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2-㉘ また出た!ヴァン様の絵本!?
しおりを挟むとんでもないことになってきちゃったよ。僕の能力を使って復讐する?復讐したい獣人さん達の気持ちは理解できなくもないけど…そこで僕を巻き込まないでほしい。だけど、今すぐに断ることも難しい雰囲気だし…。どうしようかと考えていたらポルさんが別人のような言葉遣いで話し始めた。
「お兄様、フルドさんに今すぐに答えを求めるのは難しいと思います。知り合ってまだ間もないのです。考える時間を与えてあげてください」
さっきまでのポルさんと全然印象が違うんですけど~!もしかしてこっちが本来の姿である王族のポルさんなのかな。
「そうだね」
僕が話の内容とポルさんの変化に対応しきれず挙動不審みたいになっていた間に二人の間で話がおわったみたいだ。
「フルドさん、親切にしてくださった貴方を巻き込んでしまってごめんなさい。でも、私達にはどうしても貴方の力が必要なの…それは覚えていてください」
ポルさん…何気に念を押してませんか?
結局は今すぐに返事をしなくても良いけど良い返事を期待してるって言ってるんだよね。断るって選択肢はないんだね。
でも…どうしてそこまで僕の能力が必要なんだろうか?
「あの…ひとつお聞きしても良いですか?」
「はい」
「どうして聖女をブラディーガールにする必要があるんですか?」
別にブラディーガールにしなくても復讐はできると思うんだよね。
「それは…ブラディーガールにすることが目的ではなくて、ブラディーボールが欲しいのです」
「ブラッディーボールが?ですが…ブラディーボールは出来たとしても個人でボールの能力は違ってきます。どういう能力のボールができるのかは僕でもわからないんですよ」
能力のわからないボールを欲しがるっておかしいよね。でも二人は表情を変えなかった。
「賭けたのです。聖女の能力である…力を他者から奪い魅力する能力ができる事を…」
最大の博打だよね!?
できるかどうかわからないのにそれに賭けるの?
そんなに他に方法がないってこと。そこまで獣人さん達は追い込まれている状況なのか…。
「我々も色々と考えました。しかし…あの聖女の能力がある限りまともに戦うことも出来ず…。それなら互角になる魔法はないかと探しましたがそれも膨大な魔力量がいるため我々では無理でした。そこで思い出したのが一族だけに伝わるあのヴァン様の物語の内容を思い出したのです」
え…。
また出たヴァン様!?今度は何?
あの絵本に一体何が書いてあったの?
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