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番外編:新婚旅行と水の落とし子編
第二十八話
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「ご主人様に事情を話したところ、ぜひ夕食をご一緒しして直接礼を言いたいという話になりまして……夕食をご馳走させていただきたいのですが、ご都合はいかがでしょうか?」
しばらくして戻ってきた使用人の男は、おずおずと尋ねてきた。
ハオハトとウエルは、再び顔を見合わせた。
ふたりっきりの新婚旅行だったはずなのに、妙なことになってきた。
「ウエルはどうしたい?」
「他にすることもないからな」
ハオハトの屋敷に戻ろうと思えば戻れるとはいえ、断る理由も特に見当たらなかった。
ありがたくご相伴にあずかることにした。
食事用の大部屋へとふたりは案内された。
ふたりは円卓の席につく。
「ただいまご主人様が参りますので、少々お待ちくださいませ」
使用人の男は頭を下げ、ふたりだけが残された。
使用人の一人が盗みに合ったのを助けただけで、夕食をご馳走してくれる主人とはどのような人なのだろう。
貴人だろうか、豪商だろうかなどとハオハトと話し合った。
「いやぁ、お待たせしてどうも申し訳ありません」
豪邸の主人にしては腰が低くのんびりした声と共に現れたのは、立派な衣服に身を包んだ好々爺だった。老人のこめかみから顎にかけて湾曲した刃を思わせるタトゥーが刻まれており、穏やかな物腰と相反する印象を抱かせた。
「爺さん!?」
「あんれ、あの時の山跳びさん!?」
老人は、ウエルが案内したのあのマバ族の老人だった。
聖地までに巡礼には、必ず大金がかかる。
聖地までの長い道のり旅をし続けるのに金がかかるし、聖地についたら神殿でお布施をしなければならない。
だからお金持ちか、もしくは村の人間で出し合った金でたったひとりだけ巡礼の旅に出させてもらうという場合でなければ、巡礼には来られない。
人徳のありそうな老人はてっきり後者の人間だと思っていた。
「いやあ、まさかこんな偶然があるとは、思ってもみませんでした! あっはっは!」
互いを認識した瞬間こそ困惑したものの、老人は再会を喜んでくれた。
使用人に命じて、料理だけでなく多くの酒を円卓に並べてくれた。
老人は酒を口にして機嫌がよくなっている。
「オレもこんなところで再会できるとは思いませんでした」
ウエルが敬語を口にすると、老人は手を振った。
「貴方は命の恩人です、敬語なんてやめてください!」
ウエルは老人の言葉に甘えることにした。
敬語はできるが、苦手で肩が凝るのだ。
「あれから、怪我は大丈夫だったのか爺さん。……そういえば、爺さんの名前はなんていうんだ?」
案内人をするときに、わざわざ巡礼者の名前を聞いたりなどしない。
いまのいままで、老人の名を知らなかったことに気がついた。
「私はナオシジと申します。山跳びさんと、お連れさまは?」
「オレはウエル。こっちはハオだ」
ハオハトは軽く頭を下げて、挨拶した。
「ナオシジ爺さん、怪我は治ったのか?」
ウエルは改めて聞き直した。
「ええ、ええ。怪我が治り次第下山して、帰郷いたしました。遭難した私を助けてくださったのは、貴方だとお聞きしたので一言お礼を言いたかったのです。ですが、神官さんに頼んでも『日夜過酷な労働に従事している山跳びは、わざわざ神殿に寄る余裕などない』と言われてしまいまして。それもそうだと思い、諦めたのです。こうしてまたお会いできるとは!」
恐らくウエルが神の許嫁として神殿に幽閉されていた頃のことだろう。
神官たちに嵌められて危うく鞭打ち刑に処されるところだったのは、思い出すといまでも怒りが蘇ってくる。だが適当な言い訳をしておいてくれたことには感謝した。
「それにしても、山跳びのお仕事はどうなされたのですか? お連れさまとのご関係は?」
酒で陽気になっているようだからうやむやにできないかなと思っていたが、ついに質問されてしまった。
箸を進めながら、どう説明しようと考えていたのだ。
山跳びをやめ、神の許嫁になった。連れはその神だ。なんて、馬鹿正直に話すのは論外。絶対に信じてくれない。
