ブラッディーガールを探せ!

縁 遊

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2-㉙ 決心しました

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 またまた登場したヴァン様の絵本。

 ヴァン様って昔は相当な遊び人だったのかな?範囲が広すぎるんだよね。一体どこの国まで出掛けていたんだろうかと考えちゃうよ。

 あ、思わず考えが脱線してた。

 ポルさんから聞いた話をまとめると、前に見せてもらった絵本には続きがあってその内容は結婚した二人の間に子供ができて、その子供の持つ能力が他人の能力を自分の物にできるという能力だったそうだ。

 二人はこの絵本の内容からもしかしたら子供と絵本に書いてあるのは僕が言っていたブラディーボールの事なんじゃないかと判断したらしい。それで今回の事を思い付いたという訳なんだね…。

 もう絵本の続きは無いよね…?

 確かめたいけど少し怖いな。

「絵本ってこれで終わりですか?」

「ええ。本当は続きがまだあったみたいなのだけれど…手元に残っているのはここまでなの。内容もわからないわ」

 残念そうに言うポルさん。ポルさんには悪いけど、続きがなくて僕は安心しています。

 さて、どうしようかな…。

 戦争は嫌だし、でもポルさん達を助けてあげたい気持ちはあるんだよね。

 このまま獣人さん達が洞窟で隠れるようにしか生活が出来ないなんて…間違ってると思うし。

 でも、話を聞いていただけでもおかしい聖女に直接会うというのも気が重い。できれば関わりたくはない人物だ。

 あ~!!!

 イライラがつのる。

 もし…これがヴァン様ならどうするのかな。

 たぶん、めんどくさいと言いながらも聖女に会いに行くだろうな。そしてどうにかして戦争にはならないようにするかも…。

 僕に出来るかな…。

 頭の中でグルグルと色々な考えが巡っている。はっきりとした解決策は無いけれど、このまま何もしないで見ているだけというのも違う様な気がしてきた。

 僕の能力が役に立つかはやってみないとわからないけど…。でも…。

「パルさん、ポルさん。聖女の力をブラディーボールに移せるかは約束できませんけど、それでも大丈夫ですか?もしかしたら、全然違う能力のボールができることもありますよ」

 パルさんとポルさんは二人で目線を合わして頷いている。

「かまいません。我々はできることはやってみたいだけなんです。今のままでは何も変わらない…それでは駄目なんです」

 パルさん達も踠いているのかもしれない。

「わかりました。では、とりあえずお役に立てるかはわかりませんが聖女と会ってみます」

 僕は決心した。

「「ありがとうございます!!」」

 パルさんとポルさんが手を取り合って喜んでくれている。

 不安はあるけど、やれるところまでやってみる!ダメだと思ったらヴァン様にSOSをだそうと思っているんだけど…ヴァン様に怒られるかな。


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