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第二章 真琴の寝室
五
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タライが頭に落ちてきたような衝撃。思考が停止した。数秒の後、若月は朦朧とした頭で、有紗と真琴との関係を思案した。
どうして有紗が、彼と?
真琴の経営する藍田製薬の子会社の社員。それが有紗の肩書だった。会社同士のつながりはあろうとも、本人同士に関係があるとはおもえない。普通に考えたらそうだ。
しかし何度見ようとも、写真の女性は有紗本人に違いなかった。雰囲気もまた、彼女本人としか思えない。
一体どういうことなのだろう。真琴と有紗の間には、自分が知らない何かしらのつながりがあったのだろうか。
写真は、ページと一体化した透明のビニールケースに収まっている。ケース内に親指と人差し指を入れ、それをゆっくりと取り出す。艶々とした光沢のある写真。湿気による反りもない。裏面を見ると、手書きで数字が書かれていた。日付だ。二ヶ月前の日付。この日に撮られたものだろうか。
写真の有紗と真琴の雰囲気、表情はまるで、夫婦のように見えた。しかし真琴の実の妻は、隣の部屋にいる志織であって、有紗なはずがない。間違いないはずなのに。
無意識のうちに、若月は写真を二つ折りにし、ポケットに入れていた。泥棒。その言葉が頭に浮かぶ。元の場所に返そうとは思わなかった。
血の気が引き、冷たくなった指で、アルバムのページをめくる。しかし残念ながら、その写真以外は無かった。本棚の所定の位置に戻しておく。
「有紗…」
なんとなく、彼女の名前を呼んでみた。少し前まで、毎日のように呼んでいた名前。今月に入った頃から、一度も口にしていなかったことに気が付き、唇を噛む。その名前の響きだけで、胸が微かに苦しくなる。
実のところ、有紗とは交際して一年も経っていない。彼女のことを一から十まで知っている訳ではなかった。もちろん、藍田勝治、藍田真琴とのつながりのことなど、交際中一度も話されたことは無い。
どうしていなくなった?それにはどう、藍田家の人間が関わっているのか?そもそも、彼女は藍田家の人間とどういった関係なのか?そして今は、どこで何をしているのか?
本人に聞きたいことは、山のようにあった。しかしそれは、今の今では、胸のうちに秘めておくことしかできない。そのことに心内で嘆息した、その時だった。
がこんと、後方から何かが外れるような音が響いた。その場で、一時停止する。
その後、今度は金属的な…何かが閉まるような音が続いた。どちらも微かではあれど、このしんと静まり返った室内、若月の耳は聞き逃さなかった。
今のは——。振り返るも何も変わったところは無い。目の前にあるのはクローゼット。勝治の部屋にあったものと同じタイプのもの。その扉が二つ。どちらも、中の確認は終わっている。
しかし若月は、クローゼットから目を離すことができなかった。
…視線?
三たび、志織の言葉を思い返した。この部屋に入ると感じる、誰かに見られているという感覚。若月もまさに今、その感覚に捉われている。じっと、見つめられている。そんなねっとりとした視線を、若月は全身に感じていた。
写真が入った方のズボンのポケットに手を当てる。これはともかくと、若月はそろりそろり、視線を感じる方向だろう、クローゼットへと足を向けた。怖さはあった。しかし、そこには何者かがいる可能性があるのである。そうであれば、放っておくことはできなかった。自分がここにいることを、誰にも知られてはならないのだ。
若月は先程も開けたクローゼットの扉を、勢いよく開けた。ありとあらゆる衣服やバッグが中にはある。一枚一枚をかき分け、入念に見る。しかしやはり、誰もいなかった。
そこまでしているとふと、それまで強く感じていた視線の感覚が無くなっていることに気がついた。
気味の悪さに寒気がした。なんだというのだろう。
一度、冷静に考えてみることにした。視線はクローゼットの方向から感じた。中は誰もいないとなれば、隣の部屋が怪しくなってくる。クローゼット内の壁について、ざっとは見たが、衣服が多い。小さな穴とか、隣部屋と繋がる何かがあったかもしれない。
しかし壁に穴なんて!改めて、おかしくなってきた。あったとしてもなんのために。向こうの部屋からこちら側を覗くためのものなのかもしれない。
そう面白おかしく考えていたが、数秒後にはそれはあり得ないという結論に至った。
この部屋で視線を感じる…その情報は、クローゼット側の壁の向こうの部屋の、志織から漏れ聞こえた会話から得たものである。彼女達も、正体は分からないし、知らない様子だった。したがって、覗き穴を通して隣部屋から、という線は、消えてしまうのであった。
若月は唸りつつ、クローゼットを閉める。と、そこで彼はふと、違和感を覚えた。
何度か瞬きをする。確か。確か、そうだ。勝治と雛子の部屋のクローゼットは、開く箇所が三箇所あったはずである。しかしこの部屋は、扉が二つしかない。隣部屋で三つ目の扉があったところは壁になっており、すぐ真横に机が置かれている。
あっ、と若月は声を上げた。それから壁に近付いて、またも驚いた。机とクローゼットの扉の間の壁に、じっくりと見なければ分からない程に小さな穴が空いているのだ。