さりとて、どう説明すればよいものか。
冷や汗が額を伝い落ちた。
「私が聖地巡礼へ赴いた際に」
なんとハオハトが口を開いた。
「案内してくれた彼を気に入って。従者として雇ったのだ」
彼がまともな言い訳を口にしてくれるとは思わず、ウエルは口をあんぐりと開けた。そこまで人間社会のことを理解しているとは、露とも思わなかった。
「おや、これは意外でした。ウエルさんはもちろん従者にしたくなるのもわかるくらい素晴らしい働き者ですが、てっきりもっと気安い関係かと……」
先ほどハオハトのことを呼び捨てしてしまったことを思い出して、歯噛みした。せっかくハオハトがいい言い訳を考えてくれたのに、迂闊な自分の一言のせいで台無しだ。
「私が彼に気安い口調で話しかけてほしいと頼んだんだ」
「なるほど。たしかに、ウエルさんの素の口調には独特の魅力がありますからねえ」
ナオシジ老人はうんうんと頷いた。
どうやら納得してくれたようだった。ハオハトの機転で、この場を乗り切れたのだ。
ウエルは心の中で、彼に深く感謝した。
「この街には、どうして来たんですか?」
ナオシジ老人がハオハトに話を振った。
きちんと答えられるのだろうか、いや先ほど見事な言い訳を披露してくれた彼ならば大丈夫だろう。期待と緊張が胸中でない交ぜになった。
「諸国漫遊の旅をしている。その一環で立ち寄った」
「それは素晴らしいことですね。私も体力さえあればそうしたかったものです。ですが、商いで手いっぱいになりながら懸命に生きていたら、いつの間にかこの年になってしまっていました。聖地への巡礼に赴くので限界でしたよ」
「ナオシジ爺さんは商売人なのか?」
話題を変えるチャンスだとばかりに、ウエルは飛びついた。
「ええ、呉服屋を営んでおります。といっても、いまは息子に跡を譲っておりますがね。これは自慢ですが、この辺でもちょっとしたものなんですよ。歴代の水の落とし子さまに、うちの反物をお使いいただいているんです」
酒の入ったナオシジ老人は、無邪気に自慢した。
「水の落とし子さま……?」
だがウエルには、「水の落とし子」がなんなのか理解できなかった。
「おや、もしかして聖地の辺りでは水の落とし子さまはあまり有名ではないのでしょうか?」
「ああ、聞いたことがないな」
「では説明じましょう。まず、フルクフトさまのことはご存知ですか?」
「もちろん、知ってる。海を司る神だ」
山神が作り出した神の一柱、フルクフト。
海を司ると言われている。この国の人間ならば、誰もが知っていることだ。
やはり海が近い地域の方が強く信仰されているらしい。
この街には海があるから、信仰されていて当然の神だ。
「マバ族の間では、フルクフトさまの御子が時折マバ族の中に子供として生まれてくると信じられています。なので、フルクフトさまの御子と思われる子供を生神として崇めるのです。その子供を、水の落とし子と呼んでおります」
「へえ、初めて知った」
同じ国でも、遠い場所までくれば知らない習慣や信仰の形態というものがあるらしい。
神の子が人間の子として生まれてくるなんて、ちょっと信じがたい。
もちろん、そんな気持ちはおくびにも出さない。
「水の落とし子さまは見出されると、親元から引き離されます。ですが、寂しく思う必要はありません。水の落とし子さまは落とし子の館で大切に育てられ、美味な食事を口にし最高の衣服を身に纏い、教育も受けられます」
ここまで聞いて、ウエルは合点がいった。
「つまり水の落とし子さまに反物を提供しているっていうのは、この辺で一番だっていうことになるのか! すごいじゃないか、爺さん!」
「ええ、まあ」
ウエルの言葉に、ナオシジ老人は恥ずかしげにはにかんだ。
「それにしても水の落とし子さまをご存知なかったとは。でしたら、ぜひ祭りで落とし子さまの姿を一目拝見されるといいですよ。祭りの最中、落とし子さまは神輿に担がれて街を練り歩かれるのです」
「へえ」
これはいいことを聞いた、とウエルは思った。
祭りで楽しむべきものが一つ増えた。
「そういえば祭りの期間中は非常に宿が混みますが、お二方は宿はもうお取りになられました?」
「それが、どの宿もいっぱいで……」
こう言ったら、心優しいナオシジ老人が次に何を言うかわかっている。
