上 下
133 / 435
第6章 異世界で公爵の伴侶やってます。溺愛とは、何でしょうか。

133.クロードが不得手な分野は、オレがします。クロードは、優しい英雄公爵だから。

しおりを挟む
クロードの友人五人は、一枚岩じゃない。

国王陛下と宰相補佐と、近衛騎士団の副団長の三人。

司祭。

医者。

医者は、クロードの友人のままでいることも出来た。

でも、友人を辞めて、国王陛下の駒になった。

なんのために?

友情よりも、優先するものが、医者に出来たからじゃないのか?

平民の医者が、頑張らないといけない相手。

クロードの友人のままでは、未来がない相手。

医者と司祭を引き抜けば、情勢が動く。

女神様信仰がある世界で、公爵や国王陛下と友人として振る舞う司祭が、ただの友人その三、なはずがない。

クロードの友人その三は、司祭の中で、トップ、もしくは、トップに近い位置にいる。


国王陛下は、先に準備をして、仕掛けてきた。

後手に回ったオレが、まずすることは、国王陛下の牙城を切り崩すこと。

実際に、医者がオレの下につくとしたら、もっと事態が進展してからだと思う。

医者が、今回の戦いで、オレの下につく決断を下せなくても、構わない。

戦いが、この一度っきり、で済むとオレは、考えていない。

決着がつくには、時間を要する。

一度、芽吹いた不和の種は、簡単には枯れない。

戦いが長引くにつれて、戦況も変化する。

公爵家は、国王陛下を公爵領に入らせない。

国王陛下という旗振り役は、遠く離れた安全な場所にいて、実行部隊の部隊長である医者と隊員の患者だけが、閉鎖された場所にいる。

旗振り役から、退路は断たれた状態で、送り込まれてきた部隊の隊員は、閉鎖された空間で、初志貫徹できるだろうか。

医者という部隊長は、特別なコネがあって、閉鎖された公爵領でも快適そうにしている。

優雅な部隊長を横目に、ギリギリで生きる隊員達。

隊員は、部隊長との待遇の違いに、いつまで寛容でいられるだろう?

訓練された組織ではなく、寄せ集めの部隊の結束力は、いかほどかな。

訓練された組織は、物理的にオレを暗殺する側に回っていると思う。

暗殺には、技術がいる。

オレは、医者を手厚く送り返すように指示した。

『懐かしい顔を見られて、嬉しかったから、また、話にこい。』
と仰せだ、という台詞を医者を送り届けた先で言うように、と付け加えて。


クロードが、不得手な分野は、オレがする。

オレとクロードは、夫婦だから。


さて、次は、何をしようか?

医者の様子から考えると、司祭は、既に公爵領に入っている。

身分を偽っているか、隠れているか。

司祭について、何も知らないなー。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

婚約者に大切にされない俺の話

BL / 連載中 24h.ポイント:568pt お気に入り:2,424

鏡に映った俺と彼

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:15

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:6,810pt お気に入り:6,885

僕の番

BL / 完結 24h.ポイント:142pt お気に入り:94

転生幼女の愛され公爵令嬢

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:3,395pt お気に入り:2,409

転生したら激レアな龍人になりました

BL / 完結 24h.ポイント:234pt お気に入り:3,017

大好きなあなたを忘れる方法

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:5,765pt お気に入り:1,092

処理中です...