ディバイン・レガシィー -箱庭の観測者-

月詠来夏

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【神間陰謀編】第4章「懐かしき故郷と黒い影」

89話 やっと訪れた日常

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 ────メアの屋敷で起きたあの事件から、もう半月が経った。
 おかしくなったメアによって診療所送りにされたノインとアルバトスは、事件から三日後に無事に回復している。ミラージュさんの屋敷は、半月の間にある程度修復されたそうで、きちんと住めるようになっているそうだ。
 メアは……一度眠ってしまったきり、目を覚ましていない。ずっと診療所で眠り続けている。
 あの事件以降、特に変わったことは起きていない。神隠し事件に巻き込まれる前までの日常が戻り、流れ続けている。街を見て、誰かと話して、魔物を見かけたら倒したりして。色々と変わった部分はあるけれど、特に何の変哲もないささやかな日々だ。

「おはよー、ユキ! 朝ご飯食べよー」

 そう────変わったのは、アスタが私の家に住むことになった、という点だ。いつぞやの朝と同じ、ニコニコとした笑顔を浮かべつつ、朝食を作ってくれていた。
 トーストにサラダ、目玉焼き、ミルク……家にある食材をかき集めて作ってくれていた。たまにこうして食事を用意しておいてくれるのは、かなりありがたいのだけど。

「あんた、どうしてデウスプリズンの方に行かなかったのよ。ヴィータがいるんじゃないの?」
「確かにヴィーは大事だよ? 『あれ』さえなければ、一緒に住んでもよかったんだけどね……」

 詳しいことは知らないが、アスタはデウスプリズンに住むのをすごく嫌がっているらしかった。ヴィータだけは私の家にアスタを住まわせることに最後まで反対していたが、結局押し切られてしまった。
 とはいえ、アスタも前よりは信用できるようになってきた。神隠し事件のときよりも、色々と理解し合えたから。

「今日はどうするの?」
「とりあえず、メアのお見舞いに行こうかな。暇ならあんたも来れば?」
「もちろん、ついてくよ!」

 出かける準備を済ませて、家を出る。その途中で、シオンとソルの姿を見かけた。

「あ、二人ともおはよう」
「ユキア、アスタ! ちょっと助けてくれ、オレすげぇ大金請求されてんだけど!!」

 半泣きになりながら助けを求めてきたが、「知るか」と突っぱねる。金額は聞かなかったものの、何のお金なのかは予想がついた。

「あのとき、屋敷を派手に壊したシオンが悪いんだよ~。ちゃんと責任とりなよ~」
「うるせぇー! あっそうだ、お前まだ他の箱庭の金貨とか持ってるか!? それで支払えばワンチャン……」
「ちょっと、経済崩壊させる気? ほら、また魔物出たらしいし、早く行くよ」
「うわあぁぁぁ!! 薄情者ぉぉぉぉ!!」

 呆れ顔のソルに服を引っ張られ、ズルズルと引きずられながらシオンが遠ざかっていく。
 そういえば、ミラージュさんは今何をしているんだろう。あの事件以来姿を見ていない。宮殿で仕事をしていて忙しいのかもしれない。
 とりあえず、繁華街に向かってそのまま診療所に行くことにした。前に繁華街にいたときは、アスタは何かと奇異な目で見られていたが、今となってはだいぶ馴染んだようだ。私とアスタが一緒にいるところを見ても、じろじろと見てくるようなこともない。
 診療所に向かうと、真っ先にカルデルトが出迎えてくれた。

「おう、毎日ご苦労さん。今日はいい知らせがあるぞ」
「え!? もしかして……!」

 カルデルトが珍しく気を利かせてくれたのか、病室のドアを開けてくれる。少し駆け込み気味に入ると、部屋にただ一つ置かれたベッドに眠っていた彼女が起き上がり、本を読んでいた。

「……ユキア? ユキアなのか?」

 バタンと音を立てて本を閉じ、ベッドから身を乗り出しそうとしてバランスを崩してしまう。私はとっさに駆け寄り、倒れそうになった身体を支えた。そのまま、彼女を抱きしめる。

「私……ちゃんと生きている。死ななかったよ」
「よかった……よかったよ、メア」

 不安が一気に薄らぎ、消え去っていく。不完全な日常が、ようやく本来の形を取り戻した。それだけでもすごく嬉しくて、愛おしく思えた。

「はいはい、感動シーンはそこまでにしてくれよっと」

 カルデルトが手を叩きながら病室に入ってきた。メアの身体を支え直し、ちょっと離れる。

「ちょっと、お前らに話したいことがあるんだ」

 表情を硬くさせ、私たちに紙の束を差し出してくる。中身を確認すると、これはメアのカルテのようだ。感染者とか、要観察とか、なんだか物騒な言葉がちらほら見受けられる。

「メアの病状なんだが……完治という結果には至らなかった。正直、半月眠る程度で済んだのが幸いだったと言える」
「え? どういうこと?」
「ユキア、アスタ。私はどうやら、『黒幽病』という病気になってしまったらしい」

 顔を俯け、深刻な表情で告白される。正直、信じられなかった。事件のときよりもかなり元気そうに見えるし、他に異常も見当たらない。

「『黒幽病』ってのは、魔力とは違う異質な力に感染し、侵蝕が一定以上進むことで発症する病気だ。発症した者は徐々に衰弱し、最期には身体が炭のように真っ黒になりボロボロに崩れ落ちて死ぬ……っていう、恐ろしい病でな」

 カルデルトが手にしていた薄めの本を開き、説明してくれる。聞いただけで身が震えあがりそうになる症状だ。
 大人になったばかりの私ですら怖い病気だと思うのだから、子供はもっと怖がるのでは? 横目でアスタを見てみるが、意外と冷静そうだった。

「だが、メアはどういうわけか病気をある程度克服したみたいだ。その証拠に、身体の黒ずみも崩壊も見当たらない。それどころか、妙な力を得たようだな」
「……妙な力?」

 メアを見てみるが、静かに首を傾げるだけだった。自覚はないのは明らかで、カルデルト自身も妙な力が何なのかまでは言及しなかった。こうして病気を克服できたこと自体が奇跡に等しいのではないか、と彼は予想していた。

「病気の原因となる異質な力の正体も、治療法も不明だった。俺の力では、せいぜい侵蝕の進行を止めるくらいが精一杯だったんだが……最近になって、原因がようやくわかった」
「それが、『アストラル』でしょ?」

 何気なく続けたアスタの言葉に真っ先に驚いたのは、カルデルトだった。細い目を見開きながら、アスタを凝視している。本人は壁に寄りかかりながら、不思議そうに私たちを見上げていた。

「お、お前さんは確かこの間、変な力でノインとアルバトスの症状を軽減させていたよな」
「変な力じゃないよ、『〈Remotioリモーティオ〉』。あれは、体内からアストラルを除去する星幽術なんだ。メアの身体から魔物を追い出したのも同じ」
「そもそも、その星幽術というのは何だ? アストラルとやらと関係しているのか?」

 メアとカルデルトに質問攻めにされ、アスタは困った顔を浮かべた。そういえば、私があの「姿が変わる力」を使ったときも、アスタと同じような力を使ったような気がする。
 しばらく待つと、一呼吸置いて咳ばらいをする。

「じゃあ、まずはアストラルとは何かから説明するよ。この世界に漂う超常的な力は、二種類存在するんだ。一つは『エーテル』。もう一つは、『アストラル』と呼ばれている」

 一つ一つ、丁寧に質問に答えてくれる。私たちは真剣に話を聞いた。
 アスタ曰く、エーテルというのは「生命や物質の源」を表すのだという。私たち神や人間が使う魔法や、他に特別な力と呼べるようなものを使うには、基本的にこのエーテルを操る必要があるらしい。つまり、私たちが普段「魔力」と呼ぶものの根本にはエーテルが繋がっており、必要不可欠な力なのだ。

「アストラルというのは、エーテルよりもさらに上位で、『あらゆる生命を超える力』とされているんだ。世界の理を捻じ曲げる可能性を秘めている、なんて言われることもあったけどね」
「えーと……私たちが普段何気なく使っているのがエーテルで、黒幽病の原因になっているのがアストラルよね。どうしてアストラルが病気の原因になるの?」
「秘めている力が強すぎるんだよ。エーテルしか使えないほとんどの生命にとって、アストラルはまったく想定されていない異物。体内に入れば猛毒になり得る、極めて有害なものなんだよ」

 そんな恐ろしいものが、この世に存在しているとは思っていなかった。
 病気と言うからには、人間などあっという間に死なせてしまう脅威的なウイルスとか、そういったものを想像していた。

「じゃあ、星幽術というのは何だ?」
「アストラルを使う魔法みたいなもののこと。ユキたちが使う、えーと……固有魔法とか、神幻術だっけ? あれのアストラル版って思ってくれればいいよ」

 つまり、適したものが使えば大いなる力になるってこと……なのかな。私たちにとっては何一つ知らないことであったが、嚙み砕けば一応理解できそうなことではあった。
 アスタの話を聞いている限り、アストラルの本質はエーテルと似たようなものだ。どちらにしろ超常的な力、という共通点がある。ただ、それだけを知ってもなぜ黒幽病を発症するのかはわからないままだ。この箱庭に生きる全員が黒幽病を発症しているわけではないと思う。

「じゃあ、黒幽病の原因になっているアストラルってのはどこから来てるんだ? まさかお前らの仕業じゃないよな」
「そ、そんなわけないじゃんっ! ボクとヴィーの星幽術だけは特殊なんだよ、神や人間に使っただけでそんなことにはならないもん!!」
「カルデルト、アスタたちはつい最近この箱庭に現れたんだ。それに私たちに協力してくれた。さすがにそこまで疑う必要はないだろう」
「それもそうか……すまん、冗談半分だったんだが」

 こういう真面目な場面で、かつ真顔で変な冗談を言わないでほしい。カルデルトにはたまにこういう空気が読めないときがある。
 アスタが大きくため息をついたところで、また話題はアストラルが流れてくる原因に戻る。

「……メアには、クリムとヴィーが一度倒したはずの魔物がとりついていたんだよね。それが原因で『星幽術』を操ることができていた。つまり、原因は魔物にあるってことじゃない?」
「……っ! ということは、魔物はアストラルでできている……ってか!?」
「そうとしか思えない。実際、魔物には特殊な性質があるらしいんだ。エーテルの効きは普通だけど、アストラルはほとんど効き目がない。なぜかはボクでもよくわかんないんだけどね」

 魔物が原因────そう考えたら、今までの謎のほとんどに納得がいく。
 アスタはよほどの状況じゃない限り、自分が魔物を攻撃することを避けていた。それは私たちエーテルを使う者たちに倒してもらう必要があったからなのだろう。
 また、シュノーは「レノが病気だった」ということを教えてくれた。三十年前に魔物に襲われたことがきっかけで発症し、神隠し事件の直前になるまで昏睡状態に陥っていた。もしや、その病気とは黒幽病ではないだろうか。成長が阻害されていた理由も、そう考えたら合点がいく。
 私たちは、今までそんな危険なものを平気で相手にしていたのか?

「……ねぇ、カルデルト。黒幽病を知ってる神って、この箱庭にどのくらいいるの?」
「アイリス様はこの病を公にすることを禁じていらっしゃる。実際、俺も神々の恐怖を煽りすぎるのはよくないと思って、魔特隊に所属する神とその他ごく一部にしかこの病気の存在を知らせていない」
「じゃあ、シオンとソルは知っているのかもな。シュノーやセルジュも」

 魔特隊として戦うからには、それ相応の覚悟がいるということだったのだ。私は積極的に戦いたいわけではなかったから入隊しなかったが、彼らはそういったリスクを全部背負って行動していた。もう少し尊敬の念を持とうと思った。

「さっき言った通り、アストラルは危険な力ではある。でも、ごく少量なら体内に入っても問題はないはずだよ。ただ、多く蓄積されればされるほど発症する危険は高まる」
「まあ、そこで俺の出番だな。一応、黒幽病が発症しないようにするための薬は用意してある。魔特隊の奴らは定期的にこれを打っていて、今回もノインたちやメアの治療に使ったものだ」

 カルデルトが懐に入れていた小さな箱型のケースから、一本のアンプルを取り出す。透明な薬品が入っており、アンプルには「アストラルワクチン」と書かれたラベルが巻かれていた。
 アスタが「見せて」と言い、ほいと手渡すカルデルト。アンプルをあらゆる方向から眺めては、照明にかざしてみせたりする。かなり珍しがっているようだ。

「へー。神も薬とか作るんだね」
「俺は『生命の管理人』だからな。やれることならどんなことでもしてきたさ。それが仕事だからな」
「……そっか。ありがと」

 アスタからアンプルを返してもらい、さっさとケースにしまい込んだ。メアからもカルテを回収する。

「さて。もう少し経過観察をしておきたいところだな。メアはしばらく入院を継続するように」
「…………わかった」
「大丈夫だよ、メア。またお見舞いくるから」

 最後にメアの手を握ってから、カルデルトとアスタと一緒に病室を出た。診療所を出て、繁華街を通って帰ろうとしたときだった。

「そうだ、ユキ。デウスプリズンまで一緒に来てよ」
「え。別にいいけど、どうして?」
「話しておきたいことがあるんだ」

 うーん、また難しい話かな。
 とりあえず、聞いてみないとわからないのでついていくことにした。
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