ねだっているかのような台詞を口にすることに、謎の罪悪感を覚えた。
「ああ、なんてお可哀想に! ぜひうちにお泊りください!」
こうして、ハオハトとウエルは泊まる場所を手に入れた。
しばらくして戻ってきた使用人の男は、おずおずと尋ねてきた。
ハオハトとウエルは、再び顔を見合わせた。
ふたりっきりの新婚旅行だったはずなのに、妙なことになってきた。
「ウエルはどうしたい?」
「他にすることもないからな」
ハオハトの屋敷に戻ろうと思えば戻れるとはいえ、断る理由も特に見当たらなかった。
ありがたくご相伴にあずかることにした。
食事用の大部屋へとふたりは案内された。
ふたりは円卓の席につく。
「ただいまご主人様が参りますので、少々お待ちくださいませ」
使用人の男は頭を下げ、ふたりだけが残された。
使用人の一人が盗みに合ったのを助けただけで、夕食をご馳走してくれる主人とはどのような人なのだろう。
貴人だろうか、豪商だろうかなどとハオハトと話し合った。
「いやぁ、お待たせしてどうも申し訳ありません」
豪邸の主人にしては腰が低くのんびりした声と共に現れたのは、立派な衣服に身を包んだ好々爺だった。老人のこめかみから顎にかけて湾曲した刃を思わせるタトゥーが刻まれており、穏やかな物腰と相反する印象を抱かせた。
「爺さん!?」
「あんれ、あの時の山跳びさん!?」
老人は、ウエルが案内したのあのマバ族の老人だった。
聖地までに巡礼には、必ず大金がかかる。
聖地までの長い道のり旅をし続けるのに金がかかるし、聖地についたら神殿でお布施をしなければならない。
だからお金持ちか、もしくは村の人間で出し合った金でたったひとりだけ巡礼の旅に出させてもらうという場合でなければ、巡礼には来られない。
人徳のありそうな老人はてっきり後者の人間だと思っていた。
「いやあ、まさかこんな偶然があるとは、思ってもみませんでした! あっはっは!」
互いを認識した瞬間こそ困惑したものの、老人は再会を喜んでくれた。
使用人に命じて、料理だけでなく多くの酒を円卓に並べてくれた。
老人は酒を口にして機嫌がよくなっている。
「オレもこんなところで再会できるとは思いませんでした」
ウエルが敬語を口にすると、老人は手を振った。
「貴方は命の恩人です、敬語なんてやめてください!」
ウエルは老人の言葉に甘えることにした。
敬語はできるが、苦手で肩が凝るのだ。
「あれから、怪我は大丈夫だったのか爺さん。……そういえば、爺さんの名前はなんていうんだ?」
案内人をするときに、わざわざ巡礼者の名前を聞いたりなどしない。
いまのいままで、老人の名を知らなかったことに気がついた。
「私はナオシジと申します。山跳びさんと、お連れさまは?」
「オレはウエル。こっちはハオだ」
ハオハトは軽く頭を下げて、挨拶した。
「ナオシジ爺さん、怪我は治ったのか?」
ウエルは改めて聞き直した。
「ええ、ええ。怪我が治り次第下山して、帰郷いたしました。遭難した私を助けてくださったのは、貴方だとお聞きしたので一言お礼を言いたかったのです。ですが、神官さんに頼んでも『日夜過酷な労働に従事している山跳びは、わざわざ神殿に寄る余裕などない』と言われてしまいまして。それもそうだと思い、諦めたのです。こうしてまたお会いできるとは!」
恐らくウエルが神の許嫁として神殿に幽閉されていた頃のことだろう。
神官たちに嵌められて危うく鞭打ち刑に処されるところだったのは、思い出すといまでも怒りが蘇ってくる。だが適当な言い訳をしておいてくれたことには感謝した。
「それにしても、山跳びのお仕事はどうなされたのですか? お連れさまとのご関係は?」
酒で陽気になっているようだからうやむやにできないかなと思っていたが、ついに質問されてしまった。
箸を進めながら、どう説明しようと考えていたのだ。
山跳びをやめ、神の許嫁になった。連れはその神だ。なんて、馬鹿正直に話すのは論外。絶対に信じてくれない。
さりとて、どう説明すればよいものか。
冷や汗が額を伝い落ちた。
「私が聖地巡礼へ赴いた際に」
なんとハオハトが口を開いた。
「案内してくれた彼を気に入って。従者として雇ったのだ」
彼がまともな言い訳を口にしてくれるとは思わず、ウエルは口をあんぐりと開けた。そこまで人間社会のことを理解しているとは、露とも思わなかった。
「おや、これは意外でした。ウエルさんはもちろん従者にしたくなるのもわかるくらい素晴らしい働き者ですが、てっきりもっと気安い関係かと……」
先ほどハオハトのことを呼び捨てしてしまったことを思い出して、歯噛みした。せっかくハオハトがいい言い訳を考えてくれたのに、迂闊な自分の一言のせいで台無しだ。
「私が彼に気安い口調で話しかけてほしいと頼んだんだ」
「なるほど。たしかに、ウエルさんの素の口調には独特の魅力がありますからねえ」
ナオシジ老人はうんうんと頷いた。
どうやら納得してくれたようだった。ハオハトの機転で、この場を乗り切れたのだ。
ウエルは心の中で、彼に深く感謝した。
「この街には、どうして来たんですか?」
ナオシジ老人がハオハトに話を振った。
きちんと答えられるのだろうか、いや先ほど見事な言い訳を披露してくれた彼ならば大丈夫だろう。期待と緊張が胸中でない交ぜになった。
「諸国漫遊の旅をしている。その一環で立ち寄った」
「それは素晴らしいことですね。私も体力さえあればそうしたかったものです。ですが、商いで手いっぱいになりながら懸命に生きていたら、いつの間にかこの年になってしまっていました。聖地への巡礼に赴くので限界でしたよ」
「ナオシジ爺さんは商売人なのか?」
話題を変えるチャンスだとばかりに、ウエルは飛びついた。
「ええ、呉服屋を営んでおります。といっても、いまは息子に跡を譲っておりますがね。これは自慢ですが、この辺でもちょっとしたものなんですよ。歴代の水の落とし子さまに、うちの反物をお使いいただいているんです」
酒の入ったナオシジ老人は、無邪気に自慢した。
「水の落とし子さま……?」
だがウエルには、「水の落とし子」がなんなのか理解できなかった。
「おや、もしかして聖地の辺りでは水の落とし子さまはあまり有名ではないのでしょうか?」
「ああ、聞いたことがないな」
「では説明じましょう。まず、フルクフトさまのことはご存知ですか?」
「もちろん、知ってる。海を司る神だ」
山神が作り出した神の一柱、フルクフト。
海を司ると言われている。この国の人間ならば、誰もが知っていることだ。
やはり海が近い地域の方が強く信仰されているらしい。
この街には海があるから、信仰されていて当然の神だ。
「マバ族の間では、フルクフトさまの御子が時折マバ族の中に子供として生まれてくると信じられています。なので、フルクフトさまの御子と思われる子供を生神として崇めるのです。その子供を、水の落とし子と呼んでおります」
「へえ、初めて知った」
同じ国でも、遠い場所までくれば知らない習慣や信仰の形態というものがあるらしい。
神の子が人間の子として生まれてくるなんて、ちょっと信じがたい。
もちろん、そんな気持ちはおくびにも出さない。
「水の落とし子さまは見出されると、親元から引き離されます。ですが、寂しく思う必要はありません。水の落とし子さまは落とし子の館で大切に育てられ、美味な食事を口にし最高の衣服を身に纏い、教育も受けられます」
ここまで聞いて、ウエルは合点がいった。
「つまり水の落とし子さまに反物を提供しているっていうのは、この辺で一番だっていうことになるのか! すごいじゃないか、爺さん!」
「ええ、まあ」
ウエルの言葉に、ナオシジ老人は恥ずかしげにはにかんだ。
「それにしても水の落とし子さまをご存知なかったとは。でしたら、ぜひ祭りで落とし子さまの姿を一目拝見されるといいですよ。祭りの最中、落とし子さまは神輿に担がれて街を練り歩かれるのです」
「へえ」
これはいいことを聞いた、とウエルは思った。
祭りで楽しむべきものが一つ増えた。
「そういえば祭りの期間中は非常に宿が混みますが、お二方は宿はもうお取りになられました?」
「それが、どの宿もいっぱいで……」
こう言ったら、心優しいナオシジ老人が次に何を言うかわかっている。
ねだっているかのような台詞を口にすることに、謎の罪悪感を覚えた。
「ああ、なんてお可哀想に! ぜひうちにお泊りください!」
こうして、ハオハトとウエルは泊まる場所を手に入れた。
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