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魔法が解けないように※

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 イザベラは、どんどん深みに嵌っていく探究心を止められない。
 いつも夢中になる小説に書いてあることを試したくて仕方がない。
 最初こそ恥ずかしそうに身を縮め、ルミナスに良いように体を弄らせていたが、彼が二度目に内壁から抜けたときには、恥じらいごと持っていかれてしまった。 
「昼間の君からは想像つかないよ」
 唸りにも似た声を喉から絞り出すと、ルミナスは率直にイザベラを評した。
「幻滅した? 」
 今しがたまでイザベラの内部に潜り込んでいたものに、根元から先端までゆっくり舌を前後させている最中、一旦離して尋ねてみる。
「いいや。ますます魅了されたよ」
 その言葉に満足したイザベラは、今度はそれを咥え込んだ。
 赤黒く膨れていた彼のものは、イザベラが与える刺激によりますます怒張し、血管を浮き立たせる。口内がいっぱいになり、唇が裂けてしまいそう。喉を突きかねないギリギリまで咥えたと思えば、引いて、先端を舌先でチロチロ舐める。何回か繰り返すうちに、舌先にねっとりした雫が絡んだ。
 ルミナスが「くそっ」と小さく悪態をつく。
「こんなこと、いつ覚えたんだ? まさか私の知らないところで、他の男と……」
「知識は全て本からよ」
 いつもやられっぱなしだから、やり返せたことがうれしくて堪らない。
「字を覚えてから、たくさん本を読んだわ」
 不埒な行いをルミナスに仕向けながら、イザベラは清廉潔白な生活を思い返していた。
「寄宿学校で、どなたかが私に毎月、本を大量に寄付してくださっていたの。歴史書や旅行記、政治に関するもの、伝記や、それに」
「官能小説もあった」
 ニヤリ、とルミナスが意地悪く口元を歪める。
「きゃっ」
 不意打ちで両方の乳房を掴まれて、咄嗟に口に含んでいたものを放してしまった。
 素早くルミナスは体勢を入れ替え、イザベラに覆い被さる。
「知識は大切でしょ」
 せっかく変化を楽しんでいたのに、中断され、イザベラは不服でツンと横を向いた。
「確かに」
 胸の先についた花芯を摘まれ、イザベラの矯正が零れた。
「だが、これほど役立つとはな。贈った男は、予想以上の成果に驚いているだろうよ」
「男? 」
「ああ」
 片側の花芯を舌先で転がしながら、ルミナスは声量を低めた。
 きつめの刺激にイザベラの足の指が丸まる。
「何故、男性だとわかるの? 寄付してくださった方は匿名なのよ」
「決まっているじゃないか」
 心外だとばかりにルミナスの声が一オクターブ上がる。
「君にあそこを濡らさせながら本を読ませるためだよ。想像するだけで、男なら」
「どうしてあなたはそう下品なの? 」
「その男の気持ちを代弁してやったんだよ」
「失礼な方ね」
 無知だったイザベラに、豊富な知識を与えてくれた恩人。
 毎月十日になると、決まってその恩人は贈ってくださった。
 一度たりともイザベラの前に姿を現したことはなかったが。
 そんな恩人を小馬鹿にされ、イザベラはムスッと頬を膨らませた。





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