120 / 169
2-㉙ 決心しました
しおりを挟むまたまた登場したヴァン様の絵本。
ヴァン様って昔は相当な遊び人だったのかな?範囲が広すぎるんだよね。一体どこの国まで出掛けていたんだろうかと考えちゃうよ。
あ、思わず考えが脱線してた。
ポルさんから聞いた話をまとめると、前に見せてもらった絵本には続きがあってその内容は結婚した二人の間に子供ができて、その子供の持つ能力が他人の能力を自分の物にできるという能力だったそうだ。
二人はこの絵本の内容からもしかしたら子供と絵本に書いてあるのは僕が言っていたブラディーボールの事なんじゃないかと判断したらしい。それで今回の事を思い付いたという訳なんだね…。
もう絵本の続きは無いよね…?
確かめたいけど少し怖いな。
「絵本ってこれで終わりですか?」
「ええ。本当は続きがまだあったみたいなのだけれど…手元に残っているのはここまでなの。内容もわからないわ」
残念そうに言うポルさん。ポルさんには悪いけど、続きがなくて僕は安心しています。
さて、どうしようかな…。
戦争は嫌だし、でもポルさん達を助けてあげたい気持ちはあるんだよね。
このまま獣人さん達が洞窟で隠れるようにしか生活が出来ないなんて…間違ってると思うし。
でも、話を聞いていただけでもおかしい聖女に直接会うというのも気が重い。できれば関わりたくはない人物だ。
あ~!!!
イライラがつのる。
もし…これがヴァン様ならどうするのかな。
たぶん、めんどくさいと言いながらも聖女に会いに行くだろうな。そしてどうにかして戦争にはならないようにするかも…。
僕に出来るかな…。
頭の中でグルグルと色々な考えが巡っている。はっきりとした解決策は無いけれど、このまま何もしないで見ているだけというのも違う様な気がしてきた。
僕の能力が役に立つかはやってみないとわからないけど…。でも…。
「パルさん、ポルさん。聖女の力をブラディーボールに移せるかは約束できませんけど、それでも大丈夫ですか?もしかしたら、全然違う能力のボールができることもありますよ」
パルさんとポルさんは二人で目線を合わして頷いている。
「かまいません。我々はできることはやってみたいだけなんです。今のままでは何も変わらない…それでは駄目なんです」
パルさん達も踠いているのかもしれない。
「わかりました。では、とりあえずお役に立てるかはわかりませんが聖女と会ってみます」
僕は決心した。
「「ありがとうございます!!」」
パルさんとポルさんが手を取り合って喜んでくれている。
不安はあるけど、やれるところまでやってみる!ダメだと思ったらヴァン様にSOSをだそうと思っているんだけど…ヴァン様に怒られるかな。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説


セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる