6 / 39
やはり断罪は無理の様です
しおりを挟む
卒業パーティーの会場には既に多くの方々が来ており、ドレスに着替えたマリアーナはユリアスの手を借り、馬車から降りた所で既に会場に来ていたルシルから声を掛けられた。
「マリ、これを中に入ったら発動してくれ」
ルシルから渡された魔法陣を受け取り、マリアーナが首を傾げた。
「これで何が分かるんですか?」
「見ててごらん。きっと女狐の化けの皮が剥がれるから」
「ルシル、えげつないぞ」
「良いんだよ。マリに迷惑を掛けた奴に遠慮なんてする必要ないだろ」
「マリアーナが絡むと容赦ないな」
楽しげに笑うルシルを、ユリアスが呆れた顔でたしなめた。
「多分、これは魔術返しの魔法陣ですから、術者は悶絶しますが」
渡された魔法陣を見ながらマリアーナがルシルに確認する様に聞いた。
「気にするな。掛けたほうが悪い」
「では、この簪で発動した方がいいですか?」
マリアーナが簪、と言っているのは、見た目は複雑な彫刻がされた硝子ペンの様な虹色に光る棒で、房飾りなどは付いていない。
「そこまで念入りにしなくても、あの女狐にはマリの力を跳ね返す防御力は無いね」
髪に刺した水晶の簪に触れながら、マリアーナも呆れた、と言いたげにルシルを見て、頼まれた通り会場に入って魔法陣を発動させると、会場の中央部分から魔獣のような悲鳴が上がった。
「まともに食らったみたいだな」
「その様ですね。弾かれる感覚がまるでありませんでした」
ユリアスとマリアーナは呆れながら悲鳴の上がった方に目を向けた。
魔術返しを喰らって悶絶してるのは、案の定、ゲーム内のヒロインであるフローラ・デブリ男爵令嬢。
ピンクのドレスを着た、18禁のゲームヒロインらしく、スタイルがとても良いですね。
容姿もあざと可愛い感じで、トーマス様を筆頭に攻略対象の3人は下僕感満載だった。つい先日までは、ね。
この一年、ヒロインを避けまくっていたロイド先生は別にして、攻略対象はトーマス様に騎士団員の息子のハモンド・タガー子爵令息と商人の息子の二クラス。
彼らは気持ち悪いほどデブリ男爵令嬢に集っていた。
ですが、トーマス様以外の彼らは1週間前からヒロインのデブリ男爵令嬢とは距離を取ろうとしていた。
何があったのでしょう?
あれほどデブリ男爵令嬢にべたべた貼り付いていたのに。
トーマス・ダスト伯爵令息は……。
放置しておきます。元々良い関係じゃ無かったから、ね。
それに、今も悶絶しているデブリ男爵令嬢の脇でオロオロしてるだけで何も出来てませんから。
ああなっては私を断罪、出来ませんね。
「マリ、これを中に入ったら発動してくれ」
ルシルから渡された魔法陣を受け取り、マリアーナが首を傾げた。
「これで何が分かるんですか?」
「見ててごらん。きっと女狐の化けの皮が剥がれるから」
「ルシル、えげつないぞ」
「良いんだよ。マリに迷惑を掛けた奴に遠慮なんてする必要ないだろ」
「マリアーナが絡むと容赦ないな」
楽しげに笑うルシルを、ユリアスが呆れた顔でたしなめた。
「多分、これは魔術返しの魔法陣ですから、術者は悶絶しますが」
渡された魔法陣を見ながらマリアーナがルシルに確認する様に聞いた。
「気にするな。掛けたほうが悪い」
「では、この簪で発動した方がいいですか?」
マリアーナが簪、と言っているのは、見た目は複雑な彫刻がされた硝子ペンの様な虹色に光る棒で、房飾りなどは付いていない。
「そこまで念入りにしなくても、あの女狐にはマリの力を跳ね返す防御力は無いね」
髪に刺した水晶の簪に触れながら、マリアーナも呆れた、と言いたげにルシルを見て、頼まれた通り会場に入って魔法陣を発動させると、会場の中央部分から魔獣のような悲鳴が上がった。
「まともに食らったみたいだな」
「その様ですね。弾かれる感覚がまるでありませんでした」
ユリアスとマリアーナは呆れながら悲鳴の上がった方に目を向けた。
魔術返しを喰らって悶絶してるのは、案の定、ゲーム内のヒロインであるフローラ・デブリ男爵令嬢。
ピンクのドレスを着た、18禁のゲームヒロインらしく、スタイルがとても良いですね。
容姿もあざと可愛い感じで、トーマス様を筆頭に攻略対象の3人は下僕感満載だった。つい先日までは、ね。
この一年、ヒロインを避けまくっていたロイド先生は別にして、攻略対象はトーマス様に騎士団員の息子のハモンド・タガー子爵令息と商人の息子の二クラス。
彼らは気持ち悪いほどデブリ男爵令嬢に集っていた。
ですが、トーマス様以外の彼らは1週間前からヒロインのデブリ男爵令嬢とは距離を取ろうとしていた。
何があったのでしょう?
あれほどデブリ男爵令嬢にべたべた貼り付いていたのに。
トーマス・ダスト伯爵令息は……。
放置しておきます。元々良い関係じゃ無かったから、ね。
それに、今も悶絶しているデブリ男爵令嬢の脇でオロオロしてるだけで何も出来てませんから。
ああなっては私を断罪、出来ませんね。
799
あなたにおすすめの小説
『婚約破棄されたので王太子女となります。殿下より上位です』
鷹 綾
恋愛
「君は王太子妃に相応しくない」
その一言で、私は婚約を破棄されました。
理由は“真実の愛”。選ばれたのは、可憐な令嬢。
……ええ、どうぞご自由に。
私は泣きません。縋りません。
なぜなら——王家は、私を手放せないから。
婚約は解消。
けれど家格、支持、実務能力、そして民の信頼。
失ったのは殿下の隣の席だけ。
代わりに私は、王太子女として王政補佐の任を命じられます。
最初は誰もが疑いました。
若い、女だ、感情的だ、と。
ならば証明しましょう。
怒らず、怯えず、排除せず。
反対も忠誠も受け止めながら、国を揺らさずに保つことを。
派手な革命は起こしません。
大逆転も叫びません。
ただ、静かに積み上げます。
そして気づけば——
“殿下の元婚約者”ではなく、
“揺れない王”と呼ばれるようになるのです。
これは、婚約破棄から始まる静かな逆転譚。
王冠の重みを受け入れた一人の女性が、
国を、そして自分の立場を塗り替えていく物語です。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
本物の『神託の花嫁』は妹ではなく私なんですが、興味はないのでバックレさせていただいてもよろしいでしょうか?王太子殿下?
神崎 ルナ
恋愛
このシステバン王国では神託が降りて花嫁が決まることがある。カーラもその例の一人で王太子の神託の花嫁として選ばれたはずだった。「お姉様より私の方がふさわしいわ!!」妹――エリスのひと声がなければ。地味な茶色の髪の姉と輝く金髪と美貌の妹。傍から見ても一目瞭然、とばかりに男爵夫妻は妹エリスを『神託の花嫁のカーラ・マルボーロ男爵令嬢』として差し出すことにした。姉カーラは修道院へ厄介払いされることになる。修道院への馬車が盗賊の襲撃に遭うが、カーラは少しも動じず、盗賊に立ち向かった。カーラは何となく予感していた。いつか、自分がお払い箱にされる日が来るのではないか、と。キツい日課の合間に体も魔術も鍛えていたのだ。盗賊たちは魔術には不慣れなようで、カーラの力でも何とかなった。そこでカーラは木々の奥へ声を掛ける。「いい加減、出て来て下さらない?」その声に応じたのは一人の青年。ジェイドと名乗る彼は旅をしている吟遊詩人らしく、腕っぷしに自信がなかったから隠れていた、と謝罪した。が、カーラは不審に感じた。今使った魔術の範囲内にいたはずなのに、普通に話している? カーラが使ったのは『思っていることとは反対のことを言ってしまう魔術』だった。その魔術に掛かっているのならリュートを持った自分を『吟遊詩人』と正直に言えるはずがなかった。
カーラは思案する。このまま家に戻る訳にはいかない。かといって『神託の花嫁』になるのもごめんである。カーラは以前考えていた通り、この国を出ようと決心する。だが、「女性の一人旅は危ない」とジェイドに同行を申し出られる。
(※注 今回、いつもにもまして時代考証がゆるいですm(__)m ゆるふわでもOKだよ、という方のみお進み下さいm(__)m
乙女ゲームの悪役令嬢になったから、ヒロインと距離を置いて破滅フラグを回避しようと思ったら……なぜか攻略対象が私に夢中なんですけど!?
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「イザベラ、お前との婚約を破棄する!」「はい?」悪役令嬢のイザベラは、婚約者のエドワード王子から婚約の破棄を言い渡されてしまった。男爵家令嬢のアリシアとの真実の愛に目覚めたという理由でだ。さらには義弟のフレッド、騎士見習いのカイン、氷魔法士のオスカーまでもがエドワード王子に同調し、イザベラを責める。そして正義感が暴走した彼らにより、イザベラは殺害されてしまった。「……はっ! ここは……」イザベラが次に目覚めたとき、彼女は七歳に若返っていた。そして、この世界が乙女ゲームだということに気づく。予知夢で見た十年後のバッドエンドを回避するため、七歳の彼女は動き出すのであった。
老婆令嬢と呼ばれた私ですが、死んで灰になりました。~さあ、華麗なる復讐劇をお見せしましょうか!~
ミィタソ
恋愛
ノブルス子爵家の長女マーガレットは、幼い頃から頭の回転が早く、それでいて勉強を怠らない努力家。さらに、まだ少しも磨かれていないサファイアの原石を彷彿とさせる、深い美しさを秘めていた。
婚約者も決まっており、相手はなんと遥か格上の侯爵家。それも長男である。さらに加えて、王都で噂されるほどの美貌の持ち主らしい。田舎貴族のノブルス子爵家にとって、奇跡に等しい縁談であった。
そして二人は結婚し、いつまでも幸せに暮らしましたとさ……と、なればよかったのだが。
新婚旅行の当日、マーガレットは何者かに殺されてしまった。
しかし、その数日後、マーガレットは生き返ることになる。
全財産を使い、蘇りの秘薬を購入した人物が現れたのだ。
信頼できる仲間と共に復讐を誓い、マーガレットは王国のさらなる闇に踏み込んでいく。
********
展開遅めですが、最後までお付き合いいただければ、びっくりしてもらえるはず!
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
現聖女ですが、王太子妃様が聖女になりたいというので、故郷に戻って結婚しようと思います。
和泉鷹央
恋愛
聖女は十年しか生きられない。
この悲しい運命を変えるため、ライラは聖女になるときに精霊王と二つの契約をした。
それは期間満了後に始まる約束だったけど――
一つ……一度、死んだあと蘇生し、王太子の側室として本来の寿命で死ぬまで尽くすこと。
二つ……王太子が国王となったとき、国民が苦しむ政治をしないように側で支えること。
ライラはこの契約を承諾する。
十年後。
あと半月でライラの寿命が尽きるという頃、王太子妃ハンナが聖女になりたいと言い出した。
そして、王太子は聖女が農民出身で王族に相応しくないから、婚約破棄をすると言う。
こんな王族の為に、死ぬのは嫌だな……王太子妃様にあとを任せて、村に戻り幼馴染の彼と結婚しよう。
そう思い、ライラは聖女をやめることにした。
他の投稿サイトでも掲載しています。
婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~
ゆうき
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。
そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。
シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。
ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。
それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。
それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。
なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた――
☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆
☆全文字はだいたい14万文字になっています☆
☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる