラァ!灼熱ドリーム!」

灼熱主は早速、先制攻撃を仕掛ける。炎の拳からホースから出る水のように炎が飛ぶ
その炎が大叫喚地獄を燃やす

「あーあ…やっちゃったね。許さないよ」

自身の地獄を燃やされたのにも関わらず、冷静な反応を見せる
そして、急に動き出し、2人に接近する

「なんっ!?」

大叫喚主は大きなジャンプ力で灼熱主に飛び膝蹴りをする
圧倒的ジャンプ力に消えたと勘違いし、反応できなかったようだ
すると、叫喚主が脅威のスピード力で大叫喚の裏に回り、背中を蹴る

「…痛いよ」

大叫喚主は蹴られ、体勢を崩した状態から後ろ回し蹴りを決める

「ぐはっ!?」

あっという間に2人は倒れる。その2人を見た部下達は恐れ、今までに無いスピードで走る

「あー…消火活動手伝って貰おうと思ったのに……」

大叫喚主はめんどくさそうに火を消した

ーー無限地獄ーー

不動明王ふどうみょうおう様…報告致します。大叫喚地獄が灼熱地獄、叫喚地獄を傘下に入れました」

「…ふむ。面白い」

無限地獄には様々な派闘があり、不動明王ふどうみょうおう派、釈迦しゃか派、文殊菩薩もんじゅぼさつ派、閻魔大王えんまだいおう派、メッサー派、双竜そうりゅう派に分かれている
今の所の最大派闘は閻魔大王となっている
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