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真昼間に巡る
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早朝から向かった先は、王都の老舗の仕立て屋だった。
「本来なら子爵邸に招きたいところですが。この店の主人は大層忙しくて、なかなか予約が取れないのです」
煉瓦造りの三階建てのその店は、高級老舗店が立ち並ぶ通りに面していた。一枚の透明ガラスから職人が見事な細工を施したグラスサインが、他のどの店よりも精巧な、王室御用達だ。貴族や商人でも限られた顧客としか取引はなされない。
「お待ちしておりました。ドロシー様」
すっきりと髪を整えたやや初老の紳士が、恭しく一礼する。
「朝早くから悪いわね」
「こちらこそ、この時間しか空いておらず、ご不便を」
ドロシーは手慣れた様子で店内へと入って行く。
ドレスといえば、学生時代に校長のお下がりか、ルミナスからのプレゼントしか知らないイザベラは、勿論、高級店はおろか、仕立て屋事態、足を踏み入れたことがない。
「あ、あの? 」
入り口で気後れしていると、ドロシーは感情のなさそうな一瞥を寄越してきた。
「あなたのドレスを何着か仕立てます」
「え? 」
「アークライトは、女性のことが何もわかっていない。どうせ、ろくに測定もせず、目視でドレスを作らせたのでしょう? 」
確かにルミナスからいただいたドレスは、着心地は良いしサイズも申し分ないが、脇がやや空いている。
「あなたのためではありません。子爵夫人として、他の貴族に笑われないように」
ぴしゃりとドロシーは言い切った。
店内は高級店だけあって、紳士クラブのような厳かな雰囲気だ。壁や柱に施された金の細工といい、炎が揺らぐ暖炉といい、複雑な模様の編まれたペルシャ絨毯といい、家庭教師のままだったら絶対に尻込みしていた場所。
「次は靴屋へ」
ドレスを採寸し、どのようなデザインにするか決めてから、出来上がりの日取りを確認する。一通り終え、馬車に乗ると、次の行き先をドロシーは示した。
「ドレスの裾に隠れて誤魔化していたのでしょうが、靴のサイズが合っていない。このままでは、足の指が歪んで、そのうち歩けなくなりますよ」
ドロシーの観察眼は大したものだ。
「あ、あの。ここまでしていただかなくても」
「あなたのためではありません。子爵家のためです」
遠慮がちなイザベラを、ドロシーはぴしゃりと黙らせた。
「お義母様は結婚に反対ではなかったのですか? 」
足を採寸し、仕立ての手筈を整えた頃には、太陽は真上に来ていた。
馬車の中で向かい合ったとき、イザベラはどうしても聞きたかったことを思い切って尋ねてみた。
「どうせ、あの子はそのように考えているのでしょうが」
ドロシーにはわかっていた質問だったのか、表情筋一つ動かさない。
「エレーナが後ろ盾になるほどです。アークライトの選んだ女性に間違いはないでしょう」
素っ気ない言い方。
その言葉がどれほどイザベラを勇気づけただろうか。
貴族を前に、やはり自分の階級を気にしないわけがない。下手をすると、ルミナスの評判を落とすことになる。当然、ドロシーは良い顔をしていないとイザベラは考えていた。
だからこそ、ドロシーの言葉はイザベラに染み入った。
「ああ、そうだわ。帽子も見て行きましょう。アークライトはセンスはあるのでしょうが、如何せん己の趣味に偏り過ぎです」
思いついたようにドロシーが提案する。彼女の言葉は的を得ている。確かにルミナスは、刺激的な恰好が好みだ。
「あの子は独りよがりの傾向がありますから。あなたも、アークライトに任せきりではいけません」
チクリ、とドロシーが注意する。
「何でも夫任せでは、これからの時代に適合出来ませんからね」
ルミナスが男性上位に拘りがないのは、この母の影響があるのかも知れない。ドロシーの考えは、彼女の同年代と比べて遥かに先進的だ。
「ところで」
ギロリとドロシーの目つきが鋭くなった。
「挙式はいつなさるつもり? 」
