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2章 城下編
1. 異世界デビュー
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城下での初日。ある意味異世界デビューの日。
「とりあえず宿を取りたいんだけど」
「こちらで準備しておりますので」
お城を出た私には、イケメンの騎士が護衛についている。
私の護衛など騎士を引退した人でいいと思うけど、私を誘拐して理沙に言うことを聞かせるなんてことがあるといけないので、現役の騎士で、かつ結構家柄のよさそうなイケメンがついているのだ。イケメンの無駄遣いが過ぎるでしょ。
「イケメン君はどうするの?」
「同じ宿の隣の部屋に泊まります。ところで、そのイケメンというのはどういう意味でしょう?」
「グッドルッキングガイ?」
「申し訳ありませんが、その言葉も分かりません」
ファビュラスな姉妹がそう呼んでいたと思ったのだけど、どうやら翻訳してもらえないらしい。固有名詞みたいな扱いなんだろうか。
「貴方の名前もう一度聞いても?」
「……フレイグランです。マサコ殿」
覚えていないのかという白い目で見られるが、おばちゃんの記憶力を舐めてはいけない。横文字の長い名前など、すぐに覚えられる訳がない。
「レイとラン、どっちがいいかしら?あと敬語もマサコ殿もやめて。お城を出れば私は一般人よ」
「レイでお願いします。ではどうお呼びすれば?」
「まーちゃんでいいわよ」
学生時代のあだ名を伝えたら嫌な顔をされた。そんなに嫌がらなくてもいいのに、傷つくじゃないの。
無難にマサコさんと呼ぶことにしたようだ。
「それで、何をするんですか?」
「まずは冒険者に登録よ」
理沙によると、異世界についたらまず冒険者に登録するものらしい。お金を払うと登録できることが多いそうだが、身分証代わりに誰でも登録できる場合だけじゃなく、戦闘の試験があるパターンも存在する。この世界では誰でも登録できると、授業で聞いているので、戦闘能力のない私でも登録できる。
その歳で冒険者は、と渋るレイ君を説き伏せて、冒険者ギルドに案内してもらった。
「こんにちは。登録したいのですが」
「えっと、息子さんがですか?」
「私よ。年齢制限はないのよね?」
「ありませんが……」
受付の女性はレイ君のことを息子だと思ったようだけど、突然変異でもなければ平凡顔からこんなイケメンが生まれるわけがないでしょ。
こちらも本当に登録するのかと何度も確認されたが、ルール上問題ないならしてほしいと食い下がったらやっとしてくれた。レイ君が呆れている。
登録後に私でもできる仕事があるか聞くと、薬草採取を紹介された。薬草を持ってくれば換金してくれるらしい。でも、そんなに高くはないし、採りつくさないような注意も必要だ。
薬草の実物か説明を見たいけど、実物は今なくて、本はあるが持ち出し禁止らしい。私の脳みそでは覚えられないので、メモするか。
「マサコさん、本当に薬草採取するんですか?」
「そうよ。冒険者に登録したからには、依頼を受けないと」
「大体の薬草だったら私が分かりますので」
「レイ君、そういうズルはダメだと思うの」
レイ君が教えてくれると言うけど、そういうのはルール違反だ。
本は受付から見えるところでしか読んではいけないので、この世界では本が貴重なんだな。王城で普通に出てきたからありふれているのかと思っていたけど、そういえば印刷って三大発明だったわね。
この世界の本は全て手書きらしい。一時期写経にはまったのだけど、筆写の仕事ができたりしないかな。
メモ帳を取り出して、薬草に関する情報を書き写し始めたところで、レイ君から待ったがかかった。
「マサコさん、それはしまってください」
「え?ダメ?」
「そのような上質な紙が小さく製本されているなど、初めて見ます」
この世界に紙もペンもあったから大丈夫だと思ったが、品質が良すぎるらしい。100均なのに。
レイ君に代わりになるものを持っているか聞いてみたけど持っていなかったので、受付にメモ用紙をもらおうと思ったら、それもダメだと言われた。そもそも紙はそれなりに貴重なのでもらえないらしい。
この世界の紙とペンを手に入れて、明日の朝再度本を写しに来るしかなさそうだ。
