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5章 浄化の旅編
1. 出発
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浄化の旅の準備が整い、出発の日、お城の広場には王様を含めて多くの人が見送りに出てくれている。
最初の浄化の旅はトルゴード国内の北東側を予定している。最初なので国内だけにして、次からは国外へも行く予定だ。
「聖女様、トルゴード王国内の浄化をお願いいたします」
「はい。任されました。行ってきます」
「ご無事のお戻りをお待ちしております」
出発のセレモニーを見ようと集まった人から聖女様と歓声があがる中、デイジーちゃんに手を取られた理沙は馬車へと乗り込んだ。
あのダンス以来、デイジーちゃんがノリノリで理沙をエスコートしていて、芝居がかって応じている理沙も楽しそうだ。
浄化の旅にはターシャちゃんも同行してくれる。ターシャちゃんは正式に、瘴気が国内にもたらす影響の調査係に任命されて、その任務での同行だ。
ターシャちゃんが行くので、ジェン君も第二騎士団の責任者として同行する。
理沙の護衛は今まで通りリリーちゃんたちに、カエル退治の時にお試しで参加した3人も加わって、6人体制だ。隣国も含めたら長丁場になるので、順番に交代して十分に休めるようになっている。護衛など、体力だけじゃなくて神経も遣うし、根性論ではどうにもならないものね。
歓声の中、私たちの乗る馬車が進む。
警備の都合もあるので窓は開けないようにと言われているけど、この歓声の中窓を開ける勇気はないわ。馬車の窓が透明じゃなくてよかった。
「この歓声に笑顔で手を振るとか無理。途中で手がつるでしょ」
「ほんとにねえ。見られる立場の方々は大変よねえ」
王族の結婚式の後はパレードがあるらしいんだけど、今回は多分それ以上に人が集まっていると聞いた。あまりの盛り上がりに、馬車の窓は閉じたままなので聖女を見ることはできないと通達しても、もしかしたらという期待で沿道に集まっているらしい。
お忍び、バレなくてよかったわ。こんな群衆が押し寄せてきたらパニックが起きるでしょう。
「ターシャちゃん、聖女を見るといいことがあると思われているの?」
「聖女という存在自体に馴染みがありませんので、一目見てみたいのだと思います」
「ツチノコみたいなものかしら」
今生きている人で、理沙以外の聖女を見たことがある人はいない。そのため、聖女とはそもそも自分たちと同じ人間なのかどうか、一目見てみたいとなるらしい。
「ツチノコってなに?」
「太いヘビ?ネッシーみたいな未確認動物で、テレビで一時期流行ったのよ」
「私、宇宙人と同じ扱いってこと?」
そんな感じよね。まあ別の世界から来てるから、宇宙人でも間違っていないような気がするわ。
馬車が王都を出て、周りから歓声も聞こえなくなったところで、ターシャちゃんがさっそく瘴気の調査について進展があったことを教えてくれた。
「瘴気を感じると言っていた政子さんの護衛についていた騎士を覚えていますか?」
「シーダ君?」
「ええ。彼とは別に、瘴気が濃いところでは視界がかすむという騎士がいました」
へえ。これには理沙も興味を持って聞いている。
私たちがお披露目パーティーに出たり、薬草採取をしている間に、その2人に魔物が出る森の瘴気の濃さを記録させたそうだ。
「これが、その調査結果です。同時期に別々に調査して記録したものですが、傾向が一致しています」
森を区画分けして、その区画ごとの瘴気の濃さを、森の外と一緒の0からすごく濃いの5の間で評価して書き込んだものだ。数字が大きいところを濃く塗ると、瘴気の濃さが色の濃淡で見える。これは分かりやすいわ。
そうして色付けされた2枚の地図を見比べると、多少の違いはあっても、一番濃い場所、そこから濃い色が伸びている方向が同じだ。
「ここまで偶然で一致すると思えませんので、彼らが瘴気を感じるのは事実でしょう。今回の旅にも同行してもらいます」
浄化前の瘴気の分布、瘴気が浄化前後でどう変わるのかの調査をしてもらうつもりだそうだ。今は既に最初に浄化する予定の土地で調査をしていて、そこで合流する。
これから浄化に行く先々で、理沙にも同じように浄化前後の瘴気の濃さを聞いて、国内の瘴気の偏りの地図を作りたいとお願いしている。
「こうやって色で表すと分かりやすいですね」
「人の感覚に頼らず測定できればいいのですが、その開発を待ってはいられませんので」
「ターシャちゃんならできそうだけど」
「正直何から手を付けていいのか全く分かりませんよ」
日本の知識を持ったターシャちゃんにも難しいってことは、他の人にはもっと難しいでしょう。
瘴気の偏りの地図を作って、それを今後どう生かしていくかはまだ未定だけど、そこから何か魔物の対策に繋げていけないかを探っていきたいと、意気込み十分だ。