二人の間には、そのような話は出て来ない。むしろ、避けてさえいた。爵位があるゆえ、招待客のリスト作成からして大変な作業となる。仕事に追われているルミナスには、そこまで手が回らない。
「アークライトは面倒臭がりですからね。何かと言い訳をつけては、先延ばしにしているのでしょうが。ケジメというものがあります」
ルミナスの考えは筒抜けだ。
さすが、五年もの間会っていなくとも、母の目は鋭い。
「あなたから言い出さない限り、挙式はしないつもりでしょうから」
イザベラから提案しろと促してきた。
「挙式をすることになれば、私が招待客のリストを作りましょう。指輪は……あら、あの子にしたら律儀な」
ドロシーはイザベラの左手を取ると、薬指をこれでもかと見つめて、あらゆる角度から確かめる。
「とても良いデザインね。金の質も、申し分ない」
ニコリともしないが、満足そうだ。
「レストランを予約しています」
馬車が停止したのは、上品なレストランの前だった。
客層は身なりの整った者ばかりで、糊のきいたテーブルクロスには、小さな薔薇の花瓶が乗っている。赤い絨毯はふかふかしており、ランプの薄暗さが厳かな雰囲気を醸し出す。店の隅で奏でる楽団による演奏が、耳に心地よい。
「ここは、百年ほどの老舗で。店主は私とは昔馴染みです。気兼ねはいりません」
コック長の挨拶の後、ドロシーは説明する。慣れないイザベラを慮ってくれたのだ。
「それから、他の者は特段気にならないものでしょうが。あなた、ナイフの置き方が少々雑ですよ」
指摘されるまで、気づかなかった。
「平民出身だからと、何かと目を光らせ、粗を探す輩もおります。常に見られているといった感覚を忘れずに」
口うるさいのには、理由がある。イザベラは素直に頷いた。
「しかし、姿勢はとても良い。あなたを躾けた方は、素晴らしいわね」
ドロシーは決して意地悪ではない。注意するところはして、褒めるべきところは褒める。
イザベラは躾をしてくれた校長が褒められて、嬉しかった。
「私はこの店のライス・プティングが好きで。きっとあなたも気に入りますよ」
ドロシーは微笑む。
昨日から共にしていて、初めて見る笑顔だった。
彼女の笑顔が、ルミナスと被る。
ルミナスの優しさは、母親譲りだ。
「本来なら子爵邸に招きたいところですが。この店の主人は大層忙しくて、なかなか予約が取れないのです」
煉瓦造りの三階建てのその店は、高級老舗店が立ち並ぶ通りに面していた。一枚の透明ガラスから職人が見事な細工を施したグラスサインが、他のどの店よりも精巧な、王室御用達だ。貴族や商人でも限られた顧客としか取引はなされない。
「お待ちしておりました。ドロシー様」
すっきりと髪を整えたやや初老の紳士が、恭しく一礼する。
「朝早くから悪いわね」
「こちらこそ、この時間しか空いておらず、ご不便を」
ドロシーは手慣れた様子で店内へと入って行く。
ドレスといえば、学生時代に校長のお下がりか、ルミナスからのプレゼントしか知らないイザベラは、勿論、高級店はおろか、仕立て屋事態、足を踏み入れたことがない。
「あ、あの? 」
入り口で気後れしていると、ドロシーは感情のなさそうな一瞥を寄越してきた。
「あなたのドレスを何着か仕立てます」
「え? 」
「アークライトは、女性のことが何もわかっていない。どうせ、ろくに測定もせず、目視でドレスを作らせたのでしょう? 」
確かにルミナスからいただいたドレスは、着心地は良いしサイズも申し分ないが、脇がやや空いている。
「あなたのためではありません。子爵夫人として、他の貴族に笑われないように」
ぴしゃりとドロシーは言い切った。
店内は高級店だけあって、紳士クラブのような厳かな雰囲気だ。壁や柱に施された金の細工といい、炎が揺らぐ暖炉といい、複雑な模様の編まれたペルシャ絨毯といい、家庭教師のままだったら絶対に尻込みしていた場所。
「次は靴屋へ」
ドレスを採寸し、どのようなデザインにするか決めてから、出来上がりの日取りを確認する。一通り終え、馬車に乗ると、次の行き先をドロシーは示した。
「ドレスの裾に隠れて誤魔化していたのでしょうが、靴のサイズが合っていない。このままでは、足の指が歪んで、そのうち歩けなくなりますよ」
