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番外編
ティア 文字に表さない理由
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ティア5歳
私は庭で座り込んでいた。
手にはその辺に落ちていた木の棒を持ってガリガリと地面を削った。
理由は…
暇だから!!
だってお父様はお仕事だしお母様はお茶会行っちゃったしお兄様は学園でメイド達は仕事
勉強しろって言われたけど逃げてきたからね~
…文字は覚えたし計算もできるよ?
お金の使い方はまだ分からんけど…
学園は6歳からだし…
話さないのを突き通してたら友達もあんまし出来なかったし
代わりに取り巻きはできた
私は何となくお父様達の名前を掘ってみた。
…確かお父様はシュウで…
お母様はミチル
お兄様はネイサン
「お嬢様。何をされてるんですか?」
ふいに声をかけられ私は顔を上げた。
そこにいたのは庭師の子供だった。
…名前なんだっけ
聞いたような聞いてないような…
「あ。失礼しました。庭師ランダルの息子カイラです」
…カイラ
私は早速地面にカイラと書いた。
「…旦那様のお名前ですか?」
そうだけど…?
「お嬢様は俺より年下なのにもう文字を覚えてるんですね」
…そりゃ平民と貴族の違いってものでしょ
貴族は強制的に3歳ぐらいから勉強させられるからね
「…でもなんで旦那様や奥様のお名前を?」
私は答えを地面に書いた。
『暇だから』
「そうなんですね」
…暇だって思う時もあるよ
「あ。じゃあお嬢様に取っておきの場所を教えます」
カイラは私の手を握って立ち上がった。
…6歳児
遠慮がないな
「こっちです!!」
数分後…
何ここ怖い
私は木の枝の上にいた。
「ね?ここからの景色は綺麗でしょう?」
まぁ遮るものが何もないから綺麗だけど…
…あ
民家みっけ
「俺…いつか王都へ行きたいんです」
ん?
なぜここで将来の夢をカミングアウトした?
「俺…騎士になります!!すっごく強くなっていつかお嬢様を守ってみせます!!」
いやだからなんで今?
「待っていてください!!」
…質問に答えろや
私はため息をついたと同時にバランスを崩し枝から足を滑らせてしまった。
しまっ…
私は瞬時に目を瞑った。
しかし想像していた痛みはいつまでも来なかった。
あれ…?
「ごらぁ!!カイラ!!」
「げっ!!父さん…」
あ
ランダルが受け止めてくれたのか
…結構高い枝だったと思うんだけど…
「なんちゅうとこにお嬢様を連れていってるんだ!!バカ息子が!!おりてこい!!」
「はい…」
カイラはするするとおりてきた。
猿かお前は
だったらことわざ通り木から落ちろよ
「お嬢様…申し訳ありません…罰は何でも受けますから…」
…罰?
子供のお遊びでしょ
落ちたけど
…でもランダルの気が済みそうにないなぁ
私はあることに気づいた。
…どうやって伝えたらいいんだこれ
木の棒捨ててきちゃったぞ
私は慌てて代わりの枝を探し地面に書こうとした。
…ここ芝生だ
「「お嬢様?」」
えっとえっと…何か書けるところ…
私はポケットや庭を見渡した。
…これしかない
ポケットに入っていた小さな紙きれ。
ただし筆記用具はない。
…さっきの場所まで戻るか
高価な紙を無闇に使うわけにもいかないし
私はランダルの服を掴みカイラと会うまでいた場所に連れていった。
そして落ちていた棒を拾い地面に文字を書いた。
『罰は私達ストラグル家に仕えること』
「は…?今も仕えておりますが…」
あ
そっか
う~んと…
『じゃあ私のお部屋にお花をちょうだい』
「それぐらいでしたらいつでも…」
『ならそれで。可愛いのにしてね』
「かしこまりました!!ほらカイラ。お前も」
「…危険な場所に連れて行ってごめんなさい。俺も花育てるから…」
…え
カイラに育てられる?
水やりゃいいってもんじゃないぞ?
あげすぎはよくないんだぞ?
「ティア。ただいま。何してるの?」
私はお兄様に後ろから抱き上げられた。
「…これティアが書いたの?」
お兄様が見ていたのは最初に私が地面に書いたお兄様達の名前だった。
…やべ
「…ランダル」
「は」
「これをこのまま保存しろ」
「は…え?しかし…雨や風で消えて…」
「何がなんでも保存しろ。金はいくらでも使っていい。魔法もだ」
「……かしこまりました」
うわぁ…
無茶な要求…
これからはなるべく書かないようにしよう…
…待って?
てことは今まで勉強の時に書いてたヤツ…
私はお兄様の顔を見あげた。
「ん?」
…多分取ってあるな
処分してって言ったのに
「ティア。もう夕方だよ?お部屋に戻ろう。風邪ひくよ」
…いつものお兄様に戻った
お兄様は私を抱いたまま邸に入った。
「へぇ…ティアが父様達の名前を…」
「それは何がなんでもその状態に保っておかないとね」
…もうやだこの家族
…地面に書くのがダメなら手とかに書いたら伝わる?
私はお兄様の手のひらに試しに私の名前を書いてみた。
「ティア。くすぐったいよ」
ダメだこれ
伝わらねぇ
ならば魔法っ!!
私は空中に指をたて…
…うん
私そんな魔法知らない…
空中に光る文字でも出てくればいいのに…
何となく指を動かしてみたが何も起こらなかった。
…書けない
…地面に書くしかないのか
書いたら消そう…
私は庭で座り込んでいた。
手にはその辺に落ちていた木の棒を持ってガリガリと地面を削った。
理由は…
暇だから!!
だってお父様はお仕事だしお母様はお茶会行っちゃったしお兄様は学園でメイド達は仕事
勉強しろって言われたけど逃げてきたからね~
…文字は覚えたし計算もできるよ?
お金の使い方はまだ分からんけど…
学園は6歳からだし…
話さないのを突き通してたら友達もあんまし出来なかったし
代わりに取り巻きはできた
私は何となくお父様達の名前を掘ってみた。
…確かお父様はシュウで…
お母様はミチル
お兄様はネイサン
「お嬢様。何をされてるんですか?」
ふいに声をかけられ私は顔を上げた。
そこにいたのは庭師の子供だった。
…名前なんだっけ
聞いたような聞いてないような…
「あ。失礼しました。庭師ランダルの息子カイラです」
…カイラ
私は早速地面にカイラと書いた。
「…旦那様のお名前ですか?」
そうだけど…?
「お嬢様は俺より年下なのにもう文字を覚えてるんですね」
…そりゃ平民と貴族の違いってものでしょ
貴族は強制的に3歳ぐらいから勉強させられるからね
「…でもなんで旦那様や奥様のお名前を?」
私は答えを地面に書いた。
『暇だから』
「そうなんですね」
…暇だって思う時もあるよ
「あ。じゃあお嬢様に取っておきの場所を教えます」
カイラは私の手を握って立ち上がった。
…6歳児
遠慮がないな
「こっちです!!」
数分後…
何ここ怖い
私は木の枝の上にいた。
「ね?ここからの景色は綺麗でしょう?」
まぁ遮るものが何もないから綺麗だけど…
…あ
民家みっけ
「俺…いつか王都へ行きたいんです」
ん?
なぜここで将来の夢をカミングアウトした?
「俺…騎士になります!!すっごく強くなっていつかお嬢様を守ってみせます!!」
いやだからなんで今?
「待っていてください!!」
…質問に答えろや
私はため息をついたと同時にバランスを崩し枝から足を滑らせてしまった。
しまっ…
私は瞬時に目を瞑った。
しかし想像していた痛みはいつまでも来なかった。
あれ…?
「ごらぁ!!カイラ!!」
「げっ!!父さん…」
あ
ランダルが受け止めてくれたのか
…結構高い枝だったと思うんだけど…
「なんちゅうとこにお嬢様を連れていってるんだ!!バカ息子が!!おりてこい!!」
「はい…」
カイラはするするとおりてきた。
猿かお前は
だったらことわざ通り木から落ちろよ
「お嬢様…申し訳ありません…罰は何でも受けますから…」
…罰?
子供のお遊びでしょ
落ちたけど
…でもランダルの気が済みそうにないなぁ
私はあることに気づいた。
…どうやって伝えたらいいんだこれ
木の棒捨ててきちゃったぞ
私は慌てて代わりの枝を探し地面に書こうとした。
…ここ芝生だ
「「お嬢様?」」
えっとえっと…何か書けるところ…
私はポケットや庭を見渡した。
…これしかない
ポケットに入っていた小さな紙きれ。
ただし筆記用具はない。
…さっきの場所まで戻るか
高価な紙を無闇に使うわけにもいかないし
私はランダルの服を掴みカイラと会うまでいた場所に連れていった。
そして落ちていた棒を拾い地面に文字を書いた。
『罰は私達ストラグル家に仕えること』
「は…?今も仕えておりますが…」
あ
そっか
う~んと…
『じゃあ私のお部屋にお花をちょうだい』
「それぐらいでしたらいつでも…」
『ならそれで。可愛いのにしてね』
「かしこまりました!!ほらカイラ。お前も」
「…危険な場所に連れて行ってごめんなさい。俺も花育てるから…」
…え
カイラに育てられる?
水やりゃいいってもんじゃないぞ?
あげすぎはよくないんだぞ?
「ティア。ただいま。何してるの?」
私はお兄様に後ろから抱き上げられた。
「…これティアが書いたの?」
お兄様が見ていたのは最初に私が地面に書いたお兄様達の名前だった。
…やべ
「…ランダル」
「は」
「これをこのまま保存しろ」
「は…え?しかし…雨や風で消えて…」
「何がなんでも保存しろ。金はいくらでも使っていい。魔法もだ」
「……かしこまりました」
うわぁ…
無茶な要求…
これからはなるべく書かないようにしよう…
…待って?
てことは今まで勉強の時に書いてたヤツ…
私はお兄様の顔を見あげた。
「ん?」
…多分取ってあるな
処分してって言ったのに
「ティア。もう夕方だよ?お部屋に戻ろう。風邪ひくよ」
…いつものお兄様に戻った
お兄様は私を抱いたまま邸に入った。
「へぇ…ティアが父様達の名前を…」
「それは何がなんでもその状態に保っておかないとね」
…もうやだこの家族
…地面に書くのがダメなら手とかに書いたら伝わる?
私はお兄様の手のひらに試しに私の名前を書いてみた。
「ティア。くすぐったいよ」
ダメだこれ
伝わらねぇ
ならば魔法っ!!
私は空中に指をたて…
…うん
私そんな魔法知らない…
空中に光る文字でも出てくればいいのに…
何となく指を動かしてみたが何も起こらなかった。
…書けない
…地面に書くしかないのか
書いたら消そう…
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