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しおりを挟む入社5年目の冬。
その日は結婚をした会社の同期の披露宴に参加し、その後2次会と称して集まっていた。
自分達もそろそろ結婚を考える歳だよな、なんていう話題から各々の恋愛話へ発展する。
すでに結婚間近の者、恋人との関係に悩んでいる者、恋人募集中な者、そもそも結婚願望がない者それぞれだったが、「白河はどうなんだよ」と、話を振られそれまで聞き役に徹していた聖は苦笑いを返した。
「残念ながら仕事ばっかりで面白味のない人生送ってるよ」
冗談混じりで言うと、その場の全員が声を揃えて納得した。
「確かに白河、いっつも残業ばっかで会社にいるイメージしかないわ」
「優秀過ぎて男の方が引け目感じそうだよね~」
好き勝手に言われ酷い言われようだなと思いつつ、聖自身も異性にときめいたのはいつだっけ、と考えなければ思い出せないほど確かに恋愛ごとからは遠ざかっていた。
大学時代は遊びに留学にと自分の好きな事ばかりに没頭していたし、社会人になってからは仕事に慣れるのに必死でここまでがむしゃらに直走ってきた。
今日の結婚式で純白のドレスを着て幸せそうに笑う同期を見て素敵だなと思ったけれど、自分があの場所に立てる未来がいまいち想像できなかった。
その後は徐々に恋愛話から遠のき、仕事の話や上司の愚痴にシフトしていき、酒に呑まれる者も出てきて普段仕事が多忙な面々でなかなか集まれない事も相まって、飲み会は大いに盛り上がった。
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