ドロシーの観察眼は大したものだ。
「あ、あの。ここまでしていただかなくても」
「あなたのためではありません。子爵家のためです」
遠慮がちなイザベラを、ドロシーはぴしゃりと黙らせた。
「お義母様は結婚に反対ではなかったのですか? 」
足を採寸し、仕立ての手筈を整えた頃には、太陽は真上に来ていた。
馬車の中で向かい合ったとき、イザベラはどうしても聞きたかったことを思い切って尋ねてみた。
「どうせ、あの子はそのように考えているのでしょうが」
ドロシーにはわかっていた質問だったのか、表情筋一つ動かさない。
「エレーナが後ろ盾になるほどです。アークライトの選んだ女性に間違いはないでしょう」
素っ気ない言い方。
その言葉がどれほどイザベラを勇気づけただろうか。
貴族を前に、やはり自分の階級を気にしないわけがない。下手をすると、ルミナスの評判を落とすことになる。当然、ドロシーは良い顔をしていないとイザベラは考えていた。
だからこそ、ドロシーの言葉はイザベラに染み入った。
「ああ、そうだわ。帽子も見て行きましょう。アークライトはセンスはあるのでしょうが、如何せん己の趣味に偏り過ぎです」
思いついたようにドロシーが提案する。彼女の言葉は的を得ている。確かにルミナスは、刺激的な恰好が好みだ。
「あの子は独りよがりの傾向がありますから。あなたも、アークライトに任せきりではいけません」
チクリ、とドロシーが注意する。
「何でも夫任せでは、これからの時代に適合出来ませんからね」
ルミナスが男性上位に拘りがないのは、この母の影響があるのかも知れない。ドロシーの考えは、彼女の同年代と比べて遥かに先進的だ。
「ところで」
ギロリとドロシーの目つきが鋭くなった。
「挙式はいつなさるつもり? 」
二人の間には、そのような話は出て来ない。むしろ、避けてさえいた。爵位があるゆえ、招待客のリスト作成からして大変な作業となる。仕事に追われているルミナスには、そこまで手が回らない。
「アークライトは面倒臭がりですからね。何かと言い訳をつけては、先延ばしにしているのでしょうが。ケジメというものがあります」
ルミナスの考えは筒抜けだ。
さすが、五年もの間会っていなくとも、母の目は鋭い。
「あなたから言い出さない限り、挙式はしないつもりでしょうから」
イザベラから提案しろと促してきた。
「挙式をすることになれば、私が招待客のリストを作りましょう。指輪は……あら、あの子にしたら律儀な」
ドロシーはイザベラの左手を取ると、薬指をこれでもかと見つめて、あらゆる角度から確かめる。
「とても良いデザインね。金の質も、申し分ない」
ニコリともしないが、満足そうだ。
「レストランを予約しています」
馬車が停止したのは、上品なレストランの前だった。
客層は身なりの整った者ばかりで、糊のきいたテーブルクロスには、小さな薔薇の花瓶が乗っている。赤い絨毯はふかふかしており、ランプの薄暗さが厳かな雰囲気を醸し出す。店の隅で奏でる楽団による演奏が、耳に心地よい。
「ここは、百年ほどの老舗で。店主は私とは昔馴染みです。気兼ねはいりません」
コック長の挨拶の後、ドロシーは説明する。慣れないイザベラを慮ってくれたのだ。
「それから、他の者は特段気にならないものでしょうが。あなた、ナイフの置き方が少々雑ですよ」
指摘されるまで、気づかなかった。
「平民出身だからと、何かと目を光らせ、粗を探す輩もおります。常に見られているといった感覚を忘れずに」
口うるさいのには、理由がある。イザベラは素直に頷いた。
「しかし、姿勢はとても良い。あなたを躾けた方は、素晴らしいわね」
ドロシーは決して意地悪ではない。注意するところはして、褒めるべきところは褒める。
イザベラは躾をしてくれた校長が褒められて、嬉しかった。
「私はこの店のライス・プティングが好きで。きっとあなたも気に入りますよ」
ドロシーは微笑む。
昨日から共にしていて、初めて見る笑顔だった。
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