思わず、壁を手の甲で叩いてみる。するとコォンと軽い音と感触。つばを飲み込む。この向こうには、どうやら空間があるようだった。
室内からの様子では、そこにつながる扉のようなものは見当たらない。若月は壁のすぐ隣、クローゼットの扉をまたも開く。奥行きは一メートル程度、衣類をかき分け、空間がある側の壁に手を当て、下から上に這わせていく。すると、背伸びしてようやく届くあたりの上方に、つるつるとした、冷たい感触。直径五センチ程の丸い突起があった。
突起の先端には、更に四角いでっぱりがあることがわかった。若月はそのでっぱりを、力を込めて押してみた。
カチンと金属的な音がしたかと思うと、先程鳴った、物が外れたような音がクローゼット内、下方から聞こえた。音がした方に、スマートフォンのライトをかざして驚いた。目の前の壁に縦の亀裂が入り、壁自体手前に少しズレているのである。
隠し扉。緊張と興奮で、心臓が高鳴る。若月は、ズレた壁に指を置き、そのまま指の力で慎重に手前側へと引く。すると、内戸みたく壁が手前に動き、目の前にぽっかりとした穴が姿を現した。
ライトで照らすと、眼下に階段が見える。どこにつながっているのかはわからない。一階まで続いているのだろうか。
突起を押したことで響いた重い音。視線。つい今程まで、ここに何者かがいた。その何者かは、壁の内側の覗き穴から、自分を見ていたことになる。
若月は試しに覗き穴に目をつけた。室内が見える。が、向こう側の世界は、ピントが合っていないようにぼやけて見える。つまり誰が室内にいるかを見るものではない。室内に人がいるかいないか、それを確認するためのものといえるだろう。
ここにいた何者かは、真琴の部屋に人がいることを知り、引き返した。何者かは分からないが、この隠し階段の存在は、若月が一階に行くルートを増やす結果となった。中央の階段か、ここを下るか。ただ、こちらの方が、清河らに見つかる可能性は低そうだ。
ここを下るにも不安はある。下った先は行き止まりかもしれないし、若月を見ていたのが何者かがいるのは確実である。
それが誰なのか。まだ分からない。家の住人か、自分のような侵入者か。普通に考えれば前者だが、若月自身後者な以上、そうではない可能性も少しはあった。
ただ、若月がいることで引き返したとすれば、その人物は真琴の部屋に、疾しい考えを持って入ろうとしたのだろう。今の若月同様、誰にも見つかりたくないのかもしれない。
とにかくこれもまた、行くか行かないかの選択。底知れぬ気味の悪さを感じつつも、若月は右足を一歩、隠し扉の先へと足を踏み出した。
どうして有紗が、彼と?
真琴の経営する藍田製薬の子会社の社員。それが有紗の肩書だった。会社同士のつながりはあろうとも、本人同士に関係があるとはおもえない。普通に考えたらそうだ。
しかし何度見ようとも、写真の女性は有紗本人に違いなかった。雰囲気もまた、彼女本人としか思えない。
一体どういうことなのだろう。真琴と有紗の間には、自分が知らない何かしらのつながりがあったのだろうか。
写真は、ページと一体化した透明のビニールケースに収まっている。ケース内に親指と人差し指を入れ、それをゆっくりと取り出す。艶々とした光沢のある写真。湿気による反りもない。裏面を見ると、手書きで数字が書かれていた。日付だ。二ヶ月前の日付。この日に撮られたものだろうか。
写真の有紗と真琴の雰囲気、表情はまるで、夫婦のように見えた。しかし真琴の実の妻は、隣の部屋にいる志織であって、有紗なはずがない。間違いないはずなのに。
無意識のうちに、若月は写真を二つ折りにし、ポケットに入れていた。泥棒。その言葉が頭に浮かぶ。元の場所に返そうとは思わなかった。
血の気が引き、冷たくなった指で、アルバムのページをめくる。しかし残念ながら、その写真以外は無かった。本棚の所定の位置に戻しておく。
「有紗…」
なんとなく、彼女の名前を呼んでみた。少し前まで、毎日のように呼んでいた名前。今月に入った頃から、一度も口にしていなかったことに気が付き、唇を噛む。その名前の響きだけで、胸が微かに苦しくなる。
実のところ、有紗とは交際して一年も経っていない。彼女のことを一から十まで知っている訳ではなかった。もちろん、藍田勝治、藍田真琴とのつながりのことなど、交際中一度も話されたことは無い。
どうしていなくなった?それにはどう、藍田家の人間が関わっているのか?そもそも、彼女は藍田家の人間とどういった関係なのか?そして今は、どこで何をしているのか?
本人に聞きたいことは、山のようにあった。しかしそれは、今の今では、胸のうちに秘めておくことしかできない。そのことに心内で嘆息した、その時だった。
がこんと、後方から何かが外れるような音が響いた。その場で、一時停止する。
その後、今度は金属的な…何かが閉まるような音が続いた。どちらも微かではあれど、このしんと静まり返った室内、若月の耳は聞き逃さなかった。
今のは——。振り返るも何も変わったところは無い。目の前にあるのはクローゼット。勝治の部屋にあったものと同じタイプのもの。その扉が二つ。どちらも、中の確認は終わっている。
しかし若月は、クローゼットから目を離すことができなかった。
…視線?
三たび、志織の言葉を思い返した。この部屋に入ると感じる、誰かに見られているという感覚。若月もまさに今、その感覚に捉われている。じっと、見つめられている。そんなねっとりとした視線を、若月は全身に感じていた。
写真が入った方のズボンのポケットに手を当てる。これはともかくと、若月はそろりそろり、視線を感じる方向だろう、クローゼットへと足を向けた。怖さはあった。しかし、そこには何者かがいる可能性があるのである。そうであれば、放っておくことはできなかった。自分がここにいることを、誰にも知られてはならないのだ。
若月は先程も開けたクローゼットの扉を、勢いよく開けた。ありとあらゆる衣服やバッグが中にはある。一枚一枚をかき分け、入念に見る。しかしやはり、誰もいなかった。
そこまでしているとふと、それまで強く感じていた視線の感覚が無くなっていることに気がついた。
気味の悪さに寒気がした。なんだというのだろう。
一度、冷静に考えてみることにした。視線はクローゼットの方向から感じた。中は誰もいないとなれば、隣の部屋が怪しくなってくる。クローゼット内の壁について、ざっとは見たが、衣服が多い。小さな穴とか、隣部屋と繋がる何かがあったかもしれない。
しかし壁に穴なんて!改めて、おかしくなってきた。あったとしてもなんのために。向こうの部屋からこちら側を覗くためのものなのかもしれない。
そう面白おかしく考えていたが、数秒後にはそれはあり得ないという結論に至った。
この部屋で視線を感じる…その情報は、クローゼット側の壁の向こうの部屋の、志織から漏れ聞こえた会話から得たものである。彼女達も、正体は分からないし、知らない様子だった。したがって、覗き穴を通して隣部屋から、という線は、消えてしまうのであった。
若月は唸りつつ、クローゼットを閉める。と、そこで彼はふと、違和感を覚えた。
何度か瞬きをする。確か。確か、そうだ。勝治と雛子の部屋のクローゼットは、開く箇所が三箇所あったはずである。しかしこの部屋は、扉が二つしかない。隣部屋で三つ目の扉があったところは壁になっており、すぐ真横に机が置かれている。
あっ、と若月は声を上げた。それから壁に近付いて、またも驚いた。机とクローゼットの扉の間の壁に、じっくりと見なければ分からない程に小さな穴が空いているのだ。
思わず、壁を手の甲で叩いてみる。するとコォンと軽い音と感触。つばを飲み込む。この向こうには、どうやら空間があるようだった。
室内からの様子では、そこにつながる扉のようなものは見当たらない。若月は壁のすぐ隣、クローゼットの扉をまたも開く。奥行きは一メートル程度、衣類をかき分け、空間がある側の壁に手を当て、下から上に這わせていく。すると、背伸びしてようやく届くあたりの上方に、つるつるとした、冷たい感触。直径五センチ程の丸い突起があった。
突起の先端には、更に四角いでっぱりがあることがわかった。若月はそのでっぱりを、力を込めて押してみた。
カチンと金属的な音がしたかと思うと、先程鳴った、物が外れたような音がクローゼット内、下方から聞こえた。音がした方に、スマートフォンのライトをかざして驚いた。目の前の壁に縦の亀裂が入り、壁自体手前に少しズレているのである。
隠し扉。緊張と興奮で、心臓が高鳴る。若月は、ズレた壁に指を置き、そのまま指の力で慎重に手前側へと引く。すると、内戸みたく壁が手前に動き、目の前にぽっかりとした穴が姿を現した。
ライトで照らすと、眼下に階段が見える。どこにつながっているのかはわからない。一階まで続いているのだろうか。
突起を押したことで響いた重い音。視線。つい今程まで、ここに何者かがいた。その何者かは、壁の内側の覗き穴から、自分を見ていたことになる。
若月は試しに覗き穴に目をつけた。室内が見える。が、向こう側の世界は、ピントが合っていないようにぼやけて見える。つまり誰が室内にいるかを見るものではない。室内に人がいるかいないか、それを確認するためのものといえるだろう。
ここにいた何者かは、真琴の部屋に人がいることを知り、引き返した。何者かは分からないが、この隠し階段の存在は、若月が一階に行くルートを増やす結果となった。中央の階段か、ここを下るか。ただ、こちらの方が、清河らに見つかる可能性は低そうだ。
ここを下るにも不安はある。下った先は行き止まりかもしれないし、若月を見ていたのが何者かがいるのは確実である。
それが誰なのか。まだ分からない。家の住人か、自分のような侵入者か。普通に考えれば前者だが、若月自身後者な以上、そうではない可能性も少しはあった。
ただ、若月がいることで引き返したとすれば、その人物は真琴の部屋に、疾しい考えを持って入ろうとしたのだろう。今の若月同様、誰にも見つかりたくないのかもしれない。
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