72 / 135
ピスタの街編
プロローグ 闇に蠢く
しおりを挟む
暗く、昏い闇の中。
何も目視できない深い漆黒の闇の中に、それは、いた。
《それデ……うマクいったノカ……》
何も無い筈の闇の中で、くぐもった声だけが空間に木霊する。
いや、それが声なのかも本当の所は良くわからない。その存在自体も何処にも認識出来ないのだから。
在るのはただ、漆黒の闇のみ。
ただ確かにそれはそこに存在していた。いや、存在していない筈が無い。それほどに、それは猛烈な瘴気のような、威厳のような、どす黒い圧を周囲に放っていたのだから。
「ククク……はい。四人共に覚醒に至りましたよ。とは言っても皆まだまだ取るに足らない存在デスケドネ」
表情は無いが、声だけ聞けば実に愉しそうに答える、その場にいるもう一つの存在。
グリアモール。
端から見ればただの一人言(独り言)のようにも見えるが、それらは言葉を交わしていた。いや、意思を通い合わせていた。
《……そうカ……》
それだけ呟くと、闇の中に先程まで満ちていた、確かにそこに在ったモノが、忽然と消え失せてしまった。
そこに佇む、一人取り残されたグリアモール。
「ククク……。まだまだコレカラダヨ……お楽しみハ」
そうしてグリアモールもその空間から掻き消えた……。
何も目視できない深い漆黒の闇の中に、それは、いた。
《それデ……うマクいったノカ……》
何も無い筈の闇の中で、くぐもった声だけが空間に木霊する。
いや、それが声なのかも本当の所は良くわからない。その存在自体も何処にも認識出来ないのだから。
在るのはただ、漆黒の闇のみ。
ただ確かにそれはそこに存在していた。いや、存在していない筈が無い。それほどに、それは猛烈な瘴気のような、威厳のような、どす黒い圧を周囲に放っていたのだから。
「ククク……はい。四人共に覚醒に至りましたよ。とは言っても皆まだまだ取るに足らない存在デスケドネ」
表情は無いが、声だけ聞けば実に愉しそうに答える、その場にいるもう一つの存在。
グリアモール。
端から見ればただの一人言(独り言)のようにも見えるが、それらは言葉を交わしていた。いや、意思を通い合わせていた。
《……そうカ……》
それだけ呟くと、闇の中に先程まで満ちていた、確かにそこに在ったモノが、忽然と消え失せてしまった。
そこに佇む、一人取り残されたグリアモール。
「ククク……。まだまだコレカラダヨ……お楽しみハ」
そうしてグリアモールもその空間から掻き消えた……。
0
小説家になろうにて4年以上連載中の作品です。https://ncode.syosetu.com/n2034ey/続きが気になる方はこちらでも読めますのでどうぞ。ブクマや感想などしていただけるととても嬉しいです。よろしくお願いいたします。
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

望んでいないのに転生してしまいました。
ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。
折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。
・・と、思っていたんだけど。
そう上手くはいかないもんだね。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる