手向け花を捧ぐーREー

井上なぎさ

文字の大きさ
37 / 102
第37話

「お前見てるとイライラするんだよ」

しおりを挟む
これはまだキキョウが幼い頃のお話。






ガチャリ



キキョウ「・・・ただいま」

この頃まだ小学生だったキキョウは顔に傷を作ったまま家に帰ることが多かった。
家の扉を開けるとそこには帰りを待っていた祖母がいた。
否、キキョウの祖母ではなく親戚なのだが。




「おかえりなさい、シンアちゃん・・・。シンアちゃん・・・?!どうしたのその怪我は・・・!」

キキョウ「・・・階段から落ちた」

「・・・本当なの?その話・・・。だって毎日毎日怪我して帰ってくるじゃない」


キキョウはなにも言わず、祖母の横を走り抜けると二階へと上がり部屋に閉じこもってしまった。



「ちょ、シンアちゃん!?ご飯は!?」

そんな祖母の声などキキョウに届くことはなかった。








ーーーー
私は物心ついた時には祖母と二人暮らしをしていた。
両親は、居ない。
親戚の祖母が家に遊びにくる日曜日・・・。
そんなある日に家が火事になって・・・。

父も、母も、叫び声をあげて、焼け死んでいくのを見た。

私はそんな父と母に手を伸ばして助けに行こうとしたが、救助に来た消防士により確保されて焼かれてしまった家から連れ出されることになった。




それからは祖母の家に引き取られることになって。いまだにあの日の記憶が鮮明に残っている。


だがそんな祖母も・・・。
俺の・・・私の面倒を見てくれた祖母は・・・今ではもう、この世に居ないのだが・・・。
ーーーー






その日の夜



祖母はキキョウの部屋の前に来ると、


「シンアちゃん。明日はおばあちゃんが車で学校に送ってあげるわ。
おばあちゃんは、シンアちゃんのことが心配なのよ・・・。今でもあの日の出来事を・・・心に傷を負っているはずだもの・・・。


ご飯、ドアの前に置いておくから、少しでもいいから食べてね。」


そう言うと祖母はご飯をドアの前の床に置くと、1階へと降りていく。

キキョウは足音が遠ざかるのを耳にしながらも、しばらくするとベッドから起き上がり部屋の扉をゆっくり開ければ扉の前にはラップされたご飯が置いてあった。

キキョウはそれを無言で見つめたあと、ラップを剥がして口にした。






時刻が夜中の12時を刺し示したところで、
キキョウはリビングに来ると、ソファーで寝ている祖母の姿があった。


キキョウはそんな祖母を見ると祖母に毛布をかけてあげれば、祖母はうっすら目を開けた。



「ん・・・あら・・・?シンア、ちゃん!?あらやだ私ったら、こんな時間にこんなとこで寝てるなんて・・・!」


ふと机に目をやると、そこにはキレイに完食されたお皿が置かれていた。





シンアちゃん・・・ちゃんと食べてくれたのね・・・。

あの事件があった日から、シンアちゃんは笑うことが少なくなった・・・。シンアちゃんが今よりもう少し小さい頃は遊びに行った時には私に懐いてくれて、楽しそうに笑っていたのに・・・。


「シンアちゃん。毛布かけてくれたのね。ありがとう」

それに対しキキョウは何も言わずに祖母から顔を背ける。


「私はまだ洗い物が残ってるから、シンアちゃんはもう寝たほうがいいわ。明日も学校あるのでしょう?」

そう笑って言う祖母はソファから立ち上がり机の皿を持ち台所へと行こうとする祖母の背中にキキョウは抱きついた。


「シンアちゃん・・・?どうかしたの?」

祖母はシンアに振り返り、目線が合うように膝をつく。

「寂しくなっちゃったのかな?大丈夫よ。私がいるし、シンアちゃんの側にずっといるから。どこにも行かないわよ」


キキョウは顔を俯かせ、祖母はキキョウの言葉に耳をすませていればやがて小さい声が漏れだした。




キキョウ「・・・ね・・・」

「え、?」

キキョウ「・・・一緒に寝て」


一瞬驚く祖母ではあったが、優しく微笑むと「ええもちろん。一緒に寝ましょうか」


と、その日の夜は祖母とキキョウは一緒の部屋のベッドにて眠りへとつくのだった。









次の日の朝。


祖母の車で学校まで送ってもらうことにしたキキョウ。だけどキキョウは学校前までは送らなくいいらしく、学校まで少し歩くが、「ここまででいい」と言って車を降りるキキョウ。


「それじゃ今日の夕方またここに迎えに来るわね。」

キキョウは頷くと歩き出す。
それを見送り祖母も車をUターンさせて道を引き返して行った。





校門の前には転校生のデーナがいた。
なにかを拾い集めてるようで、そんなデーナと目が合うキキョウ。
キキョウは軽くお辞儀すると校門をそそくさと潜った。
カトレアはそんなキキョウの背中を無言で見つめていた。






第一印象は変わった感じの転校生だった。
デーナ、か・・・。
挨拶する時も、神様の生まれ変わりだとかって言っていた。

神様を信じているから・・・俺なんかが関わっていいお人ではない。そう確信したんだ。






ーその日の放課後。


「なぁシンア。ちょっと付き合えよ」


まただ。また、この時間が始まった。地獄の時間。

2人の男の子達から連れてこられたのは裏庭。

「なぁ。俺彼女に振られたんだけどさー。何故だと思う??お前が好きなんだとさ!」


そう言ってキキョウの腹を蹴る生徒。キキョウは腹を押さえてその場にうずくまる。



「さすがに顔はやめてあげようぜ。毎日怪我してんじゃ親も心配するだろうし」

「こいつを心配してる奴なんかいんのか?」

キキョウ「・・・!」


「まぁでもそっか。顔はやめてあげる。こんな弱い男のどこがいいんだがなぁ?学校じゃあんま喋んないし、いつも無表情だし」

「お前見てるとイライラするんだよ」

腹いせに殴られてる毎日。
誰になんと言われようと、反論しようとは決しておもわなかった。けど、その日はどこか違ったようだ。




「お前見ててイライラする理由分かったわ。その髪だよ。自分で後ろ結んでんの?それとも親から??どうでもいいけど、いっそのこと髪をオシャレに切ってあげるよ」
そう言って隠し持っていたハサミを取り出すクラスの男の子。


キキョウは祖母から髪を結んでくれたことを思い出し、
「やめろ」と小さく口にする。

「あ?なんか言ったか??」

と、その時だった。




「いやぁぁあ!!」
学校中に響き渡る悲鳴。


その声に聞き覚えがあった男の子はキキョウから離れ裏庭から正門の方に顔を覗かせた。


「あ、あれ・・・アミカ・・・?」


そのアミカと呼ばれた女の子はどうやら彼女に振られたと言っていた女の子なのだろう。そのアミカはカトレアを怯えた顔で見つめてその場を動けずにいた。



「あ・・・あ・・・っ」


み、皆・・・。
クラスの子が・・・と、鳥に・・・。
デーナちゃんは、なに・・・したの・・・?


それに、さっき一瞬だけデーナちゃんの瞳が赤く光ったような・・・?

気の、せい・・・?



私もいるのに、私だけ鳥にならなかったのって・・・。


皆・・デーナちゃんと視線を交えていたから・・・?







カトレア「まだ、足りない。もっと・・・」



もっと、友だちを・・・。




カトレアの足元には無数の鳥が地に落ちていて、
そんな異様な光景に言葉をなくすしかなかった。
カトレアは地に落ちている鳥を一羽ずつ拾い集めているようだった。




ただ、なんとなくそこにいたら危ない気がした男の子は「アミカ!」と呼ぶとアミカは顔だけを裏庭の方に向ける。



「あ・・・ワタル・・・」


アミカはずっと足が地面から離れなかったがワタルと呼んだ男の子を見つけた途端に足が自然と地を離れ、
アミカはワタルの方へと一目散に駆け出した。



「アミカ!早くこっちに!」

ワタルはアミカに手を伸ばしアミカも必死に走りながらワタルに目一杯手を伸ばしていた。


カトレア「・・・ダメ。逃げるなんて。」

「・・・!」


カトレアの呟く声が聞こえたのか、アミカはカトレアの方に振り返ってしまった。


カトレア「皆。わらわの友達にするんだから」

カトレアはアミカの方に顔を向けていて、
カトレアの瞳が赤く光る。その赤い瞳を見てしまったアミカ
も、鳥の姿に変わりその場に落ちた。


アミカが鳥になるところを見たワタルはハサミを出す。




「お、おい、あの転校生やばいんじゃないか・・・?
こっちに向かってきてるし・・・。は、早く早く逃げようぜ!」

「逃げる・・・わけないだろ」

「わ、ワタル・・・。お前まさか・・・」




カトレア「あ。まだそこにも居たのね。」

カトレアはワタル達の存在に気が付き裏庭の方に足を進めていると、
ふと下からグチャと何かを潰した音が鳴る。

カトレアは視線を下に向ければ、
そこは確か鳥にされたアミカが居た場所で踏んづけてしまった事でその場は血が飛び散っていた。



カトレア「あぁ・・・わらわの友達にしようと思ったのに、踏んじゃった。まぁでも、一人二人減ったところでまた新しく友達作ればいいのだし。
・・・この力を使うと目が痛いわ」

カトレアは目を押さえていると、裏庭からハサミを持ったワタルが飛び出してくる。



「この・・・化け物がああああぁ!!!」


カトレアは目が痛すぎて目を瞑っていれば、
すぐそこにワタルが迫ってきていてカトレアに飛びかかるとハサミをカトレアの目に突き刺した。


カトレア「!ああぁぁ!!」

「よくも・・・アミカを・・・!!!」

カトレアは地面に倒れたことで腕の中に集めていた鳥たちは地面に落とされる。
そんなカトレアの上に跨り今度は逆の目にハサミを突き立てようとしたところで、キキョウが裏庭から飛び出してワタルを突き飛ばした。


「いって・・・!」


そんなワタルには見向きもせず、キキョウは倒れているカトレアに駆け寄る。


キキョウ「・・・大、丈夫、ですか?」

キキョウがそう声をかけるとカトレアは目を押さえながらキキョウを見上げる。キキョウはそんなカトレアに手を差し伸ばしていた。



地面に転がっていた
ワタルもやがてゆっくりと体を起こした。


「おまえ・・・どういうつもり・・・そいつの味方するのかよ!!」



キキョウはそう叫ぶワタルに目もくれずカトレアが起きあがるのを手伝っていると、

「おれを・・・おれを無視すんなぁぁぁあああ!」
ワタルはハサミを持ちキキョウに駆けていく。

キキョウは反応できずにいればカトレアがキキョウの手を借りて立ち上がるとキキョウをその場から押し退ける。

そしてハサミにて突き立てられてた目を押さえたまま、
もう片方の目で赤く光らす。ワタルはその瞳を見てしまい一瞬にして鳥の姿になってしまう。



「ひ・・・わ、ワタル・・・」


裏庭からその光景を見ていた男の子はこっそりと逃げ出すことにした。
それをカトレアは横目で見ていたが、特に追うことはせずハサミにて突き立てられた方の瞳から手を離してその手を見つめる。


カトレア「あぁわらわはもう、人間ではないのね」

突き立てられた瞳から大量の血が流れていたはずが、すぐに傷が癒えていた。


キキョウ「貴方・・・何故わらわを庇った?」

キキョウ「・・・俺には・・・、神様が必要・・・だったから」

キキョウ「神様の生まれ変わりだって言ったの、信じてくれるの?」

キキョウ「・・・信じてましたよ。初めから。」

キキョウ「そう・・・。貴方、名はなんという?」

キキョウ「シンア=レイズ・・・。同じクラスだったかと・・・」

キキョウ「あら?そうだった?
影が薄くて気付かなかったかも。
でも、気に入ったわ。シンア=レイズ。貴方、わらわの元に来ない??」

キキョウ「?」

カトレア「わらわの神の元で、忠実な僕(しもべ)にならない??貴方がうんと頷くだけで、永遠に生きられる命と、力を捧げてあげる」



そこで最初に思い浮かんだのは祖母の顔だった。





・・・・おばちゃん。
ごめん。俺は・・・。



キキョウ「・・・断る義理はありません」


・・おばちゃんにはお世話になった・・・
でも・・・俺は・・・俺には行くべき場所ができました。
これからは神のもとで・・・。



カトレア「そう。それじゃ・・・」


グサ・・・



カトレアが近くに落ちてたハサミを拾うとキキョウの胸に強く突き刺した。






え・・・?




キキョウは状況についていけないまま後ろに倒れていきそのまま意識を失うことに。



カトレア「・・・ごめんなさい。言ってなかったと思うけど、神の元へ来るには一度死んでもらわないとダメなのよ」






大丈夫。すぐに会えるわ。






カトレアはその場に倒れているキキョウを見下ろしていた。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処刑台の皇妃、回帰して復讐を誓う ~冷酷公爵と偽りの婚約者~ おまえたちは許さない!

秦江湖
ファンタジー
皇妃エリアーナは、夫である皇帝アランと、たった一人の親友イザベラの策略により、無実の罪で処刑される。 民衆に罵られ、アランの冷酷な目とイザベラの嘲笑を「始まりの景色」として目に焼き付けながら絶命した彼女は、しかし、処刑の記憶を持ったまま三年前の過去に回帰する。 「おまえたちは許さない」 二度目の人生。 エリアーナの目的はただ一つ、自分を陥れた二人への完璧な復讐。 彼女はまず、アラン(皇太子)からの婚約内示を拒絶。そして、アラン最大の政敵である「北の冷血公爵」ルシアン・ヴァレリウスに接触する。 1周目で得た「未来の知識」を対価に、エリアーナはルシアンに持ちかける。 「貴方様には帝国の覇権を。わたくしには復讐の舞台を。そのための『契約婚約』を――」 憎悪を糧に生きる皇妃と、氷の瞳を持つ公爵。 二人の偽りの婚約の行く末は……

根暗令嬢の華麗なる転身

しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」 ミューズは茶会が嫌いだった。 茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。 公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。 何不自由なく、暮らしていた。 家族からも愛されて育った。 それを壊したのは悪意ある言葉。 「あんな不細工な令嬢見たことない」 それなのに今回の茶会だけは断れなかった。 父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。 婚約者選びのものとして。 国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず… 応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*) ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。 同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。 立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。 一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。 描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。 ゆるりとお楽しみください。 こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。

【完結】 嘘と後悔、そして愛

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
伯爵令嬢ソニアは15歳。親に勝手に決められて、一度も会ったことのない10歳離れた侯爵リカルドに嫁ぐために辺境の地に一人でやってきた。新婚初夜、ソニアは夫に「夜のお務めが怖いのです」と言って涙をこぼす。その言葉を信じたリカルドは妻の気持ちを尊重し、寝室を別にすることを提案する。しかしソニアのその言葉には「嘘」が隠れていた……

前世の祖母に強い憧れを持ったまま生まれ変わったら、家族と婚約者に嫌われましたが、思いがけない面々から物凄く好かれているようです

珠宮さくら
ファンタジー
前世の祖母にように花に囲まれた生活を送りたかったが、その時は母にお金にもならないことはするなと言われながら成長したことで、母の言う通りにお金になる仕事に就くために大学で勉強していたが、彼女の側には常に花があった。 老後は、祖母のように暮らせたらと思っていたが、そんな日常が一変する。別の世界に子爵家の長女フィオレンティーナ・アルタヴィッラとして生まれ変わっても、前世の祖母のようになりたいという強い憧れがあったせいか、前世のことを忘れることなく転生した。前世をよく覚えている分、新しい人生を悔いなく過ごそうとする思いが、フィオレンティーナには強かった。 そのせいで、貴族らしくないことばかりをして、家族や婚約者に物凄く嫌われてしまうが、思わぬ方面には物凄く好かれていたようだ。

叶えられた前世の願い

レクフル
ファンタジー
 「私が貴女を愛することはない」初めて会った日にリュシアンにそう告げられたシオン。生まれる前からの婚約者であるリュシアンは、前世で支え合うようにして共に生きた人だった。しかしシオンは悪女と名高く、しかもリュシアンが憎む相手の娘として生まれ変わってしまったのだ。想う人を守る為に強くなったリュシアン。想う人を守る為に自らが代わりとなる事を望んだシオン。前世の願いは叶ったのに、思うようにいかない二人の想いはーーー

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

退屈令嬢のフィクサーな日々

ユウキ
恋愛
完璧と評される公爵令嬢のエレノアは、順風満帆な学園生活を送っていたのだが、自身の婚約者がどこぞの女生徒に夢中で有るなどと、宜しくない噂話を耳にする。 直接関わりがなければと放置していたのだが、ある日件の女生徒と遭遇することになる。

処理中です...