紬ちゃんの青春日記

タカユキ

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秘密の条件

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「うん、今日ちょっと張り切り過ぎちゃたかな。楽しみだったから。」
照れながら泉ちゃんが靴を履き替えた。

「デートだから?」
正直なところ私は、泉ちゃんと明君の関係について知りたいから映画館に来た。

「そう…そうだね。でもひょっとしたら喧嘩になっちゃうかも。それでも紬ちゃんとお喋りしたいし、デートしたい。」

デートか、まさか女の子と初デート…いやいやおかしいって。デートじゃなくて、事情聞くために追加で遊んでるだけ。

さて映画に専念すっか。
映画じゃなくて、私を見てたら嫌だなと心配してたけど、映画が始まると泉ちゃんは、しっかりと画面を注視していた。

「面白かったね、魔法少女。」
私が隣の泉ちゃんに話しかけると…号泣していた。

何こいつ…泣くほど?

「めっちゃくちゃ良かったです。うぅ…私感動しました。もう…あああ、紬ちゃんと見たから、余計に胸に来て、あうぅ。」

…やばいやつや。けど、それと同時に泉ちゃんって結構…良い子なのかも。

「優しいんだね、泉ちゃんは。泣くなんてさ、そんな感動したんだ?」

「はい、はぁ~」
紬ちゃんが辛そうに返事をした。

「ねぇ泉ちゃん、わざとやってるわけじゃないよね? ハンカチで顔拭ってるんかと思ったら、雑巾じゃね? それ?」

指を指して、私は呆れて指摘する。

「あれ? 本当だ。私間違って持ってきちゃってた。」

「そんなもんで拭くのは駄目だよ。私のハンカチ貸してあげるから。」
私は泉ちゃんの顔を拭って、彼女の手に押し付けた。

「優しい…これ以上好きにさせないで。」
また号泣し始めた。いや友達なら普通の事だからね? まったく。

「それで、明君から何を言われたの?」

早速本題に入る質問をした。

「…ええと、付き合ってくれって言われました。紬ちゃんこのハンカチ貰って良い? ホワイトデーのお礼という感じで。」

やっぱりかー。くっそ~でもこの感じなら断ったのか。まぁ一応聞くけど。

「どうぞ、それで返事はなんで返したの?」
食い入る様に彼女の声を聞いた。

「気になりますか?」
彼女が勿体ぶる。

当たり前だろ~。こっちは好きなんだから、明君のことがよー。

「うん、教えて貰えると嬉しいなぁ~。」 

教えろ~はやくぅ。とは言えない。出来るだけ、甘える声を出して聞いた。

「秘密です、って言ったらどうします?」

そんな、ふざけたー。こいつめっ。揶揄いなのかな? それとも何かよからぬことでも、考えてるんじゃ?

「私達友達だよね? 秘密か~、それなら仕方ないか…でも秘密は私達の中でなしでしょ?」
 
くぅ、やっぱり気になるぅ。もちろん断ったんだろうからそこまでじゃないけど。

「待ってました、その言葉を聞きたかったんです。私達の中で秘密は無い、その通りです。紬ちゃん絶対忘れないでくださいね。」

やっぱり~揚げ足取られた! これで秘密が出来なくなった。やるなぁ、こいつ。

「私条件付きで、明君と付き合う事にしました。」

そうかそうか、条件つけて断った…ん? 付き合う事にした? 

「なんで? 嘘だよね? 泉ちゃん私のことが好きなんだよね?」

「はい、けど、紬ちゃんとこのままだと付き合えないんで、なら彼氏作ってもいいかなって。」

「そりゃそうだけど…でも明君の事好きなわけじゃないんだよね?」
声が震えてる。ショックで今にも泣き出しそう。
これ夢? なんで2人が…まさか2人で私のこと弄んでる?

「好きなのは紬ちゃんです。明君と付き合って、もしかしたら、明君の事好きになれたら良いかもしれないですね。」

なんで明君なの? よりによって…彼女の表情は、嘘ついてない。本当にそう思ってるんだ。

「条件って? と言うかさ、私が明君の事好きだって知ってた?」

怒りで身体が震える。断ってよ! 私のために…でもそれは、私の身勝手かも。他人の恋を止める事は出来ない。

「…バレンタインデーから、私紬ちゃんの様子見てて…明君の事好きなんだって…悔しくて明君を睨んでました。それから、明君が私のこと好きになったみたいで。不思議ですよね、人って。」

そんな…そんな話ってないよ。まだバレンタインデーから1カ月も経ってないのに。

「それで、条件は?」
魂の抜けた、抜け殻の様に私は立ち尽くして聞いた、

「私ドジで、運動音痴で人から冷たくされてるので、守って下さいって。もう一つの条件は、大事な友達紬ちゃんには、優しく接して下さい。これが、私の出した条件だよ。」
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