呪いの一族と一般人

呪ぱんの作者

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第六章 恋する呪いの話

番外編:言の葉集め

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***第一印象と今(碧真あおし日和ひより)***

総一郎そういちろう「碧真君と日和さんは、とても仲良くなりましたよね」

碧 真「勘違いです。眼科に行ってください」

総一郎「私以外の方が見ても、そう思う筈ですよ。一緒にいる時の雰囲気が、前と今では、全く違いますからね」

碧 真「はあ? 変わってないです。頭の神経でも擦り切れているんですか? 脳神経外科に行ってください」

総一郎「碧真君。先程から、やたらと病院に行く事を勧めていますが、私は正常ですよ」

碧 真「異常がある人間ほど、自分を正常だと思い込んでいるんです。取り返しがつかなくなる前に、早めに受診してください」

総一郎「ご忠告は有り難い事ですが、私は正常です。それに、これは仕事にも関わる話です。仕事上のパートナーとして、お二人がきちんと連携を取って仕事が出来ているか、上司である私は把握する必要がある」

碧 真「ニヤケ顔で言っても、説得力皆無です」

総一郎「仲良く仕事出来ていますか? 日和さんの事、どう思っていますか? どこまで仲が進展していますか?」

碧 真「取り繕うように真面目な顔をしても、後半にボロが出ていますよ」
総一郎「教えてください」

碧 真(圧がヤバい。何なんだよ、この人)
   「本当に何も変わっていませんから。話すことは無いです」

総一郎「では、私から質問しましょう。碧真君から見て、日和さんの第一印象は如何でしたか?」

碧 真「面倒なダメ人間」

総一郎(即答かつ、バッサリといきましたね)
   「今はどうです? だいぶ変わっているでしょう?」

碧 真「面倒なダメ人間。考え無しの無鉄砲。アホで間抜けな方向音痴」
総一郎(……属性が増えている)
碧 真「色気も無く、食い意地ばっかり張っている。能天気。学習もしない馬鹿ですかね」

総一郎「……咲良子さくらこさんの事は、どう思いますか?」

碧 真「は? 知りませんよ。興味ありませんから」
総一郎「ああ、やはりですか。それだけ悪口を言えるのは、碧真君が日和さんの事を、よく見ているからですね」

碧 真「……見ているんじゃなくて、勝手に視界に入ってくるんですよ」

総一郎「自然に見てしまうのですね。その気持ち、よく分かりますよ。照れなくてもいいですよ。碧真君にも、やっと春が」

碧 真「総一郎。病院に送っていきますよ」
総一郎「碧真君。それ、病院送りにするという意味ですよね? 拳を振り上げないで下さい」


***第一印象と今(日和→碧真)***

総一郎「日和さんと碧真君は、とても仲良くなりましたね」
日 和「”とても”とは言えないけど、前みたいな気まずさは無いですね」

総一郎「日和さんから見て、碧真君の第一印象はどうでしたか?」
日 和「最悪でしたね。人のことを引きずるわ、投げるわ、『餌』呼ばわりするわ。散々です」

総一郎「今はどうです?」
日 和「陰険鬼畜眼鏡ドS凶悪黒づくめもどき野郎ですね」

総一郎(二人して、相手への悪口が研ぎ澄まされていくのは何なのでしょうか?)

日 和「でも、何だかんだ言っても助けてくれますし。散々ダメな部分を見せているから、一緒にいて凄く気が楽です」

総一郎(意外に、日和さんからは好感触ですね。碧真君が知ったら、どのような反応をするでしょう? お二人共、甘い雰囲気になるかもしれませんね)

日 和「でも、やられっぱなしのままは嫌なんで。いつか、碧真君の背中に飛び蹴りを喰らわせたいと思っています。仕返しされる前に、ダッシュで逃げて行方をくらませる事が出来たら完璧ですね!」

総一郎(甘い雰囲気がダッシュで逃げ出した)


***咲良子の妄想(2章 呪いを探す話~最終話のお風呂後~)***

咲良子「はっ! 日和がいない! 美梅みうめのせいで、『Gカップおっぱい泡まみれ』の夢が遠のいた!」

美 梅「だ、だから、女性の……む、胸を軽々しく口にするんじゃないわよ!」

咲良子「軽々しくなんて言っていない。私は、溢れる愛と崇拝を持って、”おっぱい”と呼んでいる」

美 梅「そこじゃないわよ! 恥じらいを持ちなさいって言っているの!!」

咲良子「……泡まみれにしたおっぱい。おっぱいの上を伝って流れ落ちていく泡。おっぱいがあらわになっていく事を恥じらう女性。神秘と背徳さを感じさせるシュチュエーション。いい!!」

美 梅「あんた本当に女子高生なの!? 発言が変態そのものなんだけど!?」

咲良子「おっぱいの素晴らしさを前に、性別も年齢も関係ない。女性だって、素晴らしいマシュマロおっぱいを目にすれば、歓喜に打ち震えるでしょう? 触りたいし、もみしだいて、柔らかな感触をてのひらに収めて堪能したくなるでしょう!? 私の宝物のマシュマロおっぱいプレミアム写真集を貸してあげる。あれを見れば、おっぱいの偉大さと崇高さが脳髄まで染み渡って、脳内麻薬が大量に」

美 梅「そ、総一郎様ーっ!! 助けてくださーい!!(涙目)」



***日和の弟(五章 呪いを封印する話 ~お饅頭休憩後~)***


市佳いちか「日和さんの弟さんは、どんな人なの?」

日和「えっとね、私のことを『姉』と呼ばずに『変人』呼びしてくるかな。基本、塩対応でツンツンドライな子だよ。あ、でも碧真君ほどは尖ってないよ。碧真君を堅焼き煎餅に例えるとしたら、弟は卵ボーロくらい」

碧真「例えがおかしくないか?」
日和「卵ボーロが食べたい」
碧真「今まさに弟に例えたものを食おうとするな」



***加齢(五章 呪いを封印する話~日和と碧真の食事中~)***

日和「天丼とか昔は食べてたけど、今は無理だわ。確実に胃もたれする」
碧真「嘘つくなよ」

日和「いや、本当だって。年齢もあるんだろうけど。私、二十二歳の時には既に胃もたれしてたし。元から胃が繊細なのかも」

碧真「神経が図太いのに、内臓が繊細なわけがないだろう」

日和「何で私は胃の繊細さについて疑問視されているの? てか、神経図太いって何!? 絶対に褒め言葉じゃないよね!?」

碧真「俺が日和を褒めると思っていたのか? 無理だろう」
日和「思わないけど! 無理って何!? 私にだって、褒めるところの一つはあるでしょ!?」

碧真「皆無だな」
日和「ゼロ秒で返さないで! じっくり考えてみてよ!!」
碧真「生きている間に、見つけられる気がしない」

日和「……あれ? 何で私、胃もたれするって言っただけでけなされているの? 意味不明すぎない?」

碧真「まあ、脳みそはガキのままで、体は加齢が進んでいるってことだろう」
日和「話を纏めるついでに、サクッと人の心を刺していかないでよ!!」


***色気(六章 恋する呪いの話~日和と碧真の食事中~)***

日和「あー、でも本当に色気欲しいよ。色気ある人って、何食べて色気を放出しているんだろう? 薔薇?」

碧真「何で、すぐに食い物に走るんだよ。そんなんだから、食い意地しか滲み出てないんだよ」

日和「待って! もしかして私、相当食い意地張ってると思われてるの!? 嘘でしょ!?」

碧真「何故そう思われていないと思っているんだ?」
日和「真顔で困惑しないでよ! た、確かに食べるのは好きだよ! でも、それだけじゃないから!」

碧真「馬鹿でダメ人間な部分か」

日和「何で碧真君は、すぐに私の悪口に走るの? ……でも、確かに今のままじゃ、私の潜在的な色気が開花する気配がないし」

碧真「潜在的な色気が存在していると思っているのか? 自分自身を見誤りすぎだろ。眼球交換して来いよ」

日和「何そのパワーワード。碧真君。ちょっと、ほっぺ叩いていい?」
碧真「別にいいが、やるなら仕留められる覚悟を持ってやれよ」
日和「仕留めるって何!?」
碧真「まずは手足を拘束して、木に」
日和「いや、手順の説明いらないから! 怖い!」
碧真「どう足掻いても、色気は無いから諦めろ」

日和「まだ足掻きようがあると思うの! 誰かから色気をもぎ取るとか!」
碧真「不可能な事に縋りつこうとしている時点で終わりだな」
日和「…………泣いていい?」


***ハロウィン後日談(番外編 31歳苦労人のハロウィン)***

篤那あつな「そういえば、利運天流光りうんてんりゅうこうのみこと。ハロウィンの為に色々と用意していたと言っていたが、猫耳カチューシャだけだったのか?」

流光りゅうこう『いや、他にも尻尾と肉球グローブを用意していたぜ。俐都りと揶揄からかいながら、徐々に着けさせる気だったんだ。わざわざ猫神から換毛期に抜けた毛を貰ってきて、洗浄して、一本一本手作業で貼り付けて、二週間かけて作り上げた最高傑作だったのに。俐都に数秒で壊されるし』

俐都「お前は何処に労力を使ってんだよ」
篤那「猫耳だろう? 俐都、人の話はちゃんと聞かないとダメだぞ?」
俐都「そうじゃねえし、お前に人の話を聞けとか言われたくねえよ! バカ篤那!」

流光『猫の衣装の他には、ウサ耳とか、犬耳とかだな』
俐都「何で動物ばっかりなんだよ」
流光『俐都ちゃんは、小動物みたいだからな』
篤那「ああ。確かに」
俐都「俺の何処が小動物だ!?」
篤那・流光「『小さい所』」

俐都「息ぴったりに貶してんじゃねえ!! お前達がデカすぎんだよ!!」
篤那「確かに、俺は百八十三センチだから高めだな。俐都は百六……」
俐都「それ以上言うな!! 憐れみの目を向けるな!!」
流光『俐都ちゃんは小さいままでいいよ。ありのままの俐都ちゃんでいいんだよ』

俐都「流光! テメエ、笑い噛み殺してプルプル震えてんじゃねえよ! つうか、ちゃん付けすんな!」

篤那「俐都。大丈夫だ。例え、女性に間違われて今月六回はナンパされていても。仕事で女装させられた時に、有り得ない程に似合っていて、男性に襲われそうになった事があっても。女子高生と間違われて、男子高校生から本気の告白をされた事があっても。俐都は立派な男の子だ!」

俐都「嫌な記憶を掘り起こすな!!」
流光『それに関する話なら、まだあるぜ。俐都が中学生の時とか』

俐都「新情報を与えるな!! 俺の周りには、まともな奴がいねえのかよ!」

篤那「でも、俐都の体は不思議だな。腹筋が八個に割れていて、体脂肪率も五パーセント。かなりの筋肉量がある筈なのに、あまり筋肉が目立たない。よく見たら男だと分かる体つきだが」

俐都「だろう? ちゃんと見ろって話だよな。……って、よく見なくても男だと分かるだろうが! 何処からどう見ても、俺は大人の男だ!」

篤那「俐都。元気を出すんだ。周りが認めてくれなくても、願いを持つ事だけは許される。例え、叶わない夢幻ゆめまぼろしだとしても」

俐都「慰めると見せかけて、盛大に突き落としてくんな!!」

流光(……”俺より見た目がゴツくなるのが嫌だから”という思いが、俐都の体に作用しているなんて言えないな)

 
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