はあ、スマホの電池があれば写真を撮れるのに。この世界、まだ著作権はないよね。
「とりあえず宿を取りたいんだけど」
「こちらで準備しておりますので」
お城を出た私には、イケメンの騎士が護衛についている。
私の護衛など騎士を引退した人でいいと思うけど、私を誘拐して理沙に言うことを聞かせるなんてことがあるといけないので、現役の騎士で、かつ結構家柄のよさそうなイケメンがついているのだ。イケメンの無駄遣いが過ぎるでしょ。
「イケメン君はどうするの?」
「同じ宿の隣の部屋に泊まります。ところで、そのイケメンというのはどういう意味でしょう?」
「グッドルッキングガイ?」
「申し訳ありませんが、その言葉も分かりません」
ファビュラスな姉妹がそう呼んでいたと思ったのだけど、どうやら翻訳してもらえないらしい。固有名詞みたいな扱いなんだろうか。
「貴方の名前もう一度聞いても?」
「……フレイグランです。マサコ殿」
覚えていないのかという白い目で見られるが、おばちゃんの記憶力を舐めてはいけない。横文字の長い名前など、すぐに覚えられる訳がない。
「レイとラン、どっちがいいかしら?あと敬語もマサコ殿もやめて。お城を出れば私は一般人よ」
「レイでお願いします。ではどうお呼びすれば?」
「まーちゃんでいいわよ」
学生時代のあだ名を伝えたら嫌な顔をされた。そんなに嫌がらなくてもいいのに、傷つくじゃないの。
無難にマサコさんと呼ぶことにしたようだ。
「それで、何をするんですか?」
「まずは冒険者に登録よ」
理沙によると、異世界についたらまず冒険者に登録するものらしい。お金を払うと登録できることが多いそうだが、身分証代わりに誰でも登録できる場合だけじゃなく、戦闘の試験があるパターンも存在する。この世界では誰でも登録できると、授業で聞いているので、戦闘能力のない私でも登録できる。
その歳で冒険者は、と渋るレイ君を説き伏せて、冒険者ギルドに案内してもらった。
「こんにちは。登録したいのですが」
「えっと、息子さんがですか?」
「私よ。年齢制限はないのよね?」
「ありませんが……」
受付の女性はレイ君のことを息子だと思ったようだけど、突然変異でもなければ平凡顔からこんなイケメンが生まれるわけがないでしょ。
こちらも本当に登録するのかと何度も確認されたが、ルール上問題ないならしてほしいと食い下がったらやっとしてくれた。レイ君が呆れている。
登録後に私でもできる仕事があるか聞くと、薬草採取を紹介された。薬草を持ってくれば換金してくれるらしい。でも、そんなに高くはないし、採りつくさないような注意も必要だ。
薬草の実物か説明を見たいけど、実物は今なくて、本はあるが持ち出し禁止らしい。私の脳みそでは覚えられないので、メモするか。
「マサコさん、本当に薬草採取するんですか?」
「そうよ。冒険者に登録したからには、依頼を受けないと」
「大体の薬草だったら私が分かりますので」
「レイ君、そういうズルはダメだと思うの」
レイ君が教えてくれると言うけど、そういうのはルール違反だ。
本は受付から見えるところでしか読んではいけないので、この世界では本が貴重なんだな。王城で普通に出てきたからありふれているのかと思っていたけど、そういえば印刷って三大発明だったわね。
この世界の本は全て手書きらしい。一時期写経にはまったのだけど、筆写の仕事ができたりしないかな。
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「マサコさん、それはしまってください」
「え?ダメ?」
「そのような上質な紙が小さく製本されているなど、初めて見ます」
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レイ君に代わりになるものを持っているか聞いてみたけど持っていなかったので、受付にメモ用紙をもらおうと思ったら、それもダメだと言われた。そもそも紙はそれなりに貴重なのでもらえないらしい。
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はあ、スマホの電池があれば写真を撮れるのに。この世界、まだ著作権はないよね。
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