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しおりを挟む数時間後、縁もたけなわではあるが日付も越えようかという時間であり中には終電を気にする者も出始めた為、そろそろお開きにしようかとなった。
そしてそこで一番の問題になるのは、調子に乗ってアルコールに負け、潰れた人間をどうするかだ。
「うわ、一ノ瀬の奴完全に潰れちゃってるよ。コレどうする?」
同僚の一ノ瀬という男がすっかり寝入ってしまって、扱いに困っていた。
こういう場合は同性である男が送っていくのがセオリーだが、あいにく今日のメンバーの男性は全て逆方向であり、タクシーに乗せても高く付くので全員が渋っていた。
そんな時、ふと思い出したように一ノ瀬と親しい秋山という男が思いついたように言う。
「そうだ、コイツの恋人に持ち帰ってもらおうぜ」
名案だと言わんばかりにそう言うと、了承も得ず一ノ瀬の懐を漁ってスマホを取り出した。
そしてそのまま誰かに電話をかけ始めた。
どうやら秋山自身もその恋人とは初対面のようで、遠慮しながら経緯を説明して引き取りをお願いしていた。
時折相手の声が漏れ聞こえていて、随分と気性の激しい子と付き合っているのだなと聖は他人事のように思った。
秋山は電話を終えると「スゲー怒ってたけど迎え来てくれるって」と苦笑いで頭を掻いてはいたが、なんとか折れてもらい連れ帰る目安がたったようだった。
一ノ瀬に全身でもたれかかられて鬱陶しそうにしつつも、せめてもの情けでその迎えが来るまでは残る事にしたようだ。
その間女性メンバーは無情にも早々に帰宅していたが、聖もまたそれなりに寄っていたし、彼女達とは別方向なのでタクシー待ちで仕方なくその場に残っていた。
残っていた数人とたわいもない話をしていると、一ノ瀬を抱えていた秋山が遠くを見て「来た来た」と言って手を振る。
聖もなんの気なしにそちらの方へ目を向けると、その姿に驚いた。
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