ターシャちゃんの表情を見ると、未定と言いながらもすでにいろいろ案は浮かんでいそうだ。
何かを発見するために、まずは対象を観察する必要があるのだと力説しているターシャちゃんは、目の前の壁が高ければ高いほど燃えるタイプなんだろう。とても心強いわ。
最初の浄化の旅はトルゴード国内の北東側を予定している。最初なので国内だけにして、次からは国外へも行く予定だ。
「聖女様、トルゴード王国内の浄化をお願いいたします」
「はい。任されました。行ってきます」
「ご無事のお戻りをお待ちしております」
出発のセレモニーを見ようと集まった人から聖女様と歓声があがる中、デイジーちゃんに手を取られた理沙は馬車へと乗り込んだ。
あのダンス以来、デイジーちゃんがノリノリで理沙をエスコートしていて、芝居がかって応じている理沙も楽しそうだ。
浄化の旅にはターシャちゃんも同行してくれる。ターシャちゃんは正式に、瘴気が国内にもたらす影響の調査係に任命されて、その任務での同行だ。
ターシャちゃんが行くので、ジェン君も第二騎士団の責任者として同行する。
理沙の護衛は今まで通りリリーちゃんたちに、カエル退治の時にお試しで参加した3人も加わって、6人体制だ。隣国も含めたら長丁場になるので、順番に交代して十分に休めるようになっている。護衛など、体力だけじゃなくて神経も遣うし、根性論ではどうにもならないものね。
歓声の中、私たちの乗る馬車が進む。
警備の都合もあるので窓は開けないようにと言われているけど、この歓声の中窓を開ける勇気はないわ。馬車の窓が透明じゃなくてよかった。
「この歓声に笑顔で手を振るとか無理。途中で手がつるでしょ」
「ほんとにねえ。見られる立場の方々は大変よねえ」
王族の結婚式の後はパレードがあるらしいんだけど、今回は多分それ以上に人が集まっていると聞いた。あまりの盛り上がりに、馬車の窓は閉じたままなので聖女を見ることはできないと通達しても、もしかしたらという期待で沿道に集まっているらしい。
お忍び、バレなくてよかったわ。こんな群衆が押し寄せてきたらパニックが起きるでしょう。
「ターシャちゃん、聖女を見るといいことがあると思われているの?」
「聖女という存在自体に馴染みがありませんので、一目見てみたいのだと思います」
「ツチノコみたいなものかしら」
今生きている人で、理沙以外の聖女を見たことがある人はいない。そのため、聖女とはそもそも自分たちと同じ人間なのかどうか、一目見てみたいとなるらしい。
「ツチノコってなに?」
「太いヘビ?ネッシーみたいな未確認動物で、テレビで一時期流行ったのよ」
「私、宇宙人と同じ扱いってこと?」
そんな感じよね。まあ別の世界から来てるから、宇宙人でも間違っていないような気がするわ。
馬車が王都を出て、周りから歓声も聞こえなくなったところで、ターシャちゃんがさっそく瘴気の調査について進展があったことを教えてくれた。
「瘴気を感じると言っていた政子さんの護衛についていた騎士を覚えていますか?」
「シーダ君?」
「ええ。彼とは別に、瘴気が濃いところでは視界がかすむという騎士がいました」
へえ。これには理沙も興味を持って聞いている。
私たちがお披露目パーティーに出たり、薬草採取をしている間に、その2人に魔物が出る森の瘴気の濃さを記録させたそうだ。
「これが、その調査結果です。同時期に別々に調査して記録したものですが、傾向が一致しています」
森を区画分けして、その区画ごとの瘴気の濃さを、森の外と一緒の0からすごく濃いの5の間で評価して書き込んだものだ。数字が大きいところを濃く塗ると、瘴気の濃さが色の濃淡で見える。これは分かりやすいわ。
そうして色付けされた2枚の地図を見比べると、多少の違いはあっても、一番濃い場所、そこから濃い色が伸びている方向が同じだ。
「ここまで偶然で一致すると思えませんので、彼らが瘴気を感じるのは事実でしょう。今回の旅にも同行してもらいます」
浄化前の瘴気の分布、瘴気が浄化前後でどう変わるのかの調査をしてもらうつもりだそうだ。今は既に最初に浄化する予定の土地で調査をしていて、そこで合流する。
これから浄化に行く先々で、理沙にも同じように浄化前後の瘴気の濃さを聞いて、国内の瘴気の偏りの地図を作りたいとお願いしている。
「こうやって色で表すと分かりやすいですね」
「人の感覚に頼らず測定できればいいのですが、その開発を待ってはいられませんので」
「ターシャちゃんならできそうだけど」
「正直何から手を付けていいのか全く分かりませんよ」
日本の知識を持ったターシャちゃんにも難しいってことは、他の人にはもっと難しいでしょう。
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ターシャちゃんの表情を見ると、未定と言いながらもすでにいろいろ案は浮かんでいそうだ。
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