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幼少期編
8.呪いと悪魔召喚
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俺は思ったのだが、体の一部分が黒く変色するのって、もしかしたら呪いか何かじゃないのか?
ほら、良くゲームとかで呪いを受けたら体の一部分が黒く変色するとかあったし。
呪い、呪いねぇ...
「なぁ、メイル様?呪いって知ってる?」
「の、呪い?確か忘れ去られた闇魔法の類だと聞いたことがある。」
「そう、そうなんだよなぁー」
俺は自分の研究室にメイルと一緒にいる。
本当は外の裏庭が良かったけど、まだメイルが不安定だし、お父様の拷問も終わってはいないだろうから安全の確保として俺の研究室に今引きこもっている。
あのメイド事件の夜、初めてメイルが自分から俺の部屋に訪ねてきて、夜が眠れないから一緒に寝ようとのことだった。
可愛すぎかよ
まぁ、この話は置いといて
闇魔法ねー、使えなくはないんだよ、実は。
前に魔法を試した時あたり周辺を暗闇にすることができたから。
でも、闇魔法ってどう言う魔法が使えるのか具体的には知らなくて...
本に載ってなかったんだよなぁ
今思えば闇ってだけで禁忌だとされてるのかなって思うんだけど...
実際問題さ、闇魔法とか言ったら何となくで魔法使えなくもないんだけど。
あとは正反対の光魔法。
浄化とか?
でもさ、浄化するだけじゃ気が治らないんだよねー、メイルの為に何とかして復讐してやらないと!もし呪いをかけた奴がいるならね。
あ、いや、まだ呪いだと決まったわけではないんだけどね?
それを確かめるためには呪いに詳しい人に尋ねたいわけですよ。
てなったらさ、やってみるしかなくない?
悪魔召喚
でもこれ絶対に禁忌っぽいよねー
どうしよう
でも、メイルの為に何かしらの成果は上げてあげたいんだよねー
「んー」
「何を考えてるんだ?」
「いやー、ちょっとねー。まあいいや、何とかなるでしょう!」
そうと決まれば準備をしなければ!
真新しい大きめの紙を引っ張り出して研究資料が散らばる床の上に置く。
「いったい何を?」
「いいからいいから!」
そう言うとメイルを部屋のはじにある椅子に座らせる。
後は魔法陣だよなぁ
単純に丸に五芒星描いてみるか?
普通のペン...じゃあダメだよな。
となると...血か?
痛いのやだな、確か痛覚緩和の武器があったはず...っと!
「あった!」
武器を鞘から引き抜くと腕に刃を当てる。
「待て!イズリルなにをっ!」
ブシュッ
パタタッ
血はこのくらいでいいかな、うん、痛覚緩和ちゃんとできてるじゃん、俺天才!
「大丈夫だからそこで見てて!」
俺は適当に魔法陣みたいなものを自分の血で描いていく。
悪魔召喚なんてするくらいだから本当は人の魂くらい集めないといけないんだろうけど、それはできないからこう言う時のために伸ばしていた髪の毛の出番だな。
髪の毛には魔力が豊富に含まれると言うし、もしも俺の魔力が気に入れば召喚に応じてくれるだろう。
ザクリと束ねていた髪を肩までで切ると魔法陣の真ん中にばら撒いた。
さらに数滴血を垂らすとこれで準備完了!
メイルの方をチラリとみるとカタカタと震えていた。
そりゃそうか、こんなのいきなり見せられたら正気の沙汰とは思えない。
「必ず成功させてみせるからね、メイル様」
「まて...さっきから何をっ」
「悪魔召喚!」
呪文なんてあってない様なもの。
取り敢えず自分の中にある膨大な魔力を魔法陣に流してみる
すると魔法陣が光った
おっと、これはいけるのではないだろうか!?
これでもかと言うくらいの眩い光が何秒間か光ったと思えば光が消えた。
それと同時にとんでもない重圧がのしかかってきて地に伏せた。
それはメイルも同じだった。
「クヒヒッ、この私を呼び出した人間は久方ぶりだなそこのお前じゃないな、お前か?人間。」
怖い...かも、いや、普通に怖いわ、何この悪魔、絶対下位の悪魔なんかじゃない
髪を鷲掴みにされて無理矢理頭を上げさせられる。
髪の毛千切れて禿げたらどうしてくれるこの悪魔め!
いや、悪魔か。
「カヒュッ、そ...ですっ。私がっ...召喚しましっ...たっ!」
いや、本当何この重圧、半端ない!
息するのもやっとなんですけど!!
「そうか、お前が私を召喚したのか。何のために召喚した?そこに転がっているガキの呪いのためか?」
「っ!そりゃ、話がっ、早いな!」
「ふむ、だがこの私に願いを叶えて欲しいのであればいささか代償が足りぬな。本来ならお前の命と引き換えに召喚されるくらいなのだが...」
「なっ!イズ...っ!やめっ」
「貴様にしゃべる事を許可した覚えはないぞ」
「ひっ!」
そう言うとメイルに殺気を飛ばす悪魔。
「お前っ!の...悪魔のっ、位はっ」
「ん?私か、私は悪魔公爵だ。」
なんと...悪魔公爵だと!?
何でそんな大物が!
だけどチャンスでもあるな、悪魔公爵ともあればこいつに解けない呪いなどありはしないだろう。
「り...とり...ひきっ、しよう」
「ほう、聞くだけ聞いてやろう」
「俺のっ、魂...っ、寿命っ、なったら...くれてやる!だからっ...契約しろ!」
そう、どうせここに呼んだ時点で俺の命詰んでるのであればせめて寿命を迎えて死にたい。
すると悪魔公爵が仄暗い光を瞳に宿し何故か頬を赤く染めて笑った
「クヒヒッ、魂を私にやると言うことは輪廻転生の輪にはもう二度と戻らずに私と共にずっといると言うことだ。それでいいのか?」
「ああっ、だが!俺が天寿を全うっ...する事がっ...条件だっ!」
「クヒヒッ、いいだろう」
悪魔公爵がパチンと指を鳴らすとさっきまで感じていた重圧が嘘の様に消えた。
「人間、名は?」
「ゲホッ、イズリル。イズリル・バードナー。お前は?」
「名は無い、イズリル、お前が決めろ」
名前か、黒曜石みたいな綺麗な髪色だから
「オブシディアン、お前の髪の毛の色だ。」
「オブシディアン」
悪魔公爵、改め、オブシディアンがそう言うとさっきまで真っ黒だった左の瞳が赤色に染まった。
「え、なんか瞳が赤になった...」
「イズリルは左目が黒くなってるぞ鏡を見てみろ」
「えーっ!ほ、本当だ!黒目だ懐かしい!」
「懐かしい?」
「あ、いやその、夢の中で黒目の自分を見たことがあって、はは。」
「ふん、まあ今はいいだろうそれより契約は成された。イズリルの魂はお前の死後私が貰うぞ」
「ああ、構わないよ、そっちもちゃんと約束守ってくれるならね、まずはメイル様の呪いを解いて俺の命尽きるその時まで守ってもらうからな」
「まて、守るだと?」
「当たり前だろ、俺は天寿を全うする事が条件だと言ったはずだが?」
「小賢しいやつだな、まあいい、その命尽きる時まで守ってやろう。」
「よし、これで解決するぞ、メイル様!」
「か、解決なんてっ、するわけ、ないだろう!イズリルの綺麗な赤い目がっ、片目だけとはいえ黒くなったんだぞ!それに魂までなんてっ!どうしてそんなに笑っていられるんだ!!」
「俺の見た目怖いか?」
「違う違う!そんな事どうでも良い!なぜお前は俺のためにそこまでしてくれるんだっ!俺にそんな価値ない!!」
「そんなの決まってるだろ、困ってる友達がいたから、ただ助けたいと、そう思っただけだ。他の誰でもない、メイル様だったから力になりたいと、そう思ったんだよ。」
「イズリルは馬鹿だ、大馬鹿者だ。」
ボロボロと涙を流すメイル。
オブシディアンはつまらなさそうな目でメイルを見ている。
その目やめろ。
「本当に私がこのガキのために呪いを解かないといけないのか?」
「何のためにお前を呼んだと思ってるんだ、こちとら命かけてんだぞ」
「クヒヒッ、そうだったな、では呪いの元凶を辿ってやろう。」
そう言うとオブシディアンはメイルの頭を鷲掴みにする
「ちょっ、もっと丁寧に扱って!」
「お前以外はどうでも良い」
何こいつ疲れる!
そんな事を思っているとオブシディアンの手から闇がブワッと広がった。
ほら、良くゲームとかで呪いを受けたら体の一部分が黒く変色するとかあったし。
呪い、呪いねぇ...
「なぁ、メイル様?呪いって知ってる?」
「の、呪い?確か忘れ去られた闇魔法の類だと聞いたことがある。」
「そう、そうなんだよなぁー」
俺は自分の研究室にメイルと一緒にいる。
本当は外の裏庭が良かったけど、まだメイルが不安定だし、お父様の拷問も終わってはいないだろうから安全の確保として俺の研究室に今引きこもっている。
あのメイド事件の夜、初めてメイルが自分から俺の部屋に訪ねてきて、夜が眠れないから一緒に寝ようとのことだった。
可愛すぎかよ
まぁ、この話は置いといて
闇魔法ねー、使えなくはないんだよ、実は。
前に魔法を試した時あたり周辺を暗闇にすることができたから。
でも、闇魔法ってどう言う魔法が使えるのか具体的には知らなくて...
本に載ってなかったんだよなぁ
今思えば闇ってだけで禁忌だとされてるのかなって思うんだけど...
実際問題さ、闇魔法とか言ったら何となくで魔法使えなくもないんだけど。
あとは正反対の光魔法。
浄化とか?
でもさ、浄化するだけじゃ気が治らないんだよねー、メイルの為に何とかして復讐してやらないと!もし呪いをかけた奴がいるならね。
あ、いや、まだ呪いだと決まったわけではないんだけどね?
それを確かめるためには呪いに詳しい人に尋ねたいわけですよ。
てなったらさ、やってみるしかなくない?
悪魔召喚
でもこれ絶対に禁忌っぽいよねー
どうしよう
でも、メイルの為に何かしらの成果は上げてあげたいんだよねー
「んー」
「何を考えてるんだ?」
「いやー、ちょっとねー。まあいいや、何とかなるでしょう!」
そうと決まれば準備をしなければ!
真新しい大きめの紙を引っ張り出して研究資料が散らばる床の上に置く。
「いったい何を?」
「いいからいいから!」
そう言うとメイルを部屋のはじにある椅子に座らせる。
後は魔法陣だよなぁ
単純に丸に五芒星描いてみるか?
普通のペン...じゃあダメだよな。
となると...血か?
痛いのやだな、確か痛覚緩和の武器があったはず...っと!
「あった!」
武器を鞘から引き抜くと腕に刃を当てる。
「待て!イズリルなにをっ!」
ブシュッ
パタタッ
血はこのくらいでいいかな、うん、痛覚緩和ちゃんとできてるじゃん、俺天才!
「大丈夫だからそこで見てて!」
俺は適当に魔法陣みたいなものを自分の血で描いていく。
悪魔召喚なんてするくらいだから本当は人の魂くらい集めないといけないんだろうけど、それはできないからこう言う時のために伸ばしていた髪の毛の出番だな。
髪の毛には魔力が豊富に含まれると言うし、もしも俺の魔力が気に入れば召喚に応じてくれるだろう。
ザクリと束ねていた髪を肩までで切ると魔法陣の真ん中にばら撒いた。
さらに数滴血を垂らすとこれで準備完了!
メイルの方をチラリとみるとカタカタと震えていた。
そりゃそうか、こんなのいきなり見せられたら正気の沙汰とは思えない。
「必ず成功させてみせるからね、メイル様」
「まて...さっきから何をっ」
「悪魔召喚!」
呪文なんてあってない様なもの。
取り敢えず自分の中にある膨大な魔力を魔法陣に流してみる
すると魔法陣が光った
おっと、これはいけるのではないだろうか!?
これでもかと言うくらいの眩い光が何秒間か光ったと思えば光が消えた。
それと同時にとんでもない重圧がのしかかってきて地に伏せた。
それはメイルも同じだった。
「クヒヒッ、この私を呼び出した人間は久方ぶりだなそこのお前じゃないな、お前か?人間。」
怖い...かも、いや、普通に怖いわ、何この悪魔、絶対下位の悪魔なんかじゃない
髪を鷲掴みにされて無理矢理頭を上げさせられる。
髪の毛千切れて禿げたらどうしてくれるこの悪魔め!
