手向け花を捧ぐーREー

井上凪沙

文字の大きさ
上 下
7 / 102
第7話

「私の憧れですから!」

しおりを挟む
1年は女子と男子で丁度5人ずつで半々に分かられるので女子は女子、男子は男子の組を作って聞き込みをすることに。




リチア「す、すみませーん!」
リチアは馬車を見つけると引き止める。

「どうしたんだいキミたち...は、騎士学校の制服・・・?」

リチア「あ、はい。騎士学校の1年です。入学したてで初の任務に来てまして。それで聞きたいのですが・・・」


そのリチアの会話の様子を見ている人物がいた事を、この時のリチアらは知らない。




「おお、話でも聞くわ。子供が行方不明になっていて誰も犯人の顔は知られてないらしい。だからこんな人混みのなかには姿を現さないだろう。夕方か夜に動くはず・・・」

リチア「その人身売買してる人たちも馬車を利用してるって聞いたので、こうやって聞き込みをしているんです。
根城がどこにあるかは・・・?」

「いや、知らないな」

リチア「そう、ですか。ご協力感謝しました。」

そして馬車は走っていく。




ケイリィ「リチア!」

男子たちはリチアたちを見かけると駆け寄ってくる。

リチア「ケイ。そちらはどうですか?」

ケイリィ「馬車を捕まえたけど根城なんて知らないって」

リチア「こっちも同じでした。でも、諦めません。たとえ一人になってでも根城を突き止めてラン先輩に褒めて貰うんですっ」

「リチアちゃんあの先輩のこと好きだったの??」

リチア「はい!私の憧れですから!ラン先輩は」

そう、あの出会いから・・・。



そしてリチアは脇道から出てきた一台の馬車を見つけ、その馬車へ駆け出す。それを見守るケイたち。



リチア・・・。



誰が信じるだろうか。本来死んだはずのリチアが、実際にこうして今ここに立って居るだなんて・・・。



リチア「すみません!少しお聞きしたいのですが」

?「はい」

リチア「最近子供が人身売買されてるっていう事件がありまして、ご存知ですか?」

?「えぇ。アジトがどこにあるかを探ってるんですよね?」

リチア「え、そう、ですけど。どうしてそれを・・?」

?「ずっと見てましたから。アジトお教えしましょうか?」

リチア「知ってるんですか!?」

?「ええ。案内しますのでどうぞ後ろに乗ってください」

リチア「はい!」


あ、そうだ。ラン先輩たちに報告を・・・




そのときだった。
馬車の二台のところからぬるっとリチアに手が伸びてきて、リチアがえ、と思ってそちらに顔を向けた瞬間顔面にスプレーをかけられたことにより
リチアはすぐに意識を手放した。それを支える謎の男。

男は口角を上げる。









ケイリィ「そう、ですか。ありがとうございました」

ケイリィは馬車の人から話を聞くもなにも得られず、馬車は走っていく。



そこでケイリィは気づく。


あれ??


リチア・・・?



リチアの姿だけが、いつの間にか居なくなっていた・・・。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

選ばれたのは美人の親友

杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。

私はいけにえ

七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」  ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。  私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。 ****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

形だけの正妃

杉本凪咲
恋愛
第二王子の正妃に選ばれた伯爵令嬢ローズ。 しかし数日後、側妃として王宮にやってきたオレンダに、王子は夢中になってしまう。 ローズは形だけの正妃となるが……

悪役令嬢にざまぁされた王子のその後

柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。 その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。 そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。 マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。 人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

未亡人となった側妃は、故郷に戻ることにした

星ふくろう
恋愛
 カトリーナは帝国と王国の同盟により、先代国王の側室として王国にやって来た。  帝国皇女は正式な結婚式を挙げる前に夫を失ってしまう。  その後、義理の息子になる第二王子の正妃として命じられたが、王子は彼女を嫌い浮気相手を溺愛する。  数度の恥知らずな婚約破棄を言い渡された時、カトリーナは帝国に戻ろうと決めたのだった。    他の投稿サイトでも掲載しています。

処理中です...