いや、悪魔か。
「カヒュッ、そ...ですっ。私がっ...召喚しましっ...たっ!」
いや、本当何この重圧、半端ない!
息するのもやっとなんですけど!!
「そうか、お前が私を召喚したのか。何のために召喚した?そこに転がっているガキの呪いのためか?」
「っ!そりゃ、話がっ、早いな!」
「ふむ、だがこの私に願いを叶えて欲しいのであればいささか代償が足りぬな。本来ならお前の命と引き換えに召喚されるくらいなのだが...」
「なっ!イズ...っ!やめっ」
「貴様にしゃべる事を許可した覚えはないぞ」
「ひっ!」
そう言うとメイルに殺気を飛ばす悪魔。
「お前っ!の...悪魔のっ、位はっ」
「ん?私か、私は悪魔公爵だ。」
なんと...悪魔公爵だと!?
何でそんな大物が!
だけどチャンスでもあるな、悪魔公爵ともあればこいつに解けない呪いなどありはしないだろう。
「り...とり...ひきっ、しよう」
「ほう、聞くだけ聞いてやろう」
「俺のっ、魂...っ、寿命っ、なったら...くれてやる!だからっ...契約しろ!」
そう、どうせここに呼んだ時点で俺の命詰んでるのであればせめて寿命を迎えて死にたい。
すると悪魔公爵が仄暗い光を瞳に宿し何故か頬を赤く染めて笑った
「クヒヒッ、魂を私にやると言うことは輪廻転生の輪にはもう二度と戻らずに私と共にずっといると言うことだ。それでいいのか?」
「ああっ、だが!俺が天寿を全うっ...する事がっ...条件だっ!」
「クヒヒッ、いいだろう」
悪魔公爵がパチンと指を鳴らすとさっきまで感じていた重圧が嘘の様に消えた。
「人間、名は?」
「ゲホッ、イズリル。イズリル・バードナー。お前は?」
「名は無い、イズリル、お前が決めろ」
名前か、黒曜石みたいな綺麗な髪色だから
「オブシディアン、お前の髪の毛の色だ。」
「オブシディアン」
悪魔公爵、改め、オブシディアンがそう言うとさっきまで真っ黒だった左の瞳が赤色に染まった。
「え、なんか瞳が赤になった...」
「イズリルは左目が黒くなってるぞ鏡を見てみろ」
「えーっ!ほ、本当だ!黒目だ懐かしい!」
「懐かしい?」
「あ、いやその、夢の中で黒目の自分を見たことがあって、はは。」
「ふん、まあ今はいいだろうそれより契約は成された。イズリルの魂はお前の死後私が貰うぞ」
「ああ、構わないよ、そっちもちゃんと約束守ってくれるならね、まずはメイル様の呪いを解いて俺の命尽きるその時まで守ってもらうからな」
「まて、守るだと?」
「当たり前だろ、俺は天寿を全うする事が条件だと言ったはずだが?」
「小賢しいやつだな、まあいい、その命尽きる時まで守ってやろう。」
「よし、これで解決するぞ、メイル様!」
「か、解決なんてっ、するわけ、ないだろう!イズリルの綺麗な赤い目がっ、片目だけとはいえ黒くなったんだぞ!それに魂までなんてっ!どうしてそんなに笑っていられるんだ!!」
「俺の見た目怖いか?」
「違う違う!そんな事どうでも良い!なぜお前は俺のためにそこまでしてくれるんだっ!俺にそんな価値ない!!」
「そんなの決まってるだろ、困ってる友達がいたから、ただ助けたいと、そう思っただけだ。他の誰でもない、メイル様だったから力になりたいと、そう思ったんだよ。」
「イズリルは馬鹿だ、大馬鹿者だ。」
ボロボロと涙を流すメイル。
オブシディアンはつまらなさそうな目でメイルを見ている。
その目やめろ。
「本当に私がこのガキのために呪いを解かないといけないのか?」
「何のためにお前を呼んだと思ってるんだ、こちとら命かけてんだぞ」
「クヒヒッ、そうだったな、では呪いの元凶を辿ってやろう。」
そう言うとオブシディアンはメイルの頭を鷲掴みにする
「ちょっ、もっと丁寧に扱って!」
「お前以外はどうでも良い」
何こいつ疲れる!
そんな事を思っているとオブシディアンの手から闇がブワッと